さよなら服部先生 J2 第41節 岡山 vs 栃木

昇格の可能性が消えたファジアーノが最後のホーム戦に迎えたのは同期栃木SC。
一桁順位のために、一つでも上の順位を上げたい。
順位の近い栃木・山形との2試合を連勝でクリアし、目指すは7位。
それが最終的にファジに手の届く最高の結果ということになりそうな流れでしたね。


今季限りの引退を表明した服部公太が左WBでスタメン出場!
となれば、是が非でも勝って花道を勝利で彩りたい、そんな雰囲気が漂ったこの日のカンスタでした。


<スタメン>

vs栃木(H)


<結果>


岡山 2-1 栃木

SH 9-12
CK 2-8
FK 13-18
GK 8-4

・得点  前25 川又堅碁 前25 川又堅碁 後6 菅和範


◎曲者千明の機転、『あとはよろしく』の裏側


栃木は4-4-2のブロックからカウンターというのが得意のチームということもあり、前半は後ろからじっくりボールを動かしビルドアップしていくファジがボールを握り、栃木がカウンターを狙うという構図で進みましたね。
前2試合とくらべてはっきり違ったのがメンタル・ピッチコンディションで、
こんだけ伸び伸びと試合を展開するファジを見ていると、
逆にあの2試合の「出来なさ」が浮き彫りになる感じすらありました。


栃木の守備ブロックもよく整備されており、なかなかバイタル付近を有効に使ってという攻めこそ展開できませんでしたが、ボランチやDFラインからインサイドへ当ててそこから大きくチェンジサイドなど、満遍なく中外を使うボール回しが出せていて・・・・ああ、これこれこうでないとファジじゃないよなと思う前半でした。
ただ、惜しむらくは、湘南戦で見せた「相手を騙してやろう!」というような仕掛けの姿勢がほとんど見れなかったことですね・・・・・。フリックを使った変化がほとんどない。
せっかく新たなファジの変化を手に入れかけていたと思ったのに、あの2試合を挟んでそれ以前のファジに逆戻りしてしまった感じはこの試合の前半でもあったかなぁと。


試合が動いたのはやはりサイドから、
左サイドハーフライン近くでボールを奪った千明が間髪いれずに前線へフィード。
これをケンゴが収めて、勢いそのまま豪快に蹴り込み先制!
ちょっと千明のコメントを引っ張ってきますが、


●千明聖典選手(岡山):「1点目のゴールは、狙い澄ましたところでした。菊岡さんから奪って、ケンゴ(川又堅碁)がいて、迷ったんだけどとりあえず前に、スペースに出したんです。『あとはよろしく』のパターンで。ああいうの巧いから。」


いかにも千明らしいコメントだなぁ(笑)とニンマリしてしまいますが、
一見単純に放り込んでケンゴががんばって取ったゴールに見えたこのゴール。
相手のCBをものともせずブチ込んだケンゴの巧さ・強さは十分に賞賛されるべきですが、このシーンでの千明のキックはいかにも曲者千明を印象付けるいやらしいボールでした。


あとはよろしく


状況はこんな感じで、栃木のCB大和田が右に流れて菊岡に当てたところを奪った千明がフィード。
なんですが、この時点でケンゴと競り合ったチャ・ヨンファンのほうがボールに近いトコにいたんですよね。
千明はケンゴと恐らくはCBの位置を見て(SBが上がったスペースへ)蹴りこむ。
普通であれば先にCBが触るのでなんてことないシーンで終わるんですが、千明は一工夫こめていた。

というのも、
なんてことないフィードに千明は強いバックスピンをかけて、跳ね返ってくるように蹴ってんだよなぁコレ。
チェ・ヨンファンは流れるから自分が先に触れると思っていたところ、急にボールが帰っていくのであわててケンゴと競る形となり、あえなくケンゴに先に触られてしまったっていうね・・・・・なんといやらしいパスか(笑)
状況を瞬時に見極めて、まさに「狙いすました」フィードだったわけですね。


◎これぞ服部公太のクロス!ケンゴとのホットラインの質の高さ


先制した後も、高い集中力と素早い反応でセカンドボールを拾い続けるファジアーノがペースを握ります。
栃木は、スペースへ蹴り込んで裏狙いも上手く機能せずオフサイドを食らうシーンが多かったことや、後ろからのビルドアップの精度が低くなかなか前線で起点が作れない難しい展開が続いた前半でした。
そんな中前半38分、ついに服部先生に見せ場が!
シーンは、左サイド植田→服部とつなぎ、そこからのクロスにケンゴがあわせるもクリーンヒットせずこぼれる。
それを蹴りこんだ関戸のシュートの跳ね返りを再びケンゴが押し込んだ追加点!


                ko-ta!ko-ta!ko-ta!.jpg


服部公太はセオリーどうり、「SHとSBの間」に位置取り。
植田に右SH高木が釣られた分、比較的スペースと時間があったクロスまでの流れでしたね。
時間があるとわかった服部公太は、ルックアップしケンゴを探し狙いを研ぎ澄ませ素晴らしいクロスをフィード。
また図のように、ケンゴは服部先生が顔を上げた段階でチャ・ヨンファンの後ろ側のルートを指差しクロスを要求。が、しかしこれはフェイクでした。
いったんチャ・ヨンファンの視界から消え、結局チャ・ヨンファンの前でクロスにダイビングヘッドもあと僅かにタイミングが合わず、というシーンでした。チャ・ヨンファンも背中とりそうだったケンゴをチラ見しながらバックステップ踏んでましたが、やっぱ2方向を見るのは難しい。この試合完全にケンゴにやられちゃってましたね。

これは推測ですが、服部先生がケンゴを見たときケンゴはチャ・ヨンファンの裏を要求していたんですが結果的にその前にクロスは落ちた。ここまで織り込み済みで上げられたクロスだったんではないか?と。
真偽はわかりませんが、ケンゴと服部先生とやっぱプレーのイメージ合うんだよなぁ・・・
2人にミンキュンが絡んだ松本戦のゴールなんかもバチっとイメージが合致してましたし、本来であればもっともっとこのような形でゴールが取れたんじゃないか?と思うともったいない気持ちがしますよマジで。
しかしながら、これぞ服部公太だろ!というプレーで点が取れたことが純粋に嬉しい。
ということで、前半は栃木にほとんど脅威となるような攻撃を出させず圧倒して2点リード。


◎緩む後半、悪癖がよぶ消極性


湘南戦もそうだったよね?福岡戦もそうだった。
・・・・で、またやっちゃったね(汗)
せっかく2点リードしほぼ思い通りの展開で前半を終えたのに、後半激しい前線からの守備と玉際の強さ、切り替えの速さで入ってきた栃木にほぼまるまる押し込まれる苦しい展開。
どうぢてこうなっちゃうのか・・・・このあたりのだらしなさは選手自身も自覚しているところですがなかなか改善の兆しがみられませんね。現状が一番わかりやすいのは影山監督のコメントではないでしょうか。


Q:後半、押されて、ペースを引き戻せない理由はどこに感じていますか。
●影山雅永監督(岡山):
「守備で奪うところを続けようというところが、ボールを奪うではなく動かすところで受ける人がいなくなってしまう。チームが乗っている時は、もっと受けて、起点になって得点に絡もうという気持ちが働きますが、そういものがなくなると一気にボールは動かなくなるんですね。技術や戦術は非常に大事なんですけど、『気持ちくらい何とかしろよ』と言われるかもしれませんが、11人のうち5~6人がそういうものを持ってしまうとサッカーは一気に変わってしまう。ベクトルを相手に渡してしまう展開をしてしまったことは、重ね重ね反省しています」


悪いときのファジって特に攻撃時、ボールホルダー以外がぼけーっと突っ立ってボール呼び込まないってのがありますよね。前半にもそういうところがなくはなかったんですが、この試合では開始早々に失点しますますメンタル的に落ちたのが響いちゃったのかなぁと思いました。
がっちり引いて守れるからいい、というのもなくはないと思いますがそれでは今後先がない。
選手たちも言っているようにこっからもう一個とって突き放す。試合を決めてしまう。そういうところが出来るようにならないと、14ものドローを勝ちに変えていくことは叶わないでしょう。
ということで、ホーム最終戦、服部公太最後のホームゲームをなんとか勝利で飾ることが出来ました。
草津、水戸の2試合とこの試合の後半。
「最後までビシっと戦えるようになること」これは宿題となりそうですね。


◎さよなら服部先生


服部公太といえば、広島の左サイドの代名詞的な存在であり、「鉄人」の異名からもわかるように高いプロ意識に支えられた鬼の自己管理。自分は同世代の選手なので、ほんとうに引退と聞くとさみしいです・・・・
今季腰痛から思うようにプレーが出来なかったこと、出場時間がやや短かったことがやっぱ惜しいと思わざるを得ない。もっともっと見たかった・・・


しかしながら、服部公太のような選手が岡山で引退していく。
この事実が嬉しくもある不思議な感じもしています。
17年間で培ってきた経験、ダントツの出場数がある選手ですからウチの若い選手たちにとってはそりゃ困ったことがあれば服部先生に聞け!というようなことが何度もあったでしょうね。
今後は指導者の道を進むようですが、いつか縁あって岡山に戻ってくることがあればいいなぁと思います。


服部公太選手、16+1年間お疲れ様でした!
今後のご活躍を心からお祈りいたします。



服部公太の姿を見に来て下さった広島サポの皆様、ありがとうございました。
服部公太の大旗もトリハダがたちましたが、試合が終わってから紫のユニを表に出すその心遣い。
言葉を交わしたわけではないのに、お互いの思いやりで成り立っていたあの時間。
サッカーを見にスタにくるようになってほんとよかったと思いました。


さあ、のこり1試合。
アウェイ山形で最終戦を勝ちきり、願わくば強い気持ちで戦い勝ちきって終わりましょう!


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COMMENT 2

tko  2012, 11. 08 [Thu] 23:05

No title

こんばんわ。
いやー栃木戦、泣きそうでした。

①カンスタ着いてバックスタンド向かってたら、大型ビジョンの脇に紫の方々が。
②試合前、「オー公太、オオオー」とサポが歌い始めると、雄大にふられる「服部公太」フラッグ。そして総立ちで手拍子してくださる紫の方々。
③引退セレモニーで大型ビジョンだけでなく、メインスタンドで数多く見られた紫のユニフォーム。

一つ一つが感動のシーンでした。
幸せですよね、選手もサポも。
移籍先まで来て見送ってくれるサポーターがいる。
移籍先まで行ってでも見送りたい選手がいる。
素晴らしい。こういうの最高。いいシーンを見せていただけてありがたかったです。サンフレサポさんありがとう。

長年見守ってきたファジ選手が新たな人生へ旅立つ姿を号泣しながら見送る、いつか我々にもそんな日が来ることを夢見ています。

試合に勝ったのも嬉しいけど、栃木戦はそれどころじゃない!!
服部選手、お疲れ様でした!!

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Zerofagi  2012, 11. 09 [Fri] 22:30

No title

>tkoさん


いやー・・・ほんと泣きそうでした。
ああいう瞬間ってすごく日本的なものなんだろうなぁと思いました。ダービーなんかでもそうだけど、日本には日本のカタチがあっていい。そういうことを強く感じさせる出来事でした。
あのような素晴らしい選手をウチに迎えられたこと、送り出せたことそれが嬉しいですね。

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