死闘 J2 第38節 岡山 vs 東京V

ジャッジはちょいアレでしたが、名古屋相手に素晴らしい戦いを見せた天皇杯。
そこから中3日で行われたこの試合は、まさに死闘と呼ぶにふさわしいものでした。


まぁそうなってしまった理由については例によって宇宙人ジャッジの影響があるのですがね・・・
くどくど言ってもしゃーないのでその件については簡潔に「ありゃねーわ」で済ませるとします。
この試合はジャッジの影響もあり、年に一度か二度あるかという心の底から歓喜を爆発させたくなるようなたまらない試合となりました。
後半はサッカーというより、もはや格闘技。
数的不利を懸命な守備で跳ね返し続け、冷静にやりきった選手たちのがんばりは試合を見ていた人の心を揺さぶるものがあったと思います。


ということで主に前半を中心に振り返って、この試合で何がおきていたのか?を見ていきます。


<スタメン>


vs東京V(H)


<結果>

岡山 2-0 東京V

SH 6-19
CK 4-9
FK 12-17
GK 13-4

得点者 前半17分川又堅碁 後半45分田所諒


◎降りてこないシャドーが招く機能不全


この試合、前半25分くらいまではファジペース。それから試合終了までヴェルディペースで進んだんですが、当日上から見ていてもイマイチ調子よくないなぁ~と感じていたんですね。
天皇杯もガチメンバーでフルタイムやってますし、調子の良くない選手も一人二人ではなかった。
特に、関戸・サワ・ミンキュンあたりの不調ははっきりしてました。
関戸はアタッキングサードの肝心なところで「感じて」ないプレーが多すぎましたし、ミンキュンは動き出しはまずまずだったものの、パスがハマらなかった。特に良くないのがファジラボでも不調が伝えられていたサワで、ここのところ絶不調そのものでした。特に攻撃面では重症だな・・・と。
パスコースがモロ見えなのにみすみす決定機を演出しそこなうシーンが多すぎでしたね。
きっと調子が普通なら出せてるところが出せない。守備では問題なしですが、攻撃ではかなりブレーキになってるのがここ数試合のサワだと思います。


ところで、湘南戦の前半はここ最近のファジのベストパフォーマンスだったと思いますが、あれが出せる条件がこの試合にも整っていたと思うんですね。しかし、途中までそれが出せなかったのがこの試合でした。
それは何故かというと、ビルドアップ時のシャドーのポジショニングが良くなかったからでした。
前半7分のシーンから。


降りてこないシャドー


最終ラインでタダシがボールを持ちルックアップして前の情報を確認、さあタテパスを入れて攻撃のスイッチをオン!というシーンなんですが、シャドーの位置が高すぎなんですよね。
普通であれば、この位置から相手のダブルボランチの背後からヨコの黄色マルの位置まで「顔を出して」受けに降りてきて、ボールがきたらフリックして一発でタテ。それがムリでもサイドにはたいて前進。というのがファジのビルドのパターンです。ところが最終ラインくらいの高さから降りてこないので、せっかくタテパスの準備が出来ていても出しようがない。おまけにWBは通常どうり高い位置を取ってますから、WBへもパスは出せない。
結局このシーンはシノに渡して、右サイドへタテのロングボールを出してケンゴを走らせようとしましたが、ケンゴがオフサイド。どうにも窮屈な攻めになっちゃいました。


当日、ベンチに近いところで見ていた友人とハーフタイムに偶然会って「監督の指示めっちゃきこえる!」と喜んでいたので、「監督シャドーに降りてこい!っていってた?」と聞くとうなづいてました。
多分指示が通って修正できたんでしょうね、
ちょうどこの7分くらいを境に、シャドーの位置取りが低めになってようやくタテパスが入りだします。
そして迎えたのが1点目のシーン。


◎ギャップの攻略と4バック殺しのサイドアタック


この試合、虎の子の一点となったシーンは、右サイドでサワがどフリーになれたことに大きな意味が含まれていたと思います。この攻撃は昨年からも見られた形で、ファジの得意な形の一つなんですが、何故サワがあのようにどフリーになれたのか?それを見ていきましょう。
前半16分のシーン。
ボールの動きはシノ→千明→ミンキュンというところまで。


1点目のビルド


まず千明は、相手の2TOPの間の狭いところで受けて前を向きます。
千明が前を向けそうだということで、これを感じていたミンキュンがボランチの梶川がちょっとつり出されて空いたスペースに「顔を出して」タテパスを呼び込みます。
その間に、関戸がCBを背負うような位置からSBを背負うような位置へスルスルと移動。これが布石でした。
続いて、その後の展開。


何故サワはフリーになりえたか?


ちょっとごちゃついて見づらいですが、ミンキュンはターンして少し位置を下げて前を向きました。
そこから左SBを背負った関戸へパス。これがちょっと流れて関戸が思っていたのと逆の中のほうへ出ちゃったために、関戸はスムーズに外へ展開できませんでした。
しかし、持ち前のキープ力でボールを収めたのでレンが寄せてくる時間が出来た。
左SHの飯尾も時間が出来た分、関戸にプレスバックしてきていて局地的な3vs4のような形に。
こちらのミンキュン・関戸・レン3枚で相手のSB・SH・ボランチ2枚を相手にすることでサワがドフリー・・・・!
そこからサワが満を持してクロスを上げ、混戦からケンゴが押し込み先制!というシーンでした。


とこのようにですね、相手が4-4-2のブロックを敷いて構えている非常に狭いスペースの間間に選手が入っていくことで、相手のブロックをズラして捕まえさせないというパス回しができとるわけなんですね!
それに加え、先ほど述べた「シャドーがSBを背負う」ことでシャドーにボールが渡った時点で、相手SHやボランチがWBを掴んでいない限りWBはどフリーになるメカニズムになっとるわけです。

だいたい4バックのチームはこちらのWBをSBに見させる形を取ってきます。
ところが、そのSBにシャドーが絡んでしまうと「浮いた」WBを見れるやつがいなくなっちゃうんですよね。
そのために必要なことは、WBがちゃんとSHとSBの間の位置を取っておくこと。
つまりどっちがつけばいいのかあやふやな位置にいることですね。
ちょい前の試合でサワがこれが出来てなくて監督に試合中怒号を浴びていました。
WBはSHの後ろにいなきゃダメなんですウチの場合。
WBにボールが来たとき、前からSHがチェックにくる展開になるとそこから先にボールを運ぶのは相当難しい。
サワにしろ田所にしろ、目の前にマーカーいるのに強引に突破できる選手じゃないですからね。


・・・・しっかしまあ、ファジもいっちょまえなチームになってきたなぁと思いますよまじで。
だってアウェイでヴェルディとやったときは、上の図のようにあんな狭いところでまわすことが自信持ってできるような状態じゃなかったですからね。
しかも、関戸・ミンキュン・サワと不調に見えた選手がこうしたチャンスを演出しちゃうんだからサッカーはわかりませんね(笑)


◎ヴェルディの変則的なポジションチェンジに押されるファジ


ということで、先制したあと25分辺りからヴェルディの反撃が始まり、
ミンキュンの退場により一人少なくなった後半が終わるまでずっとヴェルディが支配して試合が進むわけですが、
前半の25分以降、それまで危なげなく守れていたファジがだんだんとヴェルディに押されていくようになります。
それは非常に大胆なポジションチャンジによるものなんですが、こういう形。


西ガー


まず見てほしいのは右SHの西がそのままボランチにきちゃってるってことです。
普通ポジションチェンジというのは複数名で位置を交換するようなものがほとんどなんですが、この場合はそれとは違いました。
西がSHからいなくなったので変わりに右SBの森を押上げ、CBが右サイドにズレているのがお分かりだと思います。土屋の位置がかなり右ですよね。
そして黄色の四角の所、インサイドを見てみると、西がボランチに入ったので中盤では数的不利が起こります。
ダブルボランチに対して、ヴェルディの中盤が3枚。これによりどうしても西を見れなくなってプレスをかけきれなくなります。そのためズルズルと押し下げられてしまい、試合の主導権が相手に行ってしまったと。

しっかし、大胆な変化だなぁと思いますね。
右サイドの森は突破力ある選手なので一人で大丈夫ということなんでしょうが、こういう変化にも難なく対応していけるようになるために、いい経験になったなぁと思いました。


◎試合を決めた冷静さ、ゴールのカタルシス


前半は1-0で折り返し。
しかし、後半早々ミンキュンが2枚目のイエローで退場となりファジはのこり40数分にわたって耐えに耐える非常にしんどい後半になってしまいました。・・・・・いやーほんまなげかったわぁ;
この後半を象徴していたのがDFラインの司令塔タダシのこのコメントではないかと思います。


●竹田忠嗣選手(岡山):
「思いがけずミンキュン(金民均)が早い段階で抜けて、名古屋戦からまたかと思いましたが、逆に守り切ることとカウンター狙いが明確になって、全員がそういうイメージになったことは、悪い中でのいいことでした」



相手が一人少なくなって、有利なはずが余計に試合を難しくするってことがえてしてサッカーではありがちなことですが、この試合の後半はまさにそうでしたよね。
前線の選手が5-2のブロックの脇を埋め、5-4-0・4-4-1のような形でブロックを形成し、攻められてははじき返しを延々とやっていく・・・・・。
うちの選手はほんまによーがんばるわぁ、ほんまにすごい!
この試合はジャッジのこともあったし、小競り合いもあったし、辛抱に辛抱を重ねる後半があった。
しかしながら、それを冷静にやりおおせた精神力、ほんとに頼もしかった。
こうしてがんばってたらサッカーの神様が笑ってくれる日もあるもんだなぁ。




ロスタイム。
相手のミスを見逃さなかったカラテカが、ボールをおもっきり「しばきあげる」と、キレーな軌道を描いてゴールに突き刺さる!それまでの鬱憤をまとめて開放するようなあのカタルシスったらないよ。
あーーー最高!これこそゴール!



ということで去年ボコりにボコられた東京V相手にホーム・アウェイでなんと2勝だよ!
おまけに無失点で、J2でもっとも堅い守備を持つチームはファジアーノになっちゃいましたよ!
ちょっと前にひょっとしたらひょっとするやつなんじゃね?と書きましたが、
・・・・・あるでこれ。あるフラグたっとるで。



行こう5連勝。最後までやり抜いて、いけるところまで。


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COMMENT 4

tko  2012, 10. 17 [Wed] 23:59

No title

こんばんわ。
いやー面白かったですねぇヴェルディ戦。まぁ勝ったから言えることなんですがf(^_^;
ミンキュンいなくなってからの時間はホントに苦しかったですが、カラテカがしばいてくれましたねぇ(^o^)/
ホントに周りのサポの方々と抱き合って喜びました、私。

前も書いた気がしますが、千明のDFがメチャメチャ効いてた気がします。
ボールを持ったヴェルディ選手にスルスルッと忍び寄り、いつの間にかボールとヴェルディ選手の間に体を入れてボールを奪ってしまう。
「ヘビか!?」「忍者か!?」と言いながら見てました。

このままみんな、大きなケガもなくいってほしいですね。
(サイン会で石原に「足大丈夫ですか」と聞いたら「大丈夫です」と答えてくれました)

目指せロクイ!!
マジで狙えるぞロクイ!!

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rinn  2012, 10. 18 [Thu] 07:07

No title

いつもありがとうございます。
はらはらしながらの後半も、ファジ戦士の限界こえた頑張りで、信じて応援できました。
このチーム、選手たちを応援できる喜びと感謝が湧きあがる一戦でした。
私たちが、日ごろ、自分ではやれない所の懸命さを体現してくれるから、目が離せないのだと思います。

いや~~~ますます楽しみになってきましたね。

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Zerofagi  2012, 10. 22 [Mon] 17:20

No title

>tkoさん


どうもこんにちは。
東京V戦の千明の守備はシビれまくりでしたね。ほんとおっしゃるとおりだと思います。
彼自身、自分のサイズの小ささっていうのは成長が止まった時点で熟知しているでしょうし、体格がないならなりのやり方ってのを見せ付けてくれてるなと思います。

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Zerofagi  2012, 10. 22 [Mon] 17:22

No title

>rinnさん


この試合はほんと感動してしまうような、エモーショナルななにかをたっぷり含んだ試合でしたよね。ああいった不利な状況でありながらも粘り強くできるウチの強さ、再確認しました。

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