雉軍覚醒の兆し J2 第21節 岡山 vs 甲府 前編

夏はファジの季節。


混戦模様を見せ始めているJ2の上位争い。
この夏をどう過ごすか?それによって後半の趨勢も定まってきそうな気配がしています。
堅守を武器にここまで記録的な活躍を見せてきたファジアーノ。
それに対してなかなか追いついてこない攻撃力。そのアンバランス差が順位を押上げられない大きな要因となっています。本格的に夏に入るまでになんとしても手ごたえをつかんで、夏の強さに拍車をかけたい。
そして迎えた相手は昇格候補、ヴァンフォーレ甲府。強い相手だが・・・ここで切欠を掴みたいところでした。


<スタメン>

vs甲府(H)

<結果>

岡山 1-1 甲府


◎格の違ったはずの甲府、前プレと夏のファジについて


ちょいと今回はレビューに入る前に、やっておきたい話から。
この甲府という相手なんですけどね、此度の試合が初対戦というわけではなくて実はキャンプに一回トレーニング・マッチで対戦をしてるんですよね。ファジラボのおかげでその辺の情報が手に入るので非常にありがたいんですが、このときは2月で甲府が前プレを仕掛けてきて、ファジはパスをつなぐこともままならなかったほどだったようです。影山監督はその時、「上には上がいることを体感できた」とコメントしていて、ケータは「ダントツでリーグを走るんじゃないか?」と思ったそうです。そんくらい強い相手だったと。

自分は敗れたみたいだ、と知った当時は「あーやっぱ降格組みはつえーんだなぁ」位にしか思っていなかったんですよ2月時点ではね。しかし後になって相手が前プレでコチラを封じてきたと知って、ある種得心が行った気がしたんですね。
というのも、ファジはキツイ前プレをかいくぐって攻めきる実力を未だ持っていないからなんです。これは前半戦で克服したとは言い切れない、ファジの一番の弱点といってよいでしょう。
現時点においてもクリアできていない課題を2月の段階でクリアできようはずもないではないかと。

甲府としてみれば、前プレで完勝したキャンプの再現を今節してしまえばいい。
未だファジは前プレをいなすほどに至っていないのだから、もっぺんやりゃあいいわけですよ。


・・・・ところが。
初夏に入り、ナイターとはいえ暑さによる体力の消耗は防ぎようがない時期になってきてます。
現に、ここ数試合を見ていても愛媛や福岡は明らかに後半落ちていたし、唯一湘南だけがウチと対等に、いや上回るほどに後半まで走ることが出来た。そんな状況なわけですよ。
ちょっと回りくどい言い方になりましたが、ようはファジを相手に前プレを敢行して押し通せるだけの持久力が果たしてあるのか?前プレで試合を決めきれない場合、後半の失速のリスクをどのように考えるか?
甲府としてはこのようなことが想定できたのではないか?と思うんです。

ついでなので個人的な予想ですが、
この夏、攻撃時においてファジはかなりボールを持つ時間が増えるのではないか?と思っています。
理由は上記のように、ファジに対し前プレで封殺してしまう手は90分という時間を考えれば、かなりな危険を伴うものだからです。前プレのように運動量・持久力を求められる守備方法を、持久力にかけてはどこよりも自信を持つウチ相手に仕掛けようものならそりゃ岡山劇場2012フラグでしょう?
普通にやってたって後半はウチが走り勝つのに、その度合いを強めかねないわけだからね。
こちらは前プレをロングボールで交わして三味線弾いてしまうこともできるわけで。
前プレが難しいとなれば、ファジにとって最大の難関は存在しない。
ゆえに夏はかなりファジがボールを握る。こんな感じでワクワクしておるのです!
となれば・・・ボールを保持した上での動かし方、そして崩し。このあたり向上させたいところでした。


◎前後半を通じて


4-4-2の布陣が予想された甲府でしたが、
この試合の前半では4-1-4-1の新布陣を実戦で試すという予想外の一手を打ってきましたね。
試合後の城福監督の言によれば、対岡山としての4-1-4-1ではなかったとのことですが、今後のリーグを戦っていく上でのオプションとするためというところでしょうかね。
甲府のダヴィをどうやって止めるのか?これはファジにとって守備において最も大きなテーマだったわけですが、相手が1トップにダヴィを据えてきたことでかえって3バックの利点を存分に発揮できる格好となり、主にダヴィ番として付いた竹田忠嗣の冷静なストップ・インターセプトが冴え渡る展開。
いや、すごかったねタダシ・・・・・
アンカーを含む5枚を流動的に動かし、5-4-1のブロックで守るファジの4のラインを惑わしていく甲府でしたが、結局詰めのところはダヴィに来るということで、かなりパスコースが読みやすかったですね。
前線からのプレスも最初だけで、その後はブロックを敷いての守備をとってきたこともあり、
前半中ごろから甲府の運動量が落ち気味になると、その仙石・千明のダブルボランチが比較的余裕を持ってボールを持てるようになってきました。そうすると・・・

32分千明→ケンゴのポスト→ミンキュン→田所クロス→サワ押し込むもサイドネット
38分千明→千明→サワ→ケンゴ→関戸クロス→ミンキュンダイレクトでシュートも僅かにバーの上

たてつづけに2度の決定機を演出も決められず・・・
しかしながら、この一連の攻撃はポストプレーを軸に小気味のよいワンタッチプレーの連続で作り上げたもので、

ちょうどクッキーを軸にすえてから出来始めた昨年のいいときのファジアーノの姿を彷彿とさせるものでした。これって、去年の京都戦のゴールと瓜二つだよね!

この日のファジは気合十分。
ホルダーがルックアップすると次々に選手がパスコースに顔出すべく走り出していて、めまぐるしく選手が行きかうとてもアグレッシブなサッカーが出来ていました。
とにかくより早い判断を!より早いプレーを!というアグレッシブな姿勢が録画で見ていても伝わるほどで、早いリズムのサッカーをやるんだ!という意識の変化を感じました。

後半甲府はトップを一枚増やして4-4-2の普段どうりの布陣に変更。
これにより強さ・巧さのダヴィ、高さの高崎と2つのターゲットが出来たことで勢いを取り戻します。
いつもやっている布陣である事と、明確な目標が出来たことでもろもろ整理され怖さの出てきた後半でした。
甲府がこちらの左サイドへダヴィを流れさせたりして起点をつくろうとすれば、影山監督がこれを受けるのではなく石原を左WBで投入し石原が左サイドを引っ張ることでけん制する積極策で応酬する。このあたりの采配の駆け引きは非常におもしろかったなぁ。
オープンな展開となり我慢比べの様相を呈してきていた試合は、78分CKをヘッドで合わされ今季初のセットプレイからの失点で動きます。これまで21試合、危ないシーンもありながらなんとか0で来ていたセットプレイ。
ここできたかぁ・・・

ミンキュンを下げクワシンを投入し、レンを下げユータを入れて関戸をボランチに。
左サイドの石原の突破・クロスを軸に波状攻撃を仕掛けると、87分。
石原→外を回った植田クロス→サワがヘッドで中に折り返し→ケンゴのヘッドで同点!!
その後追撃を試みるもゴールはならず。
前半戦の最終戦はドローで終幕。結局8位という素晴らしい順位で折り返し、夏をむかえることになりました。


◎覚醒の兆し


この日のファジ、カンスタで見られたファジサポさんは相当ファジの選手から気迫のようなものをお感じになったんではないか?というのがこの試合を見た印象でして。
特に前半、ボールホルダーがルックアップしてパスコースを探したとき、すでに2つ3つパスコースをつくらんと他の選手の動き出しが非常に活発だったんですよね。
湘南戦からの中間、監督が「湘南の堅い守備を経験したことでプレーや判断が早くなってきている」と言ってましたが、それをそのまま試合に出せていたんではないかなと。
選手がポジションに囚われず、積極的にボールを引き出そうと動き出すことで、リズミカルなパスワークがここへ来てようやく復調の兆しを見せ始めたのは大変大きな収穫でしょう。
そうして、選手がパスコースを作るべく動くので選手間の距離が非常に適度に保たれていて、シーズン序盤に出来ていたのにここ最近出来ていなかったワンタッチプレーでの繋ぎ、トライアングルを使った抜け出しが随所に出せたのは大きかった。
また湘南戦のように、サイドを攻略する際のフォローもまずまずで、ここへきてようやくいいときのファジアーノを取り戻すことが出来た試合だったのではないか?と思いました。
しかし、最後の決めきるところ、点を取りきる部分は残念でした。
ここを取れるかどうかで試合そのものを左右しかねないですから、もっとギラギラねらっておけよ!とハッパをかけあいところです。
とはいえ、ここへ来て昨季展開できていた中でポスト外へ展開し再び中へという攻めの形を取り戻してこれたあたりを見るに、ようやく攻撃面での成長が実ってきつつあるのかもしれないと思えた試合でしたね。


◎タダシ!タダシ!タダシ!


いやーーー完璧じゃないでしょうか?
数度、前後半に渡って突破は許したもの、ダヴィ番としてマークした竹田忠嗣の冷静な守備が冴えまくっていた甲府戦でしたよね~、もうおなかいっぱいだよタダシ。
前半は、相手がワントップとみるや3バックの「余る枚数」をしっかり考慮に入れて時にはダヴィの前へ出て奪う。
ダヴィが工夫をしてファーストタッチをずらしてほんのわずかなコースを作ろうとすれば、むやみに飛び込まずにしっかりボールを置くところまで見た上で対応する。
止め続けることでノりにノってくるタダシ。逆に慣れない役割にフラストレーションを募らせキレにキレはじめるダヴィ。どう考えてもJ2規格外のこの点取り屋を相手に回し、満点に近い仕事をした竹田忠嗣には心から拍手を送りたい。
いやーーもうね。
後半、ダヴィの右サイド独走を許してしまい、決死のカバーリングで事なきを得たシーンなんかほんとイリアン・ストヤノフなんじゃないか?と思ったほどでしたよ・・・・
ここのところ、ボールの持てるCBとしての存在感やフィード面でのチャレンジも見せてきているタダシですが、シーズンがすすめばすすむほど彼が出来ることの幅広さがチームを救ってくれるのではないか?と期待しておりますよ。


ということで、ちょっとうまくまとめきれませんでしたが、これで前半戦も終わり。
ミンキュンの言を借りれば「これからはすべての試合が決勝戦」という後半戦が始まります。
冒頭にも述べたとおり、夏はファジの季節であり「夏の勝者は岡山」としなくてはなりません。
ギリギリでなんとか昨季の水準まで攻撃面での向上も見られた甲府戦でしたし、勢いを持って夏に臨みたいところですね。この位置で夏を迎えるのはファジサポにとってもはじめてのことです。
なにはともあれ選手たちは戦いこの位置を勝ち取ってくれた。ならばサポとしても負けずに守り立ててトモニタタカっていくしかありませんよね!



さあ極上の夏を楽しみましょうや。


※毎年のことなんですが、6月半ばから8月の半ばくらいまで仕事が激務化しますので更新が遅れたりするかもしれません。試合のレビューだけは途切れずにやりたいなと思っておりますのでまたよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございますm(_ _)m


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COMMENT 2

りりお  2012, 06. 28 [Thu] 18:11

こんなもんか?甲府って

失礼ながら、そんなことを感じてしまいました 
ダヴィが孤立した挙げ句、タダシの執拗なマークを受けて上手く機能しない 
じゃあダヴィを起点にして誰かが連動するかというと、そうでもない
前半は絶体絶命のピンチなんて皆無だったから全く怖さを感じませんでしたねぇ 
あとで選手や監督のコメントをみて初めて、システム変更にアジャスト出来ていなかったって知りました
そういうことだったのネ(´ー`)
全く気付かなかった トホホ 
やっぱり強いんだ、甲府って

最近は試合の内容にかかわらず、カンスタの応援のボルテージがスゴい
甲府戦も「逆転までイケるんじゃネ?」そんな空気がありましたよね
それだけ期待を持てるチームになってきたということでしょうか

この夏はネクスからの昇格だけで、補強はしないという方針を打ち出しています 
台所事情で仕方ないんでしょう 
だとすれば現有戦力をレベルアップするしかないわけで… 
岡山劇場2012(笑)
これからが佳境ですな

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ZeroFagi  2012, 06. 30 [Sat] 22:29

No title

>りりおさん

現場で見ているとわかんないことありますよね(笑)
といっても、相手の情報まではくわしくわからない。わかったほうが楽しさは跳ね上がるのでそのへんがムズいですなぁ・・・

明日は京都、岡山劇場2012の開幕は西京極といきたいですね!

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