図解で見る! 何故ファジのサイドアタックは停滞しているのか?

いやーー久々に図解ができるよーーー!


一ヶ月ぶりくらいでしょうかね、やりたいなやりたいなと思っていながら伸び伸びになってましたがようやく時間が取れたので、今回は多くのファジサポが首をかしげるファジの攻撃についてのお話。
特に、サイドアタックをメインに取り上げて、
何故ファジのサイドアタックは停滞しているのか?考えてみるてすと。
昨年との違いを比較しながら、今年のチームの現状というのがどうなっておるのか、ちょっと腰をすえてお話ししてみたいと思います。

話を進める前にまず、今回の話のメインとなるエリアを図で見てみましょう。


◎キーとなる四隅のスペース

何故攻撃ショボン(1)

赤い枠の部分がファジが攻略すべきスペースで、黄色の部分がファジの泣き所・弱点の部分です。
一応いつもの4-4-2で表現してありますが、こないだの湘南のように3-4-2-1であっても、3-5-2であっても基本的にこの四隅のスペースの重要性というのはまったく変わりません。今回はこのエリアのお話、まずはこの赤のほう、攻撃のお話から。


◎前に進めぬ両WB 2012ファジの現状

それでは本題に入りましょう。
いつだったか「サイドの選手の攻撃が成功したといえるかどうかは、クロスが上がるかどうかだ。」
と述べたことがあるんですが、今年についてはほとんどこれが出来てないんですよね。
データがないのでなんともいえませんが、この黄色枠のところへ侵入できた回数自体も相当に少なく。
サイドチェンジによるものを除くと、ほとんどここへ侵入できてないではないか?とすら思えてしまう。
(去年の秋冬のファジと比して)

              何故ショボ(2)今年の傾向

右サイド、サワがライン際でボールを保持し相手のSBが警戒して寄せてきていますよね。
このときサワから想定できるパスコースを黒の実線で示してますが、
ミンキュン(シャドー)・レン(ボランチ)・右CB(ケータ)、この3つの路線がありますよね。
サワにはスピードやドリブルはないので、独力で黄色のゾーンへというのはほとんどありません。
それゆえに、今年の傾向としては、
中に折り返す(ミンキュンルート)
後ろに戻す(レン・ケータルート)
この2つのルートへのパスが頻出していて、ほとんどタテに進出することは出来ていません。そして、いい形でクロスが上がるということがほんと少ない。
こういうシーンがどーも多いですよね・・・・今年は特に。
んじゃあ去年はどうじゃったん?となりますわな。


◎2011シーズンのサイドアタック

ちゅうことで、昨季のファジのサイドアタックの典型的なパターンを見てみましょう。

              何故ショボ(3)昨年

シーンはシャドーがボールを収めてという場面にしてみましたが、
注目なのはケータのとこです!そうCBのオーバーラップが実に利いていましたよね。
ミンキュン→サワとわたる間に、昨年でいえば一柳が後藤のポジションにいて、サワ+一柳の2枚でもって局地的な数的有利を生み出し、サイドのかなり深い位置を蹂躙する。
そういったシーンがシーズン終盤は頻出していました。
一柳という追加戦力をオトリに使うことで、ドリブルがないはずのサワもクロスフェイントを駆使しながらタテに突破するシーンもまた見られたりと、右サイドの攻撃の迫力というのは素晴らしいものがありましたよね。

そう!ファジといえば右サイドアタック、それがダメでもサイドチェンジの田所!ってのが、大きな大きなファジの強みでもあったはずです。

今年も一時までこういう形が見られたものでしたが、いつしかぱったりこういうチャレンジがなくなってしまい今に至ります。CBのオーバーラップといえばファジの新たなお家芸にすらなりかけていたのに何故にこうも減少してしまったのか?
おそらく、カウンターを警戒してって部分になってくると思うんですが、スタメンでWBに起用されるサワ・田所というメンツを考えてみると、CBの追加戦力なしに突破は現状難しいといわざるを得ない。
選手の特徴を考えると、ある程度リスクを負わねば(CBを上げちゃうというリスク)突破はキツい。
これはもう明らかだと思います。ところが・・・
たった一人だけこの問題を解決してしまう選手がファジにはいます。


◎たかよし劇場の開幕


               たかよし劇場開幕(4)


なんだろうなこの図の手抜き感(笑)
サワや田所であればマーカーと1on1になったらパスしか選択肢がない。
ところがこのスピードスターの登竜門を絶賛ノック中の若者であれば、
1on1は大好物に化けてしまうのですよ。
よっしゃ!1vs1じゃああーーーブチ抜けえええーーー石原ぁああ!というシーンですよね。



そうです、追加戦力が必要だとかそういう話はこの13番石原崇兆にはまったく関係のない話です。
むしろ石原のそばに下手に選手が寄ってくるとむやみにマーカーを引っ張っちゃう可能性も出てきて、かえって石原の突破の邪魔をしてしまう可能性も出てきます。
こういう役割をこれまで彼はあまり経験してなかったようで、今年はまさにサイドをブチ抜くスピードスターの入門者としてチャレンジを続けている石原崇兆ですが、徐々に突破できるシーンも増やしてきていて、こないだの町田との試合なんかでは再三右サイドを突破するシーンも見られ、あれで切欠を掴んでくれたらなぁと思います。
あそこで、味方の手助けなしにタテに抜けられる石原のスピードってやつはもう軽視できないレベルだと断言できます。石原いて、タテにスペースあれば別にリスク犯してCB上げるリスクいらんもんね。
石原がボールを持って仕掛けるとカンスタのヴォルテージが尋常じゃなく盛り上がりますが、そのアガる感は実に正しいのですよ。


◎WBに入る選手の特性依存なサイドアタック


このように、WBの特性によって攻撃で計算できる部分、フォローの必要性というのはとても左右されちゃうのが現状なんです。ちょいとまとめると、

タテに突破し深いエリアへ侵入するのに、
田所・サワにはフォローが必須。石原には不要。


ザックリ言えばこういうことです。
しかしながら、影山監督のWBのチョイスを見ていると、攻守のバランスをかなり重視したメンバー選考になっているように思います。石原がスタメン起用でなく、途中からの投入が多いのは彼の突破力と"WBとしての守備力"を天秤にかけた上で田所やサワの方がより高いバランスを保てると踏んでいるからで。
逆に言えば、もし石原にWBとしての守備力で計算できるだけのモノがあれば、監督から絶大な信頼を置かれているサワを差し置いて石原がファーストチョイスとなる可能性はデカい。
それくらい石原のスピードというのは抜けています。

しかしながら、現状においては田所・サワというのはベストと考えます。
なぜならば、後述しますがWBの守備というのは実に繊細で難しく、またそこをやられてしまうと計算が立たないほどにクリティカルなものだからです。
となれば、やはり、石原以外サワ・田所・服部といったメンツでスタメンを考えていかなければならない。
んじゃ、突破力のない彼らをどうやって生かし、最初の図の赤エリアに送るのか?
そういった工夫が必要になってきます。
今度は左サイドで今季頻出しているシーンをピックアップしてみました。

              頼むぜ・・左(5)

シーンは植田から田所へ繋いでというところですね。
ここで田所のパスコースを考えてみると、中へ折り返して千明というのが一つ。そしてもう一つは植田に戻してしまうバックパス、9割がたこういう展開を迎えてしまいます。
つまり、前にまったく行けんのんですよ・・・・何故かと言うと、


シャドーが田所からボールを引き出してやらないからです!


サイドで攻撃が停滞する理由の大部分は、このシャドーの気遣いのなさが原因だと言って良いと思います。
この図では関戸ですが、例えば赤丸のエリアまでシャドーが寄せて行った場合を見ていきましょう。

               左三角形(6)

関戸がボールサイドに寄せたことで、田所についたSBに対して局地的に2vs1の数的有利。
田所としては、植田・千明のルートのほかに関戸というパスコースが出来た格好になります。
また関戸にはたいておいて中に注目させつつ黄色のエリアへ猛進すれば、関戸からのリターンをもらってクロスという絵まで描ける可能性が出てくる。

このほかこんな展開もありえるでしょう。
               左サイドへシャドーは出ろ(6)

田所が収めたところで、シャドーがダイアゴナルに走ってSBの裏へ。
そこへ田所からスルーパスが出ればシャドーが深いとこへ侵入可能、一丁あがりってなもんです。
残念ながら、町田戦において再三このような展開が可能であったにもかかわらず、ことごとくチャンスをフイにしてしまった田所には心底がっかりでした。これが服部先生だったら絶対に見逃してないからねえ。
すべてタテのスルーパスでシャドーだったユータの裏抜けを演出してるはず。
一体服部公太から何を学んでるんだ?と疑問でしたよまったく・・・成長を期待します。

とまあこのように、
石原のように独力での突破が望めないサワ・田所を深いところへ送るには、前述のCBのオーバラップやこうしたシャドーのフォローなくしてあり得ないんですよ。マーカーがついてしまうと、彼らにはどうしようもないのだから。周囲がそういった彼らの特徴を理解してフォローしてやる必要があるのに、それがほとんど為されていない。
それこそがあの退屈なサイドのパス交換の主因だと思います。


これまで何人もシャドーで試されて来たものの、いまだしっくりくる選手というのは見つかっておらず。
現状では、テクニック・特性的な面を考慮すれば関戸健二がベストという感じですが、ハッキリ言ってしまうと、
昨季ミンキュンの相棒を務めた妹尾隆佑のレベルにはまだまだという印象です。
昨季終盤の妹尾のシャドーとしてのハマりっぷりというのは、今から振り返れば相当なものだったなぁと思うんですよ。ドリブラーで自分で持って時間を作ることが出来、なおかつサイドにボールが出たら必ず外へ出て行ってタテへの展開を助ける。またチアゴのプレーを実に良くつかんでいて、チアゴがらみのセカンドボールの反応も抜群。彼が今季健在であればさらに勝点6くらいは見込めたんじゃないか?そんくらいハマってたんだよなぁ妹尾は。
しかし、引退した人を恋しがるとはなんとも情けない話ではないですか。
一刻も早くシャドー⇔WBの関係性の改善を願いたいところです。
さて、次は守備の話をしておきましょう。

◎WBの守備の難しさ

                WBの難しい守備(7)

WBの守備といえば、昨年小林ユースケが相当に苦戦したところでもあります。
本来高い攻撃的なポジションの選手であり、クロッサーでもあったユースケはSB的なアラートの部分が求められるWBの守備を消化できず、突破されてはイリアンに怒鳴られるというシーンもたくさん見られたのが昨季でしたよね。まぁ・・・いまから考えても、石原でも使うのに躊躇するくらいなのによくもユースケを使ったなぁという感じがするんですが、そんくらいユースケのクロスが絶品であったのもまた事実。


ところで、相手から見るとこのWBの裏というのはまずどのチームも狙ってくるほどの弱点なんですよ。
というのは、ピッチの横幅68mを効率よく守備するのに最低限必要と考えられているDFの枚数って4枚なんです。
つまり4バックですね。
3バックだと横幅をカバーするのに不十分なんですよ。
なので、相手としたら図のようにWBを最終ラインから引き出して浮かせ、その裏を突くってのが常套手段になってきます。
そうしたときに、ボールウォッチャーにならずしっかりこの3CBのヨコを埋められる守備感覚ってのは必須です。
それがなければ、相手に裏を取られ同サイドのCB(図ではケータ)が釣りだされます。
そこで抜かれてしまったらかなりヤバい。ファジは流れからあまり失点しませんが、失点するときの大半はこのエリアを攻略されてのものです。
逆に相手からしたら、最初っから引かれて5バックにされると手が詰まっちゃう。横幅を5枚で埋められたら進出するべきスペースはまったく消えてしまいますし、仮に一人抜いてもまた一人来るという5バックのチャレンジ&カバーのしやすさ、選手間の距離の狭さが猛威を振るい崩せません。
なので、ファジが5バックになってしまう前こそが相手のねらい目になってくる。
ボールを奪ったらすばやくWBの裏へってやってくる理由はここにあるんです。
そんくらい5バックというのは強力だということです。

こうした守備の繊細さ、難しさを確実にこなせる素養がないとWBは安心して任せられない。
そういうわけで、田所・サワが先発し石原がジョーカーにとどまっていると、そういうわけなんじゃないかなぁと思います。どっちかというと、手堅い選手起用だと思いますがそれは失点の少なさに直結していますしそれはそれでアリだと思います。


◎石原崇兆の安住の地


こうしたことを踏まえて石原という選手をドコで起用するか?と考えると、
現状ではWBかシャドーの2択であって、彼の特徴を考慮すれば攻撃においてはWBがベストでしょう。独力での突破が見込めるスピードはスペシャルなものですし、是非ともチームに落とし込みたい飛び道具です。シャドーでは相手の間で受けるセンスが重要になってきますからあまり向かないだろうと。狭いスペースで仕事させるよりかは広いスペースを与え走らせるに尽きる。
しかしながら、守備は穴になりがちだというリスクと隣り合わせです。

では守備で石原が最大限生きるのはどこか?と考えれば、
これは間違いなくシャドーです。
あの一発で交わされてもプレスバックしてついていって、抜いた相手に追いついてしまうシーンは唖然ですよ・・・なんちゅう速さじゃ・・・。パスコースを切る事とか、プレスに行くにしても約束事はありますが、それにしたってWBの守備のややこしさに比べたら微々たるもの。
遠慮せず追っかけまわしていける分シャドーで守らせたほうが彼のよさは生きるでしょう。
あの走力から来る守備範囲の広さはどう見てもチーム一ですし、プレス役としては申し分ないですね。

と・・・(笑)
よくもわるくもチグハグなわけですよ。
そうした不整合をどのようにオチをつけて選手として完成してくるか?これは彼を見る上で非常に楽しみなトコだなぁと思っています。ちょっと余談ですが石原についてはこんな印象です。


◎まとめ


長々とやってきましたが、まとめです!
・WBにサワ・田所を起用するのであれば、彼らがもうちょいタテに行くためにもっとシャドー・CBのフォローが必要
・石原のWB起用はハイリスク・ハイリターンの博打ゲーム


長いことしゃべってきたのにまとめるとたった2行なのかよ・・・(笑)
ファジにとってサイドというの生命線です。
それを生かすも殺すも中央のボランチ・シャドーの四枚次第のところもあります。
いまだにベストメンバーと思えるメンツがそろってこないことに若干の焦りは感じますが、一刻も早くサイドでの躍動感を取り戻し、少なくとも昨季の水準までサイドアタックが回復してくることを願ってやみません。
影山監督の手腕に期待ですね。そこを取り戻してくるようになると後半戦にもかなり期待できると見ています。


今回も長々とお付き合いくださり、ありがとうございます。
またよければ、コメにて感想を聞かせていただけたら幸いです。


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COMMENT 5

-  2012, 06. 19 [Tue] 08:58

No title

なるほど・・最近サイドにボールが回ってもなかなかチャンスに結びつかないのがわりました。
DFラインがべたびきにならないでうまく保ててるときはCBの攻撃も望めるんですが・・

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りりお  2012, 06. 19 [Tue] 14:35

納得 今期のゴール

おじゃまします
湘南戦の解説より先にこっちにコメします
今期なんとなぁく感じていたことがスッキリしたような気がするので

今期のゴールって豪快でカッコいいのが多いと思うんですよ
ケンゴのダイビングヘッド ミンキュンのスーパーミドル 関戸、石原のミドル 田所のヘッド
去年までのようなゴール前のゴチャゴチャからドサクサ紛れに押し込むなんてのがない
でもこれって裏を返せば上手くビルドアップしてゴール前までボールを運べてないってことなのかなと…
唯一、松本戦の ミンキュンキラーパス→公太先生折り返し→ケンゴがズドン これが相手サイドを見事に崩したゴールだったかと思います(横浜戦のケンゴのヘッドや愛媛戦の同点弾もサイドからですが、カウンターからなので)
中央からといえば山形戦のレンの2点目や京都戦の田所のワンツーでしょうか
いずれにしてもファジのお家芸はまだうまくフィニッシュまで行けてない
それにはこの解説にあるようなワケがあったのですね
なんだかスッキリしました
ケンゴやミンキュンの鮮やかなゴールに喜びながら、どーも物足りない危うい空気を感じていたんですよね

とすると福岡戦でクワシンが見せたあのアシストってとても大きな意味があったのかな
このお家芸がしっかりしてくると更なる好成績が期待できるということでしょうか

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-  2012, 06. 22 [Fri] 21:05

No title

>08:58の方

サイドはやっぱキモだとおもうんですよね、ファジの場合。
とくに4バックとやるときにはウチの幅のある攻撃が生かせないと厳しい。
CBの攻撃参加はいつか戻ってくると見てますが、それがいつになるか・・・

Edit | Reply | 

-  2012, 06. 22 [Fri] 21:08

No title

>りりおさん

おっしゃるとおりで、豪快なゴールが目立ちますよね今季は。
ちょっとボールが持てるチームになってきた分、繋ぎの意識が強すぎていろんなところで大胆さみたいなものが影を潜めちゃってるような印象も受けますね。
前目の選手で昨季から継続して出てるのって、ミンキュンしかいないんですよね実際。
そう考えると、やはり攻撃には時間がかかるのもある程度はやむなし、かなぁと。
しかし、そろそろ数字出さないとです。

Edit | Reply | 

ZeroFagi  2012, 06. 28 [Thu] 14:59

Re: No title

> >りりおさん
>
> おっしゃるとおりで、豪快なゴールが目立ちますよね今季は。
> ちょっとボールが持てるチームになってきた分、繋ぎの意識が強すぎていろんなところで大胆さみたいなものが影を潜めちゃってるような印象も受けますね。
> 前目の選手で昨季から継続して出てるのって、ミンキュンしかいないんですよね実際。
> そう考えると、やはり攻撃には時間がかかるのもある程度はやむなし、かなぁと。
> しかし、そろそろ数字出さないとです。

Edit | Reply |