図解で見る! 2012ver ファジのディフェンス

さて、11試合を消化しわれらが雉軍はここまでわずか8失点。
監督が指摘していたようにセットプレイからの失点がここまで0ということが相当でかいとは思います。
ですが、元々ファジは流れからの失点をほとんどしないチームでしたよね。
いまではカウンターかミス以外では失点する気配がなく、ファジ=堅守というイメージも多少は浸透してきつつあるのかな?と思っております。
いやーー「堅守」・・・・なんと気持ちよい言葉でしょう!!

ということで、ザックリと今年のファジの守備はどうなっておるのか?ということを今回は取り上げてみるてすと。
鳥取戦、草津戦と先制して守りきるスタイルを獲得したファジの流れの中での守備を見ていきましょう。


◎ファジのスタンダードな守備=5-2-3

5-2-3.jpg

それではまず、基本的な陣形・構え方を見ていきましょうか。
バックは両WBをDFラインに取り込んだ5バック。
ダブルボランチがバイタルエリアで構え、その前に2シャドー・1トップで、
5-2-3の形をとります。これがファジの守備の基本姿勢です。

ちょうど横線一本の上にポンと5角形が浮き出たような形になっていて、上から見ると面白いです(笑)


◎5-2-3で生まれるスペース


5-2-3スペース

さてお次はこのフォメで空いてくるスペースを図にしてみました。
ざーっと言うと、

1.5バック-GK間のいわゆる「裏のスペース」・・・水色のまるのところ。
2.左右のシャドーのヨコ・WBの前のスペース・・・黄色のまるのところ。
3.5角形の中のスペース・・・赤色のまるのところ。

この3箇所が5-2-3でどうしても空いてくる部分で、これを解消することは出来ません。
サッカーはどんなフォーメーションであっても必ず手の届かないスペースが生じますが、こうしてみるとファジの5-2-3はバイタルエリア、左右のサイドの急所(図ではWBの裏のあたり)という2大重要ポイントへ人を予め配置しじっくりガード。その分サイドの広いエリアをある程度捨てて、中央を固める。そんな印象を受けます。
さてそれでは実際に敵を配置してみて、各人のマークを確認するとしましょう。
相手のフォメは4-4-2でやってます。


◎5-2-3時の各人のマーク


5-2-3各人のチェック

黄色線=警戒する相手への目線 赤色線=特に注意する警戒目線
黒丸=ボール 薄い黒丸=マークする相手

それではまずDFラインから見ていきましょう。こちらは5バックで、

両WBは相手の高い位置を取るサイドアタッカーこの場合SHをマーク
3CBは2枚がツートップをそれぞれマーク      
してますね。これが基本的なマークです。
このマークについているCBはFWにマンマーク気味についていて、FWが降りてボールを受けると付いていって簡単にボールを受けさせないように邪魔しに出て行きます。
たまーに、CBが妙に突出するシーンをよく見かけますよね?
たとえば植田がポーンと相手の頭越しにロングボールを跳ね返しに出たりする。
あれは、マークを持ったCBの基本的なタスクでFWを潰して起点を作らせないためです。

そんで、ここで注目なのはケータ。
FW2枚にCB2枚つくので一人余っていますね!
この点は後々触れますが、このように相手が2トップでも1枚CBが余るのが3バックの余裕あるいは旨みを生むことになります。


言い忘れましたが、両シャドーはそれぞれのサイドのSBをチェックするという約束事になってます。
これは基本的に去年と変わりませんね。


◎五角形(+1)は何を狙っているのか?


再び同じ図です。
5バックのマークの付き方は上記のとおり。ではその前の5角形は何を狙っているのか?

5-2-3各人のチェック

この図の場合、5角形の中にいるのはボランチですが、そこへ仙石-千明のダブルボランチから赤線を引っ張ってるのがお分かりだと思います。とくに重要だから赤にしたんですが、

ダブルボランチは5角形の内側に入るタテパスを徹底的に狙うのが仕事です。

この理由は明白でして、インサイドで起点を作らせないようにして相手の攻撃のスイッチをオンにさせないために、ボランチはどっちか一枚がかならずここへ入ってくる選手を潰しに出ます。
この動きが仙石-千明だとかなりスムーズに出来るので千明がいると守備が安定するんですよね。
千明の不在は以前記事にしましたが、実際に戻ってみると彼の守備センスの高さは図抜けていることがよーーーく分かりました。なんちゅーか、危険なところが察知できる能力が実に高い。でボールの奪取もけっこう上手い。千明がいるといないでは守備においてかなり差が出てしまうことは否めない。つくづくウチのキモといえる選手ですね、彼は。

では、ダブルボランチの前にいる1トップ・2シャドーにはどんなタスクが与えられているか?
それは、極力5角形内にタテパスを通させないように遮断することです。

つまり、この5角形は、
インサイドで起点を作らせないようにするための守備をすることが仕事というわけですね。
・・・・ところが、
ここで浮いていたケータが生きてくる!
ケータから相手ボランチへ黄色線を引いていますが、
余っているケータは持ち場を放棄して積極的に5角形内部のタテパスにチャレンジしに行きます。だって余ってるからね。前に飛び出したってなんら問題ないんだから出て行っても全然おkというわけ。

ちゅーことで、5角形+ケータ。実質6名でこのエリアを狙っておるわけですよ。
やけに高いとこでケータがインターセプトして、そのまま攻め上がるというシーン今季かなり増えてますよね?
それは、このチームが3バックの利点を生かせるようになったこと。まさにその証拠といってよいでしょう。


ここでちょいと視点を変えて、攻める相手の立場になって考えてみて見ましょうか。
ボールはDFラインまでもらいに下がったボランチが保持してますよね。で、ファジは5角形の中を締めていてなおかつタテパスを狙っている。
ファジのDF陣はハイボールにはかなり強いですから、ロングボールをFWへ放り込んで起点をという手はどうでしょう?

・・・・厳しいでしょうね。植田のドラゴンヘッドで遠く跳ね返されるの図が浮かびます・・・。
では、起点となる中央へタテパスはどうか?

・・・・これは5角形+1が狙ってます。そもそもタテパス自体が通しにくいですし、上手くいくとはなかなか考えにくいところ。とすれば・・・・残るのはサイドしかない。


◎5角形を迂回する敵、"もたせる"守備


5-2-3パスコース×サイドチェンジ×

まあ実際は相手もポジションを動かしたりしてズレを生みだしてとやってくるんですが、いまのところこちらの守備の人数の多さでカバーできている印象なので大きな破綻なく守れてますね。

上もタテも難しいとなれば、相手としてはサイドに散らして展開するのが自然多くなります。
図ではこちらの左サイドへ展開された形にしてみました。
敵ボランチ→敵のSBとボールが渡ったので、
5角形が左にスライドしてタッチラインのほうへ押し出すような格好になってますね
ボールがSBに出たのでマークしていたシャドー(関戸)がここでプレスをかけていきます。
相手がドリブルで前進すえばそのまま付いていきますが、パスを選択する場合他の守備者がパスの収めどころを狙う。サイドに出た場合はだいたいこんな感じで対応してますね。
最近このように引いて守ると、相手がバックラインで延々とまわして出しどころを探るシーンって増えてきていると思いませんでしょうか?なんちゅーか、この五角形の回りを周るように迂回するようなパス回し。


あれはウチの守備が成功している一つの証拠と言っても良いと思います。
ボールをもたれてるんじゃなくて、"もたせている”ということ。



こうして攻めの糸口をつかめない相手は体力と時間とリズムを失い。
それに対しファジは体力を温存し、時間を使い、守備のリズムを獲得していくわけですね。
だいたいこれがいまファジが展開している守備のコンセプトなのかなーと思います。
自分もこんな持たせていいのか・・・?と多少不安に思う部分もあるっちゃあるんですが、


守れてますからねいまのところ(笑)


この守備だとパスパスで来る相手は問題なさそうで、逆にドリブルをふんだんに入れられると嫌かなぁと。
あと、前線の3枚が一番守備での体力的な負担が多いですから、後半そこが交代でチェンジしていくのも納得。
シャドーが走れなくなって相手のSBを捕まえられないとサイドで数的不利になりますし、カウンターで出て行くことも考えるとこの3枚の体力面は十分に注意が必要なんだな、と。

今後これを基盤にまた発展していくかもしれませんし、また注意深く観察していきたいなぁと思いますよ。
それにしても、守備の話は楽しいな♪なんでだろう(笑)
本当は何故カウンターが打てるようになってきてるか?とかもここの最後にくっつけようかと思ったのですが、もうちょい様子を見てから別の記事にてやってみようと思います。
またなごーなってしもーた・・・長々とお付き合いくださりありがとうございました。




おまけ ◎フロートなポジションを取るFWの難しさ

ちょいとおまけ。
いいタイミングなのでタダシのコメントを引用して、
"浮く"ポジショニングを見せる敵FWの処理の難しさに触れてみますね。これまでもけっこうやってくる相手はいたんですが、取り上げるタイミングがなくってね。ここにくっつけときます。


草津戦、タダシのコメントこんなやつでした、

●竹田忠嗣選手(岡山):
「(リンコン選手への対応について)前半半ばくらいまで、リンコンが降りた時、ボランチが受けるか最終ラインで受けるか、ギャップで受けられリズム作られて、2、3回シュートにもいかれてたんですが、縦に強く行くというのをハーフタイムで確認して、後ろは集中して修正出来たんです。」


ではもう一度さっき図を例にこのコメントの意味を読み解いていきます。
5-2-3パスコース×サイドチェンジ×

FWが前に横並びな場合は何も問題なくって、タダシがしっかりリンコンをケアできるわけなんですが、
このリンコンが曲者で、タダシから離れてボランチとCBの間(図ちょっとミスってますね、リンコンもうちょいタダシ寄りらへん)にポジショニングを取る。
いわゆるタテ関係の2トップというやつで、トップ下っぽい位置取りになります。こいつぁ厄介です。

リンコンがCBに張り付かないで降りていくので、
タダシの言うようにボランチが見るべきなのか?CBが見るべきなのか?
まずこのことを整理する必要が生まれますよね。このままではあやふやな感じですし。
またリンコンがパスコースに顔を出すことで、
5角形がその内部をケアしていてもどうにも物理的に認識できないパスコースができちゃうんですね。
ちゅうのは、ボランチも1トップ2シャドーも当然前を向いてCBなりSBなりボールホルダーとマークを見てますから、自分の背中から新たなパスコースが出来ることは想定してないわけですからね。当たり前っちゃ当たり前ですが。
なので、ここへタテパスを通されチャンスを作られたので、リンコンについては後ろのCBがタテに強く当たるように修正したというのがタダシのコメントの真意かなーと思いました。以上余談でした。

↓よければポチっとおねがいします
にほんブログ村 サッカーブログ ファジアーノ岡山へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

COMMENT 2

みかんこ  2012, 05. 03 [Thu] 01:40

No title

カンスタ観戦で注目してるのは、今のところは保たれてる、DFラインの高さをどれだけ維持できるか・・裏とられてもウッズがカバーしてくれるんで恐れずにある程度、高さを維持してほしいです。そうしたら攻撃にも転じやすいんで。
あと、岡山も守備が調子いいんでサンフレチェと比べて守り方がどのように違うかも見てて楽しいです(笑)


Edit | Reply | 

ZeroFagi  2012, 05. 05 [Sat] 00:24

No title

>みかんこさん

おお、そこ省略したんですよ。
コメのおかげで補完できて助かりました、ありがとうございます(笑)
ウッズのおかげでCB陣はだいぶ助かってると思いますね。
自分も広島との違いを楽しんでます(笑)

Edit | Reply |