タイムリミットは65分 J2 第27節 岡山 vs G大阪 (1)

カンスタが満員になる。
このカードが組まれたときから、ある程度予想されたことではあったものの・・・
メインも・バックも人で一杯に埋め尽くされた光景は壮観というかなんというか・・・
ファジが岡山にあってほんとうによかった。でもこれをいつか自力で!
そういう思いを強くした一戦でありました。
ラスボス中のラスボス、G大阪をカンスタに迎え超満員のなか行われたこの試合。
アウェイでは1-1のドローと、ほぼ100パーセントに近いゲームプランの遂行率で勝点1を得たファジ。
この大一番で目指すはアウェイでのドローの再現+α。
代表組も復帰し、いよいよほんとうのG大阪を相手にはたしてどんな試合が出来るのか?
ある意味、ファジのJでの生きる道を確かめるには最高の相手だったと思います。


<スタメン>


vsG大阪(H)


<結果>


スタッツvsG大阪


◎長谷川健太監督の胸中を読む


前回対戦時、万博でドローとなったあとの記者会見でのコメントをちょいと拾ってみようと思います。


Q:岡山の印象について
●長谷川健太監督(G大阪):「非常にアグレッシブで真面目なチーム。誰がという選手がいる訳じゃないが、チーム全体、影山監督の元まとまっているチームだと思います。今シーズンは最終的に上位にいくんじゃないかと思っています」



お次はこの試合の直前のコメントから。


●長谷川健太監督(G大阪):「嫌なチームなんですよ…岡山は。前回も引き分けましたし。完全に崩した場面も何回あったか。難しいチーム。(また)そういう試合になるんじゃないですか」


正直ガンバとファジの実力差を考えれば、長谷川健太のリップサービスとしか思えなくって、あんまり真剣に受け止めていなかったんですが、この試合を見終わった後案外マジで言ってたんだな・・・と。
試合の内容に入る前に、今一度両者の違いを明らかにしておこうと思います。
まずガンバですが、説明不要の攻撃重視のチームで「とられたらとりかえせばいい」を地で行くチーム。
代表クラスの選手がゴロゴロいて、個の力も強力だし、この得点力はJ2じゃ反則だろ・・
26試合経過時点で、55得点はもちろんJ2ぶっちぎりの1位。1試合平均得点2.11(!!)
ただし・・・・運動量が多いチームではない、ので、後半の失速は十分ありうる。


これに対しファジは、J2で最も守備の固いチームで26試合で失点23。1試合平均失点0.88と今年も堅守が頼り。
しかし、得点力は非力で26試合で28点。持ち前の真面目さと、なにより他チームを圧倒する走力・持久力が自慢のチームなので、試合終盤までに勝敗が決することがなければあるいは・・・
という可能性は十分にあった。しかも今は真夏。真夏はファジのホームでしょう。
ジャイキリ成分多めで迎えたこのビッグマッチでありました。


仮にガンバの側に立ってこの試合を考えてみれば、あるいみガンバとは真逆のチームが岡山なのだという風にも見える。もしガンバの選手が疲弊する時間までに試合をあらかた決定付けることができなければ、ガンバが動けない時間は岡山の時間になってしまうだろう。動けるうちに安全圏まで逃げ切り、追撃を余裕もっていなすことがガンバにとって理想的なゲームプランでした。
そして、仮にリードを岡山に許した場合許していい得点は1点まで。
岡山に2点リード許せば、ガンバといえども(この状況下では)勝点3は難しい。
これが長谷川健太監督のこの試合に対しての本音の部分でした。
証言を参照してみましょう。試合後コメから。


Q:早い段階でフォーメーションを変えたことについて。
●長谷川健太監督(G大阪):「「あそこでもう1点取られたら、たぶんこの試合は終わっていたんで。中盤でなかなかボール奪取が出来なかった部分と、左の藤春(廣輝)をまったく生かせられなかった。そのへんで左サイドをどうにかしないと、早い段階で手を打たないとと。」



◎1トップ久木田vs今野、タテパス攻勢で手ごたえを掴んだファジ


ガンバは守備時、4-4-2のブロックでセット。
WBはSBが掴み、開く両CBは両SHが見る・・・けれどもブロックを飛び出してというわけではない。
左右ともに2vs2の状況が出来ているので、問題はインサイド。

問題はインサイド


インサイドにおいては5vs4でファジ有利なうえ、ガンバの2トップはあまり執拗にチェイシングしてこないので、ファジとしては後方からじっくり組み立てる余裕があったことは大きかったですね。
二川の交代まで、ボールはガンバが握るもののゲームはファジが進めるような流れになっていた理由は、ガンバの攻撃が個での仕掛け以外にうまくいっていなかったことと、
左サイドからのタテパス攻勢が効いていたことが大きかった。
前半10分のシーン、これは今野に防がれてしまったけれど意図が感じられるいいシーン。


ボトムイチェンジ


タダシと植田の間(左サイドの底)へ千明が降りるボトムチェンジ(最終ラインの変化)。
これにあわせて、植田は左サイド高めに上がり、クワシンは千明がいたスペースに入る。


前10G1


千明にボールが入った時点で、タドが中に入りその外を植田がオーバーラップ。
これでチェンジ後も前線に5トップ状態を維持
しかも、植田が上がったことや千明が体を左サイドのほうへ向けていたため、ガンバのDFは総じて左サイドへの展開を予想した位置取りをしている。そこへクワシンが落ちて、ボールサイドに寄るのにあわせボランチの明神がこの動きに反応。明神-遠藤のダブルボランチの間が広がり・・・


前10G2


ここで素晴らしかったのがクッキーのバックステップ。
元々CB西野の近くにいたんだけれど、千明が持ったのを確認するとバックステップで3歩ほど下がる。
これでパスの受け手を捜していた千明に久木田が認識され、ガンバが「左きそうだぞ」と思っているところへ予想外なタテパスがズバっと通り、ボランチのラインを突破することに成功したわけですね。
こういうのめっちゃ大切。これで千明-久木田ラインが成立。パスコースが出来た!
こういうパスコースにちょっと動いて受けるための準備を「(パスコースに)顔を出す」といったりします。
クッキーはCBに背中を向けたものの、ボランチの背後でボールを受けることに成功!
しかし・・・・相手が悪かった・・・
日本一のボールハンター今野がスルスルと忍び寄ってボールをかっさらってしまう。

クッキーのコメントを参照してみましょう。

●久木田紳吾選手(岡山):「今野泰幸選手はトラップした瞬間を狙うのが上手くて、そのトラップでかわせればいいんですが、なかなか上手くいかないところもあって。追いつきたいです。このレベルに。」

うまくはいかなかったけれど、クッキーのポジショニングの良さと千明との連携の高さを見たシーンでした。
今野じゃなければボールは取られてないシーンでしょうね。J2レベルなら問題ないです。


◎"NINJYA"が翻弄し、久木田が見せた思い切りの良さ


中盤でなかなかフィルターがかからないガンバを相手に大胆なタテパスを打ち込んでチャンスを作っていたファジ。そのよい流れで生まれたのが14分のクッキーのミドルシュートからのゴールでした。
クッキーのびっくりするくらいの思い切りのよさが実を結んだゴールでしたね。
その崩しもやはり左サイドから。


りゅうじろから


タダシから植田へ渡ったところで、クワシンが植田の真正面のタテパスの位置に顔を出す、これを察知して再び寄せる明神。しかしこれも釣り。クワシンがボランチを引っぺがしてしまうので、再びガンバのダブルボランチの間が間延びして・・・


くわしんにんじゃすぎ


左サイドへ振るぞ!と見せかけて植田は先の千明同様ズバっと、クッキーへタテパス。
クッキーはもちろんガンバのダブルボランチの門の真ん中へ降りてくる。
これを植田心理で考えて見るとkwsnの忍者っぷりがうかがい知れるだろう
植田「(タテパス出したい・・・けどボランチが間にいて邪魔だな・・・あれ?ニンジャに釣られて門開いてるやん!)」


クッキーだいたんすぎ


千明がクッキーの落としやすい真後ろにいたことが大きい。
受けるタイミングに良さがあるクッキーだけど、落としはまだうまくない。けれども、真正面に千明がいたのでワンタッチで落とすことに成功。千明も遠藤が寄せてきたのを感じてワンタチでクワシンに流し、クワシンが遠藤・明神をひきつけてラストパス。
あとはクッキーの思い切りの良いミドルがDFに当たってコースが変わり先制!!
前回対戦同様、いくつあっても困らないリードが手に入ったと。


◎二川交代による修正で勢いを取り戻すガンバ


得点後もファジの安定した守備にてこずっていたガンバは、なんと前半37分で左SHの二川を下げボランチに内田を投入。これにより遠藤を一列上げて左SHで442へ。
ファジが442に滅法強いのはこれまで何度もふれてきましたが、ガンバがこの試合442でスタートしてくれたことはこちらにとって最も幸運だったと思います。


ガンバは前線の2トップと、2SHが高い位置で4トップ気味に位置してたんですがこういう形がファジは最も守りやすいんですよね。マークがバチっと決まりますし。
それに加え攻撃に特徴のあるチームにありがちなことで、前線は高いけれど中盤や最終ラインと間隔があきすぎてなかなかいいボールを前線に供給できない難しさに陥っていました。
この交代で左SBの藤春が高い位置を取れるようになり、攻撃面で流れが変わったことと、内田を入れて中盤で厳しくボールにいけるようになったことで、守備面でも振り回されなくなったと。


そうして、前半終了の43分。
ペナ内でボールを受けた宇佐美が、相当狭いところからシュートを放ちウッズの手をかすめて同点。
まあ・・・しゃーないでしょう。こんなゴールなら。
ファジの守備が組織的に崩された、というよりは宇佐美の個の力にねじ伏せられた印象が強いゴールでしたし、同点になったとはいえ45分をリードさせずに経過させたことは持久力的な意味でウチの勝ちでしょう。十二分に後半に望みをつなげられる前半でしたね。


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