わたしの『殿堂』に入ってください。

最終節GATE10にて、勝利の余韻をサポも選手もスタッフも、みんながみんな楽しんでいた。
最後の試合を強敵相手からもぎ取った喜びや、シーズンを戦い抜いた達成感のようなものも確かにあっただろう、
こちらへ挨拶に来た選手にむかってサポからあたたかい掛け声が飛び交う祝祭空間。
その真っ只中で、私はある選手のことをずーっと見ていた。


その選手とは李彰剛。今年このチームを去るGKだ。


最終節を迎えた時点で、退団が決定していた選手のうち岸田裕樹・小林優希については実際にプレーを見ていたし声援を送った選手たちだ。
古株のファジサポさんとは比べものにならないとはいえ、1年生サポとて1年生なりの思いはあるもので、
「彼らがこのチームを去る」
その事実を「プロがプロの判断で下した決定なんだから」と受け止めてはみたものの、彼らに対する思いを正直自分の中でどうしたらよいかもてあましていた。うん、ぶっちゃけるとさみしかったんだと思う。


しかし、私は李彰剛を知らない。
今季唯一の出場となった開幕戦の湘南戦はスカパーに加入していなかったので試合はまるで見れなかった。
そして、その後は真子が正GKに収まり、そのままゴールマウスを守り続けた。
そして、彼は今年でこのチームから去る。
私の中で李彰剛という選手への思いを深める時間というものは皆無だったといってよいだろう。


最終戦を見守った後、私はまず安堵した。
このような喜び、それをもたらしてくれるクラブ。チーム。J2という舞台。
地元のクラブを応援すること。
その楽しさがかくも想像を超えるものであったなんて・・・

このクラブが岡山にあってよかった。
プロのクラブが岡山にあってよかった。

なければこのように楽しむことはできないのだから。
サッカーはガキんちょのころから見てきた、しかしそれは常にブラウン管の向こう側の世界の出来事。
どんなにすばらしい海外のクラブに熱を上げたところで、それは私のクラブとは言えない。いや、思えなかった。
しかし、今季の私の有様はどうだ?
ファジアーノ岡山というクラブを応援することで、私は初めて『サッカーそのもの』に触れることが出来たと思う。
今の私ならば、どこの海外サッカーの地元の熱狂的なサポにも肩を並べられることだろう。
あんたのクラブもなかなかだが、おれのクラブも負けちゃいないぞ、というように。


そうして安堵した後すぐさま感謝した。
私はこのクラブがここまでくるその道程において、一銭のお金も落としていなければ一度たりともスタジアムに足を運んだこともない。わずかに練習場の署名活動に参加したことを除けば、このクラブとの接点は0に近かった。

私が今季与えてもらったことは、
誰かが道を作り、誰かが盛り上げ、誰かが戦い、ようやく生み出してくれた産物だ。
私の喜びの影で生活を削りながら戦ってきてくれた数多くの人間がいる。
彼らの苦闘の末に、私のファジアーノ岡山は立っているのだな。


誰かが、泣きながら「チャンガン!ありがとうな!」と叫ぶ。


そうだ、そうだよな。
一度もプレーを見たことがなく、一度も声援を送ったことがない選手。
あの日の私にとっての李彰剛は、あたかも私の喜びを形作ってくれた数多の選手たちの象徴のようではないか。
誰かが教えてくれた。
「チャンガンはガソスタでバイトしながらチームに参加していたんだよ」と。


私も叫んだ。
「ありがとなー!チャンガン!ありがとー!」
私が出会わなかったすべての選手へのありがとうをチャンガンに代表として受け取ってもらいたい。
ここまでクラブを連れてきてくれてありがとう、自分の手が届くとこまでファジを押し上げてくれてありがとう。



ファジを去る選手、あるいはすでに去った選手。
少なくとも現役生活に対する評価について殿堂入りクラスの選手はいなかったことだろう。
ならば、せめて「わたしの殿堂」に入っていてください。
私は私なりに、あなたがたの事を記憶にとどめておくつもりですから。




今季でクラブを離れるすべての人、これまで関わったすべての人へ


ありがとう。感謝しています。


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COMMENT 2

tko  2011, 12. 27 [Tue] 00:36

No title

こんばんわ。

選手がチームを去る。プロスポーツの世界では当たり前のことで、どの種目でも毎年必ず起きていることです。
だから「この世界では当然のこと」と理解はしています。
でもやっぱり寂しいですよね。
ブラウン管の向こうで見てたレベルのチームであれば、移籍先のチームをまたテレビで見れば済む話のように思います。
でも、自分が性根を入れて肩入れするチームができてしまうと、そこから去っていく選手に対する寂しさはハンパないですよね。

私はJ2昇格元年からのサポですが、その時のGKは常にチャンガンでした。その素早い反応で、幾度もゴールを守ってくれました。
ここ2年ほとんど試合出場もないまま去っていくチャンガン。「この世界では…」と頭では理解していても、残念で仕方ありません。
GKって1人しかいないし、その時の調子でコロコロ変えてはいけないポジションだと思っているので、一度レギュラーから外れてしまうと復帰が難しいんでしょうね。

今後もどこかのチームでプレーしていただけることを願っています。
敵になってはしまいますが、元気なプレーを見たいところです。

チャンガンだけじゃなく、退団するすべての選手にありがとう。

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あるびの  2011, 12. 30 [Fri] 21:31

No title

>tkoさん

返信遅くなりました、すみません。
そうですよね、自分のような1年生でもそうなのだからもっと前から応援してこられた方々ならなおさらなんだろうなぁと思っていました。
縁あって、自分のチームへ来てくれた選手ですから去ったらもうしらね、とは思えない。
一人のフットボーラーとして今後どうなるのかわかりませんが、
ちょくちょく動向をチェックしてみようと思ってます。

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