前回の記事では阿部選手の獲得についてのお話でしたが、
今回は今年彼に期待したいことそしてゆくゆくの将来についてお話していきたいと思います。
せっかくここまでのスター候補を獲得できたわけですからね。
しっかり準備して存分に彼の活躍を楽しみにしようではありませんか。





◎高卒選手がプロ1年目を戦う難しさ





まず、最初にチェックしておきたいのは高卒新人にとってプロの壁はかなり高いということです。
毎年高校やクラブユースから高卒選手がJリーグの門をたたきます。
いずれも将来有望な選手たちですが、はっきり言って一握りの選手しか活躍の場を得られていないのが現状です。J1で高卒選手がポジションを得るなんてそうそうないことですし、もし出てきたらいずれ日本を背負う選手になります。そのくらいズバ抜けた逸材ということですね。なので多くの有望選手はJ1では出れなくともレンタルでJ2へとか、U-23のあるクラブだとJ3でとか、下のカテゴリに活躍の場を求めたりするわけです。



ではJ2において高卒新人はどうなのか?
2017シーズン、高卒選手がどのくらい試合に出ていたのか?ランキングを作ってみました。
J2だと総勢30名くらいの高卒選手(高3リーガーも含む)が2017年ルーキーイヤーを過ごしました。
J2リーグと天皇杯での出場を含めた時間です。
たぶんファジの選手のデータと比較するとわかりやすいと思うのでいっしょに添えておきます。
見比べてみるとどの選手がファジのどの選手と同じくらい試合に出たのかわかりやすいかと。



高卒試合

2017ファジ時間

まあ…主力としてある程度の実績を残したといえるのはどのラインなのか?そこの線引きはいろいろあると思います。
さすがに10試合前後の出場だとたまーにちょろっと出てくる感じで主力とは言い難いかなあと。
ファジで言うとニコくらいの感じですからね。(あ、彼は半年でしたね・・・)
やはり21試合以上の出場くらいが目安として妥当なのかなあ。J2が42試合ですしね。
そうなるとランキングトップの6名くらいまで、つまり30名の中から6名程度がJ2の主力になったってことですな。
トップの冨安選手、杉岡選手あたりは、ウチで言うと喜山・関戸並みの稼動ですからこりゃ文句なしのド主力ですね。

しかしだ。
逆に言えば大半の高卒選手はJ2であっても出場機会がない、ポジションが取れない、という現実があります。
とくに下位のクラブになればなるほど高卒選手の出場の機会が乏しい傾向もある。おそらく現実的に勝点を稼がないと降格の危険性があるので、高卒選手を我慢しながら使う余裕はないということなのでしょう。J2ならJ1より出れると言ってもなかなかに難しいところもあるなあと感じる次第です。
しかし阿部海大の2018年を占ううえで心強いデータがあります。



このトップ3の冨安、杉岡、岩崎の3人とも、
FIFA U-20 ワールドカップ韓国2017の本戦招集メンバーです。


世代トップクラスの選手であれば、
高卒でもJ2の主力に十分なりうる。




競争相手は実績のある選手ばかりですが、
もう海大はスタメン獲ろう。高卒一年目でド主力獲っちゃおう。
そういう期待感をもって見ていい選手です。あーワクワクするわぁ・・・・!





◎ファジの高卒選手たちと石原崇兆





いい機会なのでこれまでファジアーノ岡山の高卒選手はどうだったのか?という話をしましょう。
これまで、ファジが獲得してきた高卒選手はざっとこんな感じのようです(ツイ主様より「抜けがあったらごめんなさい」とのこと)。



まきゅつい




ネクスがあった分強化方針がちょっと特殊だったこともあって、高卒選手がトップチームに貢献できた例は少なかったという事実があります。
福岡に移籍した篠原なんかはかなり辛抱強く育てて主力に成長してくれましたが、彼も元々はネクススタート。
例外的にトップチームで主力になってJ1でもプレーする選手まで育ったのが2011年加入の石原崇兆選手(現松本)です。多くのファジサポにとても愛された選手で、プレースタイル的にも非常に人気を集めました。
彼がどうしてあそこまでの人気選手になったのか?
一つ見逃さない要素としては高卒の若者が成長する過程を見る楽しさが大きかったのではないか?と見ています。そして彼の入団した2011年以降というのはチーム自体も右肩上がりに成績が伸びていく時期で彼の成長とシンクロするようなところがあった。ある意味2010年台前半の岡山を象徴する選手だったのが石原崇兆だったのかなぁと思います。
そんな石原のファジでの出場記録を見てみましょう。



石原出場



29試合1521分という数字はまさに主力級だったことを証明していますね。
先のランキングに当てはめてみても7位相当の記録。
当時自分はファジサポ1年目でしたが「高卒でこんな試合出てたら先々楽しみだな・・・・」と何回も思いました。
プロで主力としてチームの責任もいくらか背負いながら積む経験こそが選手を大きくしますからねえ。
・・・・まあ、育ちすぎて他所に獲られちゃったけどな!(苦笑)
一つの目安として、海大にはまずこの石原の1年目を越えてもらいたいと思っています。



石原が岡山で順調にキャリアを積み上げられたのにはいくつか理由がありますが、
一番でかいのは競争相手のレベルがそこまで高くなかったことがあります。
2011年当時のファジは成績的には前年ブービーで、ようはプロクラブの最下層にいました。練習場もなく選手獲得に苦労して、誰もが知っているような選手がほとんどいませんでした。いまでは、かなりの選手がファジに来てくれるようになりましたが、当時の選手層だと高卒選手を思い切って使ってみる決断は下しやすかったろうと思います。それに、当時は降格もありませんでしたからねえ。そして当たり前ですが、石原には素晴らしいスピードと豊かなスタミナが備わっていた。実力があった。これは間違いない。ぶっちゃけると、2014年のホーム札幌戦でのすさまじいパフォーマンスを見て「あ、これは岡山においておけなくなるかも」と覚悟しました。あの時はほんと凄かった。知り合いの札幌サポさんが「石原君ていつもああなの?」って聞いてきましたからねそんくらい際立ってたということでしょう。いまやJ2屈指のシャドーですよ。
それもこれも高卒1年目にして主力として稼動できた2011シーズンがあればこそだと思います。


海大の置かれている状況は当時とは全く異なりますし、石原のような芽が出やすい環境ではないと思います。
まず競争相手のレベルが違うし、リーグにおけるファジの立ち位置も違います。昇格もあるが降格もある。
2011年当時とは比べ物にならないくらいハードルはあがってきています。
でも、海大クラスならできるんじゃないか?
もしかしたら(レンタル移籍組ではなく)岡山が保有する選手として初めて五輪を戦う選手になるかもしれない。




・・・そういうワクワク待ってました!もーほんと楽しみ!






◎順調に成長した先にあるもの





ここからは仮定のお話になります。
もし海大が石原のペースを抜くような勢いで試合に出て順調に成長していくと、絶対に他所から欲しいと言われます。
もうこれは避けては通れません。いまや、J1ですら海外から抜かれてしまいますから、J1のトップクラスでも選手を引き止められない時代ですからねえ。ましてやJ2のクラブであれば言わずもがなでしょう。
クラブに選手を引き止められる力がなければ選手は出ますからね。
海大が先々どのようなキャリアを描きたいと思っているのかはわかりませんが、先ほどランキングのところで名前をあげた3選手いますよね?彼らと同じ大会に出場していた元G大阪の堂安律選手はオランダのクラブへレンタルで移籍していきました。もうこの年代くらいから欧州に渡って向こうでのキャリアを築くのが当たり前になってきつつあります。そして、まさにランキングトップだった福岡の冨安選手。ベルギー1部のシント=トロイデンVVへ移籍することになりました。なんでも億単位の移籍金を残しての移籍だったとか。こういう世界なんですよねもう近頃は・・・笑
だからいい若手はJ1も欲しがるし、海外も欲しがるってことですね。



とらぬたぬきははいけませんが、海大も順調にいけばそういうルートが開ける可能性は十分にあります。
だからいずれ岡山においておけなくなる日が来るかもしれないし、
そういう日が来るような活躍をさせなきゃいけないのもあるなぁ・・・・ていう。
DAZNマネーが入ってからようやく日本国内での移籍にも移籍金を支払ってほしい選手を取りに行く流れができてきています。
いずれ、岡山に置いておけないクラスの選手になることを見越して契約年数であるとかクラブにとっても選手にとってもいい出口を見つける戦略が必要になるんだろうなと考えておりますよ。・・・夢のある話だなあほんとに。
ということで、阿部海大選手についてのお話でした。
彼の2018シーズン、ケガがなく活躍できることを期待しています。





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今年初めての更新!



みなさま今年もどうか当ブログをよろしくお願いいたします。



今年で8年目となるゼロファジブログですが、昨年に引き続き月に2本をめどにコラムめいたものを書き綴って行こうと思います。
また試合のレビューについてですが、今年はちょっと試したいこともありますので去年よりかは多くやりたい!
と思っておりますので、シーズンはいりましたらそちらもお楽しみにしていただけたらと思います。
さて、今年一発目のネタは、ゴールデンルーキー阿部海大選手についてのお話から!






◎ゴールデンルーキー 阿部海大選手





カイト
(写真:@fyusoccer)


阿部 海大(あべかいと)

■生年月日 : 1999年9月18日
■ポジション : DF
■身長/体重 : 182cm/71kg
■出身地 : 大分県
■チーム歴 : きつきFC - スマイス・セレソン - 東福岡高校

■主な戦績
 2016年 全国高校選手権優秀選手
 2017年 全国高校総体優秀選手
 2017年 U-18日本代表、日本高校選抜



スキンヘッドに180cmを越える長身。フィジカルの強さ、ジャンプの高さ、足元の技術。
ファジアーノ岡山のルーキー史上最高のタレントといっても差し支えない選手が今年からファジでプロのキャリアをスタートします。現U-18代表であり、世代を代表するCBという評価をうけており、高卒新人では最高クラスの人材。
普通ならJ1の強豪がまずもっていってしまうレベルの選手です。
そんな選手がなんと岡山をスタートに選んでくれたんですよね・・・!






◎みんな”どんな選手が岡山を選んでいるのか?”を見ている






移籍とか契約のお話というのは内幕を知らない自分のようないちサポーターには全く見えない世界ですから、どういう経緯とかどういうやり取りがあるとか全然わからないんですよね。だから、外から見ている身としては岡山を選んでくれてウチへ入団してくれた選手の顔ぶれを見て岡山の交渉力を推測するしかないんじゃないかなあと思うんですよ。有名な選手が取れた時なんかは、「岡山もこのレベルの選手が選んでくれる地位まで来たんだな」と確認できるっていう感じで。
で、おそらく他の選手から見ても「あ、岡山って○○選手が選ぶレベルまで上がってきてるんだな」というのを、岡山に行った選手の顔ぶれを見て判断しているところもあるんじゃないかなぁ?というのが素人ながら実感するところです。



ファジアーノ岡山はトップチームの強化において毎年右肩上がりの成長を遂げてきました。
2009年にJリーグに参入したときなんかはまさに一番ビリの地位でしたから(J3もなかったし)いい選手を押さえるのに苦労していました。そこからしばらくして2011年にはJリーグベストイレブンを取ったこともある元ブルガリア代表のストヤノフ選手が加入。2013、2014年あたりではJ2下位のクラブで際立った活躍をした選手を引き抜けるレベルに到達。
そして、戦力の充実という意味ではピークを迎えた2016年。
岩政、加地の元日本代表の二人に、J2屈指のGK中林、前線に赤嶺と豊川、中盤に五輪の10番矢島と。
数年前では全く考えられないほどの豪華な顔ぶれがそろうことになりました。
それぞれの段階において、「○○選手が岡山を選んだ」というのは移籍市場において大きな宣伝にもなったであろうと。
とりわけ、岩政、加地の元日本代表選手の獲得はそういう意味でも影響があったのではないか?と思います。
そういう意味で、選手獲得って結局”獲得実績”がモノを言うんじゃないの?と思うようになりました。
いい選手を獲得したという実績こそがクラブの格を高め、世間に宣伝してくれるんじゃないかなあと。
みんな”どんな選手が岡山を選んでいるのか?”を見ている
トップチームのほうはそれがとてもうまくいっているんじゃないでしょうか。
しかし、高卒年代においてはどうか?







◎阿部選手を獲得した実績が開く未来






これまでも高卒でファジに加入した選手はいました。
どの選手もプロに呼ばれるだけの能力の持ち主で、ファジを離れてもいろんなカテゴリで活躍してくれている選手ばかりです。
しかしながら、これまで加入してくれた選手が世代を代表するレベルであったかというとそこまではさすがにというところ。
前述のとおり阿部選手は世代を代表するCBで、J1の強豪がまずもっていくレベルの選手です。
このレベルの選手がキャリアのスタート地点として選ぶクラブになった。
それを世間に高らかに宣伝する極めて画期的な補強だったのではないか?と。




”そしてみんな阿部選手が岡山を選んだのを見ている”



今後岡山は”阿部クラスが行く岡山”として新人獲得に乗り出していくことになるのでは?とワクワクしています。
競争がありますから毎年勝ち取れるとは限りませんが、これまでよりも有力な新人が来てくれる可能性は間違いなく高くなっていくことだろうと思います。そう考えると、目先の戦力のみならず先々も見越して動かないといけない強化の奥深さを感じますね。
彼の獲得にあたっては水面下で熾烈な争奪戦があったことでしょう。
Jリーグの中でもトップクラスのクラブが獲得に動いていたのではないか?と予想されます。しかし、岡山が獲得!
ここに強化部の静かなる大勝利の証があると言っていいんじゃないでしょうか。
・・・ほんとにすごい!お見事でした!
ということで、阿部海大選手獲得にまつわるお話でした。
次は、阿部選手を応援する楽しみと彼の将来についての記事を書こうと思いますのでそちらも是非!




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今年も終わりますねえ。
去年の今頃はPO決勝での敗退の悔しさを引きづったままの年越しとなりました。
ですが、今年の年末は来るシーズンへメンバーもエンブレムも一新して新しい挑戦が始まる期待感のようなものを感じております。
今シーズンの終了から大みそかに至るまで様々な話題がありましたが、
あいにくブログを更新する時間がなかったものでたまりにたまってしまってるんですよねネタが・・・笑
まあ、記事にして残さなくてもいいかとか思うんですけど、この年起こったこと無視できない貴重な経験については是非とも残しておきたいなと思いますので簡単ではありますが書き残しておこうと思います。






◎長澤監督の続投、そしてクラブの二兎追い方針について





前回の記事のとおり地方クラブを率いて昇格を達成するのはたやすいことではありません。
ほんの一握りの監督にしかない遂げられなかった難しい仕事ですから、ここ3年の結果を踏まえて長澤さんが最適なのか?それが最も昇格に近いの?と考えると正直どうかなあというのが自分の本音です。
とはいえ、今年の補強を見ていると即戦力と有望新人を同時に確保するように動いていて、いわばあえて二兎追い狙いの方針を打ち出しているように見受けられます。
目先の成績(=昇格)を追いかけながら有望な若手を育てていくということなんだろうと思います。
成績と育成の両立、これはとても難しいことですよ。
おそらくは昇格レースの重みを優先するでしょうから、若手が中堅ベテランを押しのけて試合に出るチャンスは少ないだろうとと推測されます。しかし、育成の畑で数多くの選手を手掛けていた長澤さんであれば、試合に出られない若手もきっとたくさん見てきただろうし、数年後このクラブの屋台骨を支えるような選手たちへと導いてくれるのではないか?と期待しています。
そういう意味で、長澤監督の続投については自分は賛成です。






◎2017シーズンとは何だったのか?






今年必ず記憶しておかなきゃいけないなと思っていたのが、POで敗れた翌年の後遺症についてです。
これは全く想定外で自分もいい勉強をさせてもらったなぁと思いました。
特筆すべきはストーブリーグでの致命的な出遅れ問題。これにはほんと参りましたね・・・。
思いもよらないことだったので途中まで自分も気がつきませんでしたが、
おそらく今年の編成はむちゃくちゃ難しかったんだろうな・・・・と。



なんとか戦力になってくれる選手をかき集めて組まれたチームが2017ファジであったとそう解釈しています。



というのもね、レンタルで移籍してきた選手が全員レンタルバックでしょ?
完全で獲ってきた韓国人選手が一年で満了(兵役の関係?)なんですよ。
この事実から察するに、加入の段階で「とにかく2017シーズン、この一年ウチでやってくれ」という話だったんだろうなと思うわけです。去年のオフの段階で数年先も見据えたチーム作りをというのではなくて、とにかくこの一年まともにJ2を走り切れる戦力を!というのが精一杯だったのではないか?と。もしそうだったとしたら、今年の結果は順位的にも内容的にも満足いくものではないかもしれないですが、よくやってくれたんじゃないか?と思います。降格もしてないし、夏あたりではちょっと上も見えて上出来じゃん。


公に「2017シーズンは逃げ戦です」とはクラブは口が裂けても言えないでしょう。
けど、実際のところ昇格とかちょっとしんどいわ・・・と思っていたかもしれないですね笑
そうであったとしても無理な話じゃない。
今オフの充実した補強の進み具合を見ても、
「去年とは違うからね。今年俺・・・・・本気だかんね」という意思表示を感じる次第であります。






◎2018年、J2リーグ10年目のシーズンへ





エンブレム




慣れ親しんだこのエンブレムとも今日でお別れ。
明日からは新しいエンブレムにかわることになっています。
来年Jリーグ加盟10年目を迎えるファジアーノ岡山ですが、新GMのカラーもかなり打ち出されている編成になっていて、節目を迎えて新しく生まれ変わるようなイメージを抱くオフシーズンとなっていますね。
このチームを古くから支えてくれた選手たちがチームを去っていくのは非常にさみしいですが、彼ら残した仕事が消え去ったわけではない。すべてはJリーグの記録の中にしっかりと足跡が刻まれています。もちろん、サポーターの記憶の中にも。うれしいこともくやしいこともありましたが、来年から始まるあたらしいファジアーノに期待を抱きつつ年を越したいと思います。





今年も当ブログをご覧いただきほんとうにありがとうございました。
環境の変化は想像以上で、今年は全く試合見れなかったなぁ・・・って感じでしたが、まあしゃーないそういう年もありますよね。
個人的にはレビューを離れてコラムめいたものを書いてみることにとても満足感を覚えた一年でした。
来年もチャンスがあればレビューしますが、今年みたいなコラムっぽいやつをメインに頑張っていこうと思います。
このブログも来年で8年・・・・・!
読んでくださる方々のおかげで頑張れています。いつもほんとうにありがとうございます!







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今回の話も引き続き「どうしてJ1初昇格は難しいのか?」に関連するお話をしていきます。
前回の記事では、


J1未経験クラブは72クラブ中たった3つしか昇格していない。



その3つは、’13徳島、’14松本、’17長崎である。



ということでしたね。



で、この3つの成功例には共通点があります。
それは、3クラブともいわゆる”J2の名将”と呼ばれる腕利きの指揮官に率いられていたということなんです。
J2の名将というのは、J2リーグにおいて卓越した実績や豊富な経験値をもつ監督のことです。







◎地方クラブを初昇格に導いた3人の”J2の名将”





・2013年徳島ヴォルティス初昇格


2013シーズンに徳島ヴォルティスをPOの末J1に導いた監督は小林伸二監督であります。
この方は現在Jリーグの指揮官を務めている監督さんの中ではたぶん1,2を争う実績を持っているひとです。
J2における戦績をまとめておきましたのでペタリしときますね。


小林伸二



2002年の大分トリニータ、2008年のモンテディオ山形、2013年の徳島ヴォルティス、2016年の清水エスパルスと。
なんと4回もJ2クラブをJ1に昇格させた実績を持つという”昇格請負人”ですね。
J2での指導年数も7年で4クラブ経験しており、実績経験ともにトップクラスの人材であります。



・2014年松本山雅初昇格


2014シーズンに松本山雅を2位自動昇格でJ1に導いた監督は反町康治監督であります。
この方は小林さんと並んでJ2における実績では双璧をなす監督さんではないか?と思います。



反町康治



2003年のアルビレックス新潟、2009年湘南ベルマーレ、2014年松本山雅と3回クラブをJ1に導いています。
昇格回数こそ小林さんに一つ及びませんが、資金力のない地方クラブをJ1に導く監督としては現状最高の監督じゃないでしょうかね。J2指導歴は10年にわたり、計3クラブで確かな仕事を残しています。



・2017年 V・ファーレン長崎初昇格


そして最後に、2017シーズンにV・ファーレン長崎を2位自走昇格でJ1に導いた監督、高木琢也監督です。
監督としてのキャリアのスタートが横浜FC悲願のJ1昇格達成という華々しいスタートでありました。その当時から名将の呼び声高い方ですが、2009年から2017年にいたるまで継続してJ2で指揮をとっていた監督は高木さん一人だけであります。


高木琢也



高木さんは実績では先の2人に及びませんが、昇格したての長崎をPOに持ってきて、そこから隔年で長崎を上位に持ってくるなど、長崎での仕事はピカイチのものがあります。確かどっかのインタビューでご本人が「長崎にきて監督としてさらに覚醒した」みたいなことを言っておられたように記憶していますが、結果がそれを裏付けていますよね。



このように、
3つのクラブをそれぞれ初昇格に導いたのは卓越したキャリアを誇るJ2の名将たちであった
というわけです。



では、初昇格に導けなかったたくさんの他の監督たちはどうなのか?
もしかしたら監督としての能力が足りていなかったかもしれません。特に監督としてのキャリアをJ2でスタートさせるひとも少なくありません。最初からそうそうズバ抜けた結果を出せる人ばかりでもないでしょうし、リーグもそんなに甘くはない。
もしかしたらこの先名将に化けていく途中のひともいるかもしれません。
それからめぐりあわせや運といった人ではコントロールできない要素に仕事を邪魔された人もいたかもしれない。
きっと上手くいかない理由は細かく見ていけば数えきれないほどあると思います。
しかし、結果的にJ1初昇格達成したのは誰が見ても名将と思うような人材ばかりなんですよねぇ。
それこそのべ72名の監督がいて、たったこの3名だけが成しえているんですよ。





どうして多くの監督が実現できなかった初昇格の仕事を達成できたのは、こういった名将たちだけなんだろう?



これまではヒトについてのお話でしたが、ここでがらっとサイドチェンジしてカネの話に目を向けてみましょう。





◎人件費の格差、そして”王道パターン”と”名将勝ちパターン”






前回の話では、
J1経験クラブの壁が分厚すぎてほとんどの未経験クラブが跳ね返されてしまっているのが現状という話をしました。
それを裏付けるのがお金、資金力の差の部分であります。
ちなみに資金力=チーム人件費という扱いで話を進めますのでご了承くださいね。
あ、それからこれは基本的なことなんですがチーム人件費が多いほうがよりよい監督や選手をそろえられるということがあります。つまり、身もふたもない話ですがお金持ちは強く、貧乏は弱い、ということですね・・・笑
順位がかならずその通りになるわけじゃないですが、大筋でお金持ちのクラブのほうが上に行く傾向があるのは間違いないです。



まずは2013年徳島が昇格したときのデータを見てみましょう。
J1経験クラブとJ1未経験クラブの人件費の違いに注目してみてください。


2013シーズン人件費と順位21



2013年の徳島は人件費で5位につけるなど、J1未経験クラブでありながらいくつかのJ1経験クラブよりも豊富な資金力を持っていたクラブでありました。J1経験クラブの中には財政的にキツくなってきているところもあって、だいぶ人件費でランクを落としていたことも徳島のランクアップに影響しています。この年の徳島の昇格はあとにつづく松本、長崎の例とは実は違うタイプの昇格だと考えています。


クラブのかけられる人件費を増やしていくことで昇格に手が届くパターンなんですね。
自分はこれを王道パターンと呼んでいます。


なぜかというと人件費が増えるということ=クラブに入ってくる収入が大きくなることだからです。
簡単に言えば、
クラブの努力でより多くのお金を集められるようになれば強くなるよって話
ですね。




さて、お次は名将勝ちパターン。
まずは2014年の松本の例を見ていきましょう。
特に注目してほしいのは松本と人件費の上位ランクのクラブとの数字の差です!


2014シーズン人件費と順位2


この年もまだ札幌・福岡あたりはまだまだ建て直し中で本領発揮には至っていませんでした。
2014年の松本は人件費で9位につけていますね。
それにしても、13億とか10億、6億というチームを押しのけて4億4300万のチームで2位に入ってしまうのだから・・・自分はリアルタイムで松本が順調に勝点を伸ばしていくのを信じられない思いで見ていました。だってそんなこと可能なの??って話でしたからねえ。あまり知名度の高くない選手が多かったにもかかわらず、名だたる強豪をかき分けてストレートイン。
むちゃくちゃ悔しかったですが、地方クラブはこういう風にJ1に行くこともできるんだと強く刻まれた出来事でした。



そして最後は2017年の長崎。
ちょっと先に断っておかないといけないんですが2017年のデータが公開されるのは来年なので、参考記録として2016年の人件費をもとにしてあります。この数字は今年のじゃないのでご注意ください。
もうね、こんなの見りゃすーぐ長崎ヤバいってわかりますよ笑




2017シーズン人件費と順位2



2017年のころになるとJ1経験クラブで財政を立て直してきたクラブがぐっと増えます。
札幌なんかもそれで2016年に優勝しましたし、福岡も以前とは別のクラブのようにお金持ちになりました。
2016年の数字でいくと、長崎はたった3億3200万円のチームであります。
もしかしたらジャパネットの子会社化でお金が入ってこの3億3200万より人件費が増えている可能性もあるのかな?と思います。
しかし、メンバーを見てみると大方の編成はシーズンの初めに終わっているようですからジャパネットが関わる前の数字でチームの編成が成されているんじゃないかな?と推測されます。ってことは、3億3200万円からそんな何億も上乗せはないんじゃないかな?と思いますね。
それにしても・・・・19億とかさ、9億とかわんさかいるのに、どんだけ追い抜くんだよっていう・・・・・
なんだこれごぼう抜きじゃねーか・・・





この松本と長崎の例は、名将の手腕で人件費よりはるかに上の成績に到達したパターンだと考えています。
なので、これを名将勝ちパターンと呼んでいます。
この名将勝ちパターンは、
少ない人件費でも名将に任せるとたくさんの勝点を稼いで昇格できるよ
ってことですね。





◎なぜクラブをJ1初昇格に導くのは”J2の名将”ばかりなのか?





先ほど、「どうして多くの監督が実現できなかった初昇格の仕事を達成できたのは、こういった名将たちだけなんだろう?」という問題がありましたね。それの回答について私見を述べたいと思います。



松本、長崎のケースをみるとわかりやすいですが、初昇格を目指すクラブは基本貧乏です。
上を見れば「なんでJ2に?」というクラスのお金持ちクラブがたくさんいますから、そもそも不利な条件で昇格を目指さないといけないんですね立場的に。ということは、いろんなポジションにワンランク、いや下手したらツーランクスリーランク上の選手をそろえたチームがいくつもいると。そういうチームをバッタバッタと切り捨てて割り込まないと昇格は達成できないってことなんですよ。ましてや自動昇格なんて!
選手のクオリティ単品で勝負したらかないっこないんですよ。普通に考えると。
となるとチームとしての練度の高さであるとか、シーズンを通したマネジメントであるとか、その他諸々純粋な戦力以外の要素で格差をゴマかして勝っていくしかないと思うんですよね。
そしてそういう引き出しを存分に活用できるようになるには、やっぱり経験値が必要なんじゃないかなー?と。


プロクラブのトップチームを初めて率いる監督さんとか、J2を初めて戦いますという監督さんがそういった部分で簡単に渡り合えるとはやっぱり考えにくいんですよね。J2初監督で即座に昇格を勝ち取った監督さんもいるにはいるんですよ。湘南のチョウさんとか、福岡の井原さんとか。しかし、それもJ1経験クラブの話なんだよなぁという。



そういうわけで、J1初昇格に導く監督さんは”J2の名将”に落ち着いてくるのかな?というのが自分の考えです。





長々とお話してきましたがいかがだったでしょうか?
きっとこれからもJ2で華々しい戦績をおさめて名将の仲間入りを果たしていく監督さんが出てくることでしょう。
あ、そうそう言い忘れてましたがファジアーノ岡山は努力を重ねて人件費を増やしていますから、まさに王道パターンにのってるクラブであります。いつか絶対この努力が実る日が来ると確信して、俺は岡山の番を待つぞ!と思っております。
だから悔しいけどガマンするもん・・・・
最後に今回のお話のまとめ的なツイートをペタリして締めたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!



まとめ

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先日行われましたJ2リーグ第41節にて、V・ファーレン長崎が自動昇格でJ1昇格を決めました。



おめでとう長崎!



これがねえ・・・・もー・・・・なんというか・・・
田舎の地方クラブを応援している身としてはこう・・・いろんなことを思う出来事でしてねえ。
思わず本音をポロリしてしまった。


長崎おめでとう



J1初昇格って、ほんとにすごいことなんですよ。



J2オリジナル10や元J1クラブを応援している人からすると「ふーん・・・そんなに?」と思われるかもしれないんですが、田舎の地方クラブを応援している自分なんかからするともうこれはほんとに大変なこととしか思えないんですよね。
ということで今回のお話は、


「どうしてJ1初昇格は難しいのか?」



について過去のデータを参照しながらわかりやすくお話していきたいと思います。
こうしてみると今まで知らなかったJ2の顔が見えてくるのでは?と思いますのでよろしければお付き合いくださいませ。
ちなみに今回もチーム数が22で固定され、PO制度が導入された2012年以降を参考にしていますのでその点ご了承ください。





◎J2クラブはJ1経験クラブとJ1未経験クラブがある




まず最初に、J2を2つに分けましょう。
その分け方はJ1在籍経験があるかないかであります。
2017シーズンでいくとこんな感じ。


2017経験



今回データとして参照するのは2012年~2017年までの6年間。
この6年のJ1J経験クラブとJ1未経験クラブの数を書き出してみますとこんな風になります。



けいけんみけいけん



J1経験クラブがのべ60クラブ、J1未経験クラブがのべ72クラブ。
まあだいたい半分くらいなんだなあという感じですねえ。



さて!ここからは対抗戦の始まりです!


J1経験クラブ  vs J1未経験クラブ



PO圏内以上やその先にある昇格3枠に、それぞれどれくらいの数送り込めているのか?
みなさん予想してみてください。J1未経験クラブはどのくらいやれてるでしょうか。





◎J1経験クラブ VS J1未経験クラブ の行方





先ほどお話した通り、
この6年間でJ1経験クラブは60、J1未経験クラブは72でした。
この数がスタート地点です。ここからどのくらいのクラブがふるいにかけられて残っていくでしょうか?
まずはPO圏内以上にランクインしたクラブを数えてみましょう。



成績


赤で囲ったのが未経験クラブです。
2012年~2017年の6年間で、6位以上に入線したのは、


J1経験クラブが28(←60)、J1未経験クラブが8!(←72)


でありました。ゴクリ・・・・・(8て・・・)




毎年3クラブがJ1行きの切符を手にしますから、6年間でのべ18クラブがJ1にいきます。
もう想像がつく方もおられると思いますが、その内訳はこうなっています・・・



昇格



J1経験クラブが15(←28)、J1未経験クラブが3(←8)



ちょっとおさらいしておきましょう。


おさらい


(がんばれ。がんばってくれよ未経験クラブたち!)


ということでね。
もうごちゃごちゃ説明する必要もないとは思いますが、




J2の昇格レースとは、ほぼほぼJ1経験クラブのイス取りゲームである



ってことなんですよ。
J1経験クラブの壁が分厚すぎてほとんどの未経験クラブが跳ね返されてしまっているのが現状なんです。
ですからJ1未経験クラブがたった一度昇格を達成するということ、
それがどんなにレアなことかお分かりいただけるんじゃないかと思います。
ほんとにすごいことなんです。
田舎のクラブにとってみたら。

だからどうしてもこんな気持ちになっちゃうんだよ。
他人事じゃないからさ田舎の貧乏クラブはさ。

あがれ




J1未経験クラブはこの6年間でのべ72クラブが昇格を目指しており、
そのうち見事J1行きを手にしたのはたったの3つしかありません。
72分の3だよ??

その3つが’13徳島、’14松本、’17長崎です。




まだJ1に到達できていない地方クラブにとって、お手本になるのはこの難しいミッションをクリアした3つのクラブじゃないかなと思うんですよね。マネをすればいいというわけでもないと思いますが、結局何が成功の要因だったのか参考にすべき点は多いと思います。


ところで・・・・・・・この3クラブにはある共通点があります。
そこからはいかにもJ2らしい特徴が垣間見れるのですが、それはつづきでお話しするとしましょう。
次回もお楽しみに。



つづく




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