オズワルド・アルディレス J2 第32節 町田 vs 岡山

残り試合もあとわずか。
ホーム戦の数の少ないことや、この先強いところとの対戦も残しているということ。
順位的にも、J1へ向かう暴走列車の一番後ろの車両になんとかしがみついているような位置。
今節の相手は21位町田ゼルビア。
3連勝のあと足踏みを2度も続けてしまったファジアーノとしては、
是が非でも勝点3を取らねばならない試合でした。


<スタメン>

vs町田(A)


<結果>

町田 2-2 岡山

SH 8-8
CK 4-1
FK 27-16
GK 9-7

得点者 前19金民均 後10太田康介 後16勝又慶典 後41金民均


◎3バック下手な町田を苦しめるファジの守備


前回対戦のころは4バックで戦っていた町田はこのところ3-1-4-2での布陣を主に採用してます。
恐らくは守備の安定力というところを重視してこのようにシフトしてきたのでは?と思われますが、
物事には裏と表があるもので・・・・

現在の町田の3-1-4-2は攻撃面で重大な欠陥を抱えていてハッキリ言ってまるで機能していません。
当然そのことをスカウティングしていたファジは、相手の欠点を突くべくしっかりリトリートしてからの前プレをかけて行き、町田を苦しめます。
では、町田の欠陥とは何か?とそこをどうファジが狙ったのか?をみていきましょう。

町田ビルドアップ×

この試合、町田が終始ボールを持って試合を進めた格好になりましたが、前半から30分くらいまでの間、
町田はDFラインからボランチに当てて戻したり、サイドに当ててまた戻したりとなかなか前にボールを運べない状態がかなり長かった。つまりビルドアップが上手くないんですよね3-1-4-2の町田は。

というのも、3バックに展開力があまりない上に、図のようにサイドのWBまでウチとやったらマッチアップしますからフリーになれません。FWもスペースに飛び出してボールを呼び込む動きもなく、
結局3バックがボールを持ってもアンカー含めた中盤の3枚に預ける以外に出しどころがないんです。
町田の選手たちって順位にそぐわないくらい各選手が「ボールを交換する技術がしっかりした」選手がそろってます。なので、安全なところではくるくるボールは回るし、うちよりその辺りの技術は上なほどでした。
けれどもボールは回れど前に進めずっていう機能不全に陥ってました。

ということでファジは闇雲に追いかけていくのではなく、相手の3バックが持っているときは構えて待ち、バックパスなどスイッチが入ったらば一気呵成にプレスをかけて、DFラインに脅威を与える守備を展開しました。
そうした要素が奏功したのがミンキュンの先制点。

               1点目

町田のGK修行へのバックパスをスイッチにして、まず石原→修行へプレス。
修行は2番津田へフィード。その間猛然とケンゴ→津田へプレスで津田がコントロールミスし、それをかっさらったケンゴが中のミンキュンへ送り、27番加藤をファーストタッチで交わして流し込み先制しました。
特筆すべきはケンゴの追い方。
津田は恐らく右利きでこのシーンでも右でボールをコントロールしました。
なので、ケンゴは内側(右足で蹴れるコース)から外へ広がるようにプレスをかけて行き、利き足で蹴れないようにしたことで相手のミスを誘いました。お見事!

実は前節の山形戦で町田は3-1-4-2で臨み、前半だけで3失点を喫しているんですよね。
その前半を指してアルディレスが「ハラキリもの」といったそうですが、
マジでなんもできずにあれよあれよと失点してしまった。
その山形との45分はこのファジとの30分とまるっきり同じような展開でした。
町田とすればすでに前節痛い目を見た失敗に近いものがあったわけです。

山形は4-3-3で、ファジは3-4-3ですから、後ろ7枚の並びが違うだけで前の3枚は同じ。
恐らく影山監督としては、山形のやり方を参考に守備を考えてケンゴ→ミンキュンで取った。まさにしてやったり!な先制点だったのではないか?と思います。


◎アルディレスの2枚替え、システム変更についていけないファジ


ミンキュンによる失点を受けてアルディレスが動く。
なんと前半28分という早さ(!!)で、2枚一気に交代しシステムを3-1-4-2から4-3-3へ変更。
これがダイナミックに試合の流れをひっくり返す・・・・!

Q:前半のアルディレス監督の交代に意外性はありましたか?スカウティングでこういう交代があると読んでいませんでしたか?
●影山雅永監督(岡山):「あれはアルディレス監督が流石だなと思いました。妄想や予測が入ってしまいますけれども、あのままでしたら、我々はボールを持ち続けることができたのではないかと思ってます。一気に2人替えたところで、流れを断ち切ったというところは、流石の采配だなと思います。予測はできませんでした」



アルディレスの2枚替え


やりなれた4バックに戻ったことで、サイドバックへのパスコースが確保されDFラインでのボール回しに格段の安定感が出始めた町田。高い技術で繋ぎ役をこなせる幸野と、実は自分のJ2他チームお気に入り選手の一人鈴木崇文が入ったことでボールを収めることが出来るようになり、プレーエリアがグッと高くなりました。
おまけに、FW勝又がスペースに出たり、ハイボールで競れる分大きいボールでもおkと。

町田が勢いを増すのに対し、ファジはシステム変更に対する修正が出来ずやや混乱してしまう。
これがファジの新しい欠点なんですよねえ・・・・・

めまぐるしいポジションチェンジをされたり、システムを途中で変えられると守備に混乱をきたしてしまう。

もともとそういうところはあったんですが、意図的に相手がシステムを変えてくるということがあまりなかったので顕在化してきませんでした。しかしながら大分・町田とここ2試合そういう流れで来ていることを考えると、相手もウチの守備を崩すためにやってきていると考えるしかないでしょう。
混乱を来たし、メンタル的に落ちたファジは性急にタテへ急いではお粗末なボールロストを繰り返し、まともな攻めが展開できなくなります。浮き足立ちすぎだよ、落ち着こうぜ・・・;
結局試合終盤までそのような状態が続くわけですが、
何故にあんなにもったいないボール扱いをしてしまうのか・・・?
誰もチームを落ち着かせることが出来ないのか・・・?

体調不良で欠場した千明の不在が、ズッシリ重く感じられる展開の連続でしたね。


◎右サイド狙いに苦しむファジ


後半も4-3-3の布陣で来た町田、またしてもアルディレスが動く。
意図的に右サイドに狙いを付け、FWやインサイドハーフを右サイドの高い位置に流れされ局所的な数的優位を作り出してきます。

4-3-3の右サイド狙い


ちょうどイメージ的には京都のような感じでしょうか。
5-2のブロックのスキマのところに、FW・インサイドハーフ・SBが集合することで、局地的な数的有利を作られファジの左サイドが再三に渡り突破されかけます。
特に、鈴木崇文がひじょーーに厄介で、パスも出せ、ドリブルも出来、ポジショニングも良いのでどうにも止められない。正直なんで先発じゃないのか不思議なくらいでした。

ファジも後半早々に石原→ケンゴで決定機を演出しましたが、もしあれが決まっていれば勝ち逃げることも出来たかもしれませんね。
でも、後半に入っても「誰が誰に付くのか」といった守備での修正が出来ておらず、上記のように町田に支配されっぱなしの試合だったので、正直それでもどうだったかわからんなぁと。


後半10分にCKから見事なヘッドを叩きこまれ、試合は町田側に一気に傾く苦しい展開に。
この失点は痛かった・・・・・。けれど失い方としては問題ないと思いますね。

ウチの守備はゾーンで守りますから、人に付きません。
なので、コチラの守備の人と人の間にジャストのボールが来るとどうしようもないんですよ。
これはボールのよさと、あわせた選手を褒めるしかない。
どんないいピッチャーでも出会い頭にポコーンとホームラン打たれることがありますが、ああいうのと一緒だと思って差し支えないと思います。


その6分後。
コチラの中途半端な攻めで、タッチラインを割りあいてのスローインからまたしても左サイドを狙われ、鈴木に篠原が寄せるでもなくレンが寄せるでもなくしている間に、タダシとケータの間に位置どった勝又へ秀逸なパスを通され、それを受けた勝又がタダシを振り切って追加点・・・・。
ここぞ!という流れを見逃さず一気にリードを奪った町田はお見事としか言いようがありませんでした。
この失点は攻守の切り替えの遅さ、リスタートでの油断、4-3-3の守備の修正の不十分さなどなど・・・
不手際が二重三重と重なった上に、鈴木の出したパスがタダシが「あ・・・とれるかも!」と思うぎりぎりのラインを狙うあざといパスだったことや、勝又のCB2枚の間で受け交わしてけりこむ身のこなしの素晴らしさがあった。不手際が2個も3個もあってはやっぱやられちゃうわなぁ。
相手の点を取りたい!という勢いは賞賛に値しますが・・・・・・これはもうちょい何とかしたかったね;



◎アルディレスの誤算と2011的なファジの攻勢


リードを奪ったと見るや、アルディレスが最後の一手を打ちます。
FWの北井を下げ、DFを増やして再び3バックへ移行。やはりアルディレスの中では3バックは守備のための手段という考えがあるのでしょうね。1トップに勝又を残し、3-6-1のような感じに。


ところがこれが大誤算!これだからサッカーは面白い!


1トップで浮くサワ
(町田の中盤の並びはテキトーですのであしからず)

こちらはチアゴ・上條を投入し、右のCBにサワを持ってきます。
そして、右CBに入ったサワが攻撃時常にフリーな状態になり、果敢にオーバラップを仕掛け、WBの石原の大外を回ってクロスを上げ始めるなど、一気に右サイドが活性化!
わーーー久しぶりに見た右CBのオーバーラップ!!2011式ファジじゃないか!

町田はやはり3バックでのビルドアップが上手く行かず、ファジのボールを握る時間が増えます。
その上相手が1トップになったことで、FW1枚に対しぶつかる役1枚+カバー役1枚の2枚で最終ラインを見れる分、サワが一枚浮くことになりました。終了間際の後半41分、ミンキュンのこの日2点目執念のヘッドが決まりなんとかドローで勝点1を確保したこの試合でしたが、最後にアーリークロスをあげたのはやっぱサワでした。

アルディレスとしては、4バックにして勢いを増し同点・逆転とした。そして3バックに戻して逃げ切りたかったところでしょう。しかし結果としてそれがファジのサイドアタックに息を吹き返させる引き金になってしまうという・・・
一方影山監督としては、まんまと狙いどうり前線からの守備で点を取ったものの、アルディレスの奇策に対応がおっ付かず、最後相手の変化によってかえって救われた形でしょう。
双方ともに「グギギ・・・」と歯軋りをしちゃいそうな試合となったのではないでしょうか。


◎現状の守備の限界点?


と、長々とやってきましたがファジの守備、そろそろ限界が来ているなと思います。
今季ここまでめちゃくちゃ良くやって素晴らしい守備を展開して来ましたよね。
現状の守り方でキレイに崩されてしまうシーンはあまりなかったということで、非常に上手くやってきました。
ところが、この守備を撹乱せんと変化してくる相手に対するのにはそろそろ限界があるのではないか?と思います。

ファジラボの中でタダシがこんなことを言ってますが、

竹田忠嗣「最近は相手がウチとやる時はシステムを変えてきたりもしてくるから、スカウティングだけに頼るんじゃなくてピッチですぐに対応することが大事になる。」

まさにその通りだと思います。
いまは変化する相手にこちらもフォメを変えて変化するということはありませんが、いずれそういった変化も含めて対応していかないと、破られてしまうようになるんじゃないかな?と思います。
そういった柔軟さを身につけないといかん時期にようやくきたのかなぁと。逆に言えばウチの守備が堅いから相手に変化を強いているとも取れるわけで、そこで対応してしまえば相手を手詰まりにしてしまうことも可能かもしれません。


◎不在の千明・大屋についての話


この試合、千明が体調不良でベンチ外というハプニングがあり結局それが相当にゲームに影響してしまったなぁと思いました。みなさん同じ思いだと思いますが、やっぱ千明は別格。絶対外せないよね彼は。千明がいるといないで大きく変わるのが特に守備での安定感と、攻撃のときのリズムでしょう。

彼のボール奪取のセンスや、相手の出足を止めてフタをする守備によって支えられる中盤の守備力ってのはやっぱ他のボランチでは出せないものがあります。
レンもがんばっちゃいましたが、まだまだ千明には及ばない。やっぱ千明がいないとウチはダメです。

一方、今季初先発となった大屋ですが、生で見てるときは「セルフィッシュすぎる・・・バランスブレイカーじゃねーか・・!」と思っちゃったんですけどね恥ずかしながら(笑)
録画を見てみると、そんな悪くなかったですね。
守備ははっきりいってザルですが、彼独特の長いパスはレンにも千明にもないセンスであることは間違いない。
残念ながら彼からどういうタイミングで、どんなパスが出るのか?その辺がまるでチームメイトには馴染んでいないので噛み合いませんでしたが、これが合ってくるようになれば面白いなと。
ウチにはまるでなかったダイナミックな攻撃を演出できる選手だと思いました、やっぱこいつは本物だ。
千明は誰と組もうが外せないので、
大屋の競争相手はもっぱらレンでしょうが、レンにとっては強力なライバルになりそうです。


というわけで、ううむ・・・残念ながらゲームのほとんどを町田に握られてしまうという・・・。
アウェイではありますが、若干情けない感じもあった試合でした。
しかし、ここで負けずにドローにできたことは収穫でしたし、右CBにサワを置いて2011verのファジの良さを出せた点は非常に良かったと思います。大屋が実戦で使えたのも好材料。これを今後につなげたいですね!
長々とお付き合いくださりありがとうございました。


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COMMENT 6

tko  2012, 09. 05 [Wed] 02:09

No title

こんばんわ。今回は奮発して町田で観戦してきました!!
前半は町田に「持たせている」、後半は町田に「持たれている」、そういう印象でした。
あの2失点目はイカンですよ。あれだけ長時間キープされて攻められ続けたら、そりゃー失点しますよ。
「悪い流れを断ち切る力」。これがなかったことで勝てなかったのかなと思います。
根性で追いついてくれたのは良かったですが、やはり勝ちたかったですねぇ。
次週天皇杯、リズムを取り戻したいところです。

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あぽろ  2012, 09. 05 [Wed] 13:24

最下位では…

初コメの町田サポです。
宜しくお願いいたします。

順位、町田は最下位ではありませんので…どうぞ宜しくお願いします(/ _ ; )

とても勉強になる内容ですね!
サッカー素人ではありますが、参考にしながらお勉強したいとおもいます(^-^)

Edit | Reply | 

tko  2012, 09. 06 [Thu] 00:44

No title

あぽろ様

初めて町田行きました!!
「ガパオ」だったかな?ご飯の上に挽き肉とか卵とか乗ったヤツ。アレかなりうまかったです。もっとお腹空かして行けば良かった。


ゼロファジ様

ゼロファジ様の環境借りてあぽろ様向けのコメント書いてしまってます。趣旨と外れてたらゴメンなさい。

Edit | Reply | 

あぽろ  2012, 09. 09 [Sun] 19:41

町田へようこそ!

tko様へ

町田に来ていただいたのですね!
ありがとうございます。
スタグル、楽しんでいただけたようで良かったです(^○^)
私はいつもコンフィというチキンを食べてます(^o^)
今度はtkoさんが召し上がったガパオを食べてみますね~。

大雨の中の観戦、お疲れ様でした。

岡山戦では桃太郎のチャントが楽しそうで、和みました(^o^)

これからもお互いにそれぞれのチームの応援を頑張りましょう!!


ゼロファジ様

すみません。
私もこの場をお借りしてしまいました。
これからもゼロファジ様のブログを楽しみにしています(^o^)

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Zerofagi  2012, 09. 11 [Tue] 11:41

No title

>tkoさん

こんにちは。
町田遠征お疲れ様でした!
2点目よくなかったですね、受けるだけではなくて自分たちで持って時間を作らないとさすがにバタバタした展開が続いてしまう。せっかく先制した試合だったので勝ちきりたかったです。
コメ欄の使用について>
全然構いませんよ!

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Zerofagi  2012, 09. 11 [Tue] 11:43

No title

>あぽろさん

ようこそいらっしゃいませ。
町田はなぜかシンパシーを感じるチームなので、なんとしても残留してほしいと願っています。
最下位>修正しておきました、大変失礼しました;

コメ欄について>全然かまいませんよ。またお越しくださいませ!

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