真逆対戦は4連勝で決着 J2 第25節 山形 vs 岡山

昨年から数えてこれで4戦目となるvs山形。
ここまでの3戦で全勝と相性のいい相手ですから、前節のあってはならない敗戦のマイナスイメージを断ち切りたいファジアーノ。山形としては連敗中であり、苦手とはいえそろそろ歯止めをかけて再びPO圏内を争う位置に復帰したいというところでしょう。


ガンバに次ぐリーグ2位の得点力を持つ山形
失点数リーグ最小と堅守を誇る岡山
まったく真逆のチームカラーを持ったほこたて対決。
前回対戦では4-3と打ち合いを演じた両者だけに、はたしてこの試合はどうなるか?


<スタメン>


vs山形(A)


<結果>


vs山形(A)スタッツ


◎キャラクターの違う山形と岡山


24試合終了時点で山形は45得点、36失点で10位。
一方ファジは25得点、20失点で9位。
一試合平均で見てみると、山形は1.87得点・1.5失点。岡山は1.04得点・0.83失点。
数字が物語るように両チームのキャラクターは真逆であり、課題もまた同じく真逆。
今の季節は夏ですから、運動量・持久力というのがかなり重要になってくることを考慮に入れると、
ファジに持久力で優るチームはJ2でほとんどいませんから、山形としては体力の落ちる前にファジから2点はとっておきたいところ。(大方どんな試合でも1失点はありうるからね事故みたいなやつとか)
逆にファジとしては相手が落ちるまではイーブン、欲を言うとリードできていれば最高の展開。
このように両者のカラーがハッキリと違うだけにゲーム展開に面白さのあるゲームだったなと思います。


◎前半の攻撃の迫力不足の原因とは?


ここまでのシーズンでも荒田不在の試合もありましたが、この試合は荒田長期離脱して間もない試合ということで、ファジがどうやって攻撃を展開していくつもりなのか?その点が特に気になってました。
結果から言うと前半はあんまりいい攻撃が出来てなかったんですが、大きな理由は2つあったと思います。

この日は1トップにミム、2シャドーにオッシーと妹尾ということで、
DFライン・ボランチ・WBからボールを引き出す力が少し弱かった
それに加えレンが山形のFWやボランチにマークされていて前半ほとんど消えていたことも影響してましたね。

これにより山形の守備の外側を回す展開に終始することになり、他のチームに比べると緩さの目立つ山形のブロックをこじ開ける攻撃がなかなか展開できない前半でした。
ファジは1トップに誰が入るのか?で展開する攻撃の色が変わるチームですが、この日はミムが入っていたということで、ミムのスピードを生かした斜めに抜ける動きに合わせていくというのが軸になっていてある程度効いていたと思います。山形の守備は相当良くなかったので、揺さぶる効果は高かった。

ただやはりインサイドで受けて・・・という展開がほとんど出来ないのは苦しく、
ファジのシャドーのなかでボールを引き出す能力の高い石原・クワシンがスタメンにいないことはけっこうデカかったなぁと。インサイドの攻撃に色気をだすのであればやはりどっちか一枚は欲しかったなぁというのが前半戦の印象でしたね。


◎山形の守備の隙をもうすこし突けたはずなのに・・・


ということで、ファジはミムのスピードを生かして裏へ走らせる展開を狙ってました。
山形のCBはあまりスピードがないので高いラインを設定するとかけっこで負けて独走の危険性がある。ゆえにあまり高いラインがとれません。つまりミムの存在がDFラインを押し下げる効果を生んでいるわけですね。


前半8分のシーン、ファジが最終ラインでパスをまわして右CBのケータが100パーセントの形でボールを持ちます。山形はそこそこ積極的な前プレを仕掛けてきますが、いなせないレベルではなくやや中途半端な守備。


DFラインとボランチの間


ケータからロングフィードで左SBの裏へ、そこへミムを走らせてという展開。
山形の最終ラインはこれに反応して事なきを得ましたが、大事なのは最終ラインとボランチのラインとの距離
黒丸のゾーンががら空きになって大きなスペースが空いてしまってますね。
1トップ2シャドー2WBで5トップ化するファジに対し、山形は最終ラインの4枚しかいません。
ホーム戦ではこのギャップを突きまくって田所爆発!を招いたのですが、この根本的なミスマッチは改善仕切れておらずここには依然としてチャンスのニオイがありました。
とはいっても、右SHにはいっていた中島はそこそこ守備に戻ってくれるので前半は左サイドを攻略するところまでは出来なかったのですが。
ちょっと話を戻すと、442の守備の4-4の部分で空洞が出来てしまうと。
それならば最終ラインが押上げるか、あるいはボランチのラインが落ちて縮めるしかない。
ところが山形のダブルボランチは攻撃意識が強く、危機意識が低いんですね。
上の図でもこちらの2シャドーよりも後ろにいて、追いついたのはボールがゴールライン近くに到達した頃でした。
10分には高い位置でボールを奪い、オッシーが突破してシュートを放つも僅かにそれるという決定機がありましたが、やはり最終ラインとボランチのラインにはポッカリ穴が空いていました。
ダブルボランチだけの問題ではなく、チーム全体として守備意識・危機察知能力が低く帰陣が遅いのが山形の最大の弱点でした。ここをもうちょい突いていきたかった。


◎山形の攻撃のよさと帰陣の遅さ


一方自慢の得点力はどうか?
これはやっぱ得点力不足のうちからみるとうらやましいものが光ってました。
トップの林のポストを軸に、山崎・中島・伊東の4枚は個々の力も高く簡単にボールが取れる選手ではない。
その前4枚がキープできるので、SBやボランチが勢いよくフォローに上がっていきウチとは一枚違う攻撃の分厚さを生み出していました。やっぱ前で時間が作れる選手が複数いるのは大きいですね。
ウチも・・・夏にそんな選手が・・・欲しい。
それとは裏腹に守備でのリスクはどうかというと、前半20分のシーン。


林のポストプレイでボールを引き出し、その落としに次々に選手を絡めていき右サイドを抜けようというところでしたが龍仁朗のスライディングにひっかかってボールをロストした直後。


かうんたはじまり


この位置から妹尾は左サイドをドリブルで抜けていこうとしますが、中島がすぐさま守備に入り競り合いながら持ち上がっていく格好になります。ちょうど右SBの小林がボールを受けに上がってますのでその裏のスペースは広大。ここをカバーするのはボランチの秋葉なので、中島が制限しスピードを落とし秋葉と挟めればというところ。
そこが山形のカウンターストップのための最後のフィルター。
そこを抜けられるとゴール前まで行かれてしまいますからね。


かうんた


妹尾はさすがのドリブルで持ち上がり、結局中島・秋葉で構成したストップラインでボールを失わずミムにスルーパスを出すことに成功!ちょっとキレが出てきたんじゃないでしょうか、素晴らしいドリブルでした。
さあ、これでボックス付近までボールは上がってきた。
ミムはCBと1vs1、角度がないですし左利きなのでせめてクロスまでは行きたい。
ミムまかせっきりにしないためには、後方からフォローが必要です。さて誰が一番近くまで駆け込んでくるのか?


ちあきかよ!


思わず千明かよ!って声が出ましたが、
ミムの位置まで一番最初にたどり着いたのは山形の選手ではなく千明

一個前の図で見ると千明と同じくらいの高さに山形の選手はいたのに、それよりも千明のほうが早かったという。やはりどこか山形の選手には攻撃が終わった後の守備が人任せになっちゃってる感があり、それをなんとか突いて点が欲しかったなぁと。まあウチも今年はカウンターがあんまり上手くないので他所のこといえないんですがね・・・。


◎またしても伊東俊おまえなのか!


両者決め手を欠き、スコアレスでいくかな?という雰囲気を破ったのは42分山形のカウンター。
ファジが良い守備から良いつなぎを展開して一気にカウンターに持ち込むも、ラストパスの精度がなくこんどはカウンターのカウンターを食らいます。
ボールを収めた山形の10番伊東・・・彼には昨年の愛媛時代にも今年のホーム戦でもやられましたが・・・。
オープンな展開になった中で、ボールを持った伊藤は素晴らしいテクニックでファジのボランチのストップラインを突破。(こっちが妹尾でやったことを伊東がやり返してきたね!)
しかし、推進力を落とすことには成功しあがっていたWBも帰陣出てきたので5-2と7枚の守備力を確保できました。右SHの中島にボールが出た時点では、スピードが落ちきっていてカウンター自体はストップできたのですが・・。

最終ラインのちょっとした隙を見逃さなかった伊藤はロメロ・フランクへ絶妙のアシストをプレゼント。
ロメロ・フランクのシュート自体はケータがコースを消しており、タダシの足に当たって角度が変わったためにはいっちゃいましたが前線にどんどんサイドやボランチが絡んでいく持ち味の詰まったいいゴールでした。

悔しい失点ではありましたが、
ボランチで遅らせ怒涛の勢いで帰陣してブロックの破綻を許さないファジの守備意識の高さ
それに対し前で収めて時間を作り、そこへドンドン人が絡んでいく山形の勢いのある攻撃力
どちらの良さも出た非常に見ごたえあるシーンだったと思います。
ウチの攻撃力の低さと山形の守備力を考えれば、ファジの前半0はまあ妥当。
逆に山形の攻撃力の高さと、ファジの守備意識の高さやはね返す強さを考えれば山形の1もやはり妥当。
そんな印象を受けた前半でしたね。


◎逆襲のファジ、ミムの負傷退場


前半イマイチ積極性に欠け、ボール受ける・勇気もって仕掛けるといった部分で物足りなかったファジ。
HTには影山監督からおそらく「もっとできるだろう、しっかりピッチでだせ」と檄が飛んだことでしょう。
後半開始早々からアグレッシブさが目に見えて表現されはじめ、ペースを握ります。
動きにキレが出てチャレンジしようという積極的な姿勢がうかがえるようになり、特に前線の1トップ2シャドーの動きに変化が出てきます。後方からのボールを受ける回数が増えたことでスムーズにボールが回り始め、ミムなんかはどんどん前を向いてドリブルで突っかける。好転した理由はファジの積極的な姿勢もあるでしょうが、もう一つはやはり山形の守備意識とスタミナの問題。
もともと間延び傾向にあった山形の守備が、ボールを回され始めることでスペースがあちらこちらに出来るようになりファジの選手がいい形で受けやすくなってきたのが後半開始から10分ほどの時間帯でしたね。


徐々に高い位置で時間が出来はじめたので、田所を使った左サイドアタックが活性化し始める。
ところが・・・せっかくいいプレーを出し始めていたミムが負傷;もうマジで残念;;
この試合先発2試合目で、後半に入ってファジの勢いを加速させるような輝きを見せ始めていたのにここで負傷してしまうとは・・・・もうひとつなにか切欠がほしい。その切欠をつかみかけているようにも見えたのにここで無念の交代。ほんともっと見たかった・・・このパフォーマンスなら交代する必要なんて全然なかったのに・・・


◎ドラゴンヘッド炸裂!セットプレーの効能のデカさ


しかし、わからないものでミムが交代直後のFK。
田所のスーパーなクロスをジャストヒットしたおれたちのドラゴンヘッドが炸裂!!
良くはなってきたけどゴールをどんどん脅かすほどではなかったファジの攻撃。
それがセットプレー一発で1点取り返せちゃうんだからね・・・流れなんてまったく関係なく。
今年もセットプレーからの得点が相当低いファジですが、それだけにこうしてセットプレーで追いつくことのありがたみは相当にデカくてですね・・・タドのクロスもスーパーなボールだし、走りこんでマークを振り切ってミートした龍仁朗のヘッドも文句なしの美しいゴール。
ビハインドをセットプレーで取り返す、攻撃力に乏しいファジにとってはある意味最高の得点パターンでしたね。
これで苦境に立つのは山形。
冒頭でも触れたとおり、そもそもスタミナ面においてはファジに分があるので、時間が立てばたつほど状況は難しくなるのが山形のおかれている立場でした。


◎宮阪の投入と山形のフォメチェンジ


ファジがボールを回してスペースで受けることに成功し始めたのを見て、奥野監督が動きます。
右SHだった中島を下げ、アンカーに宮阪を入れ、右のインサイドハーフにロメロ・フランクをスライド。
ちょっと図にしておきましょう。なおファジはミム→クッキー。疲れが見え出した妹尾を下げクワシンを投入。


みやさかいん


奥野監督の宮阪投入の意図はコメからチェック。
Q:今日の交代のファーストチョイスが宮阪選手でした。久しぶりの登場でしたが、どういったところを期待されて起用しましたか?

●奥野僚右監督(山形):「宮阪君を入れることによって、中盤でのボールさばきとともに、アンカーの位置に入ってもらって、相手が少しボールが収まってきたところをケアしてほしかった。守備においては、そういった相手の収まるところ、2列目のところを潰してほしいというのと同時に、彼の持っているサイドへ散らす力であったり、それを積極的に生かしてほしい。それとシュート力ですね」



ビルドアップの改善とともに、空いてるスペースで受け始めた選手(主にシャドー)をケアしなさいと。
(主に黒丸のエリアらへんね)
後半なかなかボールホルダーにプレッシャーがかからなかったところもアンカーを置いたことで、秋葉・フランクが少々前目でもプレスにいけるようになったのは副次的な効果でしょうね。
また後方で宮阪がボールを落ち着けてくれるのでしっかりとした繋ぎをもう一度復活させることが出来、ファジはフォメチェンジがあった分とりどころを見つけにくくなりしばらく山形にペースが移る時間帯に。
この時間山形の選手はうまくボランチの背後やヨコで宮阪からボールを引き出していて、ちょっとファジとしては危険な時間帯でしたが守備陣が冷静にストップできたのが大きかったですね。


◎勝ち越し弾を手繰り寄せたkwsn・クッキーのポストプレイ


72分、ゴールキックからの展開で最終ラインとボランチのパス交換から前方のお膳立てをまつファジ。
ケータが右サイドの深いところでフリーでボールを持つところから攻撃が始まります。


kwsnクッキーの見事な連携


ボールの流れは、ケータ→クッキー→タナソー→クッキー→田所。
ケータがヘッドアップして前方の状況を確認するのにあわせて仕掛けたのがkwsnとクッキー!
前半から裏狙いを徹底していたこともあり、kwsnは裏へ浮きダマのスルーパスを要求するように斜めに走りこみます。
・・・・がこれはkwsn+クッキーコンビの狡猾なワナだったのだ!

kwsnが裏へ走ったことで、アンカーの宮阪やインサイドハーフの秋葉のところと最終ラインにスペースが広がる。
そこへkwsnと入れ替わるようにクッキーが降りることにより、433の泣き所であるアンカーのヨコのスペースにドフリーで受けることに成功したクッキーがポストになりタナソーに落とす。
それを見逃さなかったケータもGJだ。
逆サイドを見れば、田所は終始ドフリー・・・・!


タド再爆発


タナソーからの浮玉をCBがはね返したこぼれダマが転がり、クッキーがゴール中央へ折り返す。
転々と転がるボール・・・・そこにはやっぱいましたKARATEKAが!!
あの角度のない位置でボールを受けた田所は、迷うことなくなんと右足でサイドネット狙いのシュートをチョイス!信じらんないよ・・・・これはマジで脱帽です。想像を超えるアクションでした。
いやほんとスゲーよあいつ・・成長しすぎだと思う。


GKの手をはじき突き刺さった勝ち越し弾で山形を振り切りなんとか勝利!
相性のよい相手でしたが、こちらのWBをどう処理するのか?というテーマにそれほど障害となる対策を打たれなかったことで、最後の最後タドがヒーローになることができたなぁというのが感想でしたね。
ぶっちゃけファジは夏以降新戦力の獲得でまた変化が生じると思ってます。
これまでやってきた荒田を軸とした攻撃は維持できませんし、新戦力が来て変化するまでの過渡期が今の時期なんじゃないかなぁと。内容的にはそこまで良くはないと思いますが、うまくいかない時に勝ち取る勝点3はうまくいってるときのそれよりもおいしいのは確かでしょう。
セットプレーで流れを引き寄せられたのはやはり大きいですし、こういうゲームを増やしていきたいですね!



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