影山ファジの一番高いところへ J2 第30節 京都 vs 岡山

真夏の連戦2戦目。
前節、それ以前とこれからを分けるような素晴らしい出来で完勝したファジ。
あの試合がマグレやたまたまではなかったということ、こういう戦い方をまさにスタンダードにして戦っていけるのかを今後の試合で証明し続け、勝点を伸ばしていくことがいまこのチームに与えられた一番の課題。
残り試合の対戦相手ではポテンシャル的に千葉とこの京都が実力的にも抜けているチームですから、
京都相手にどのようなサッカーをできるか?注目の試合でしたね。


<スタメン>


vs京都(A)


<結果>


vs京都(A)stats


◎「クローズ」の京都と守備でのポイント


京都といえば大木監督、大木監督といえばクローズという特殊な戦術で攻守を展開してくるチーム。以前紹介したので簡単な説明にとどめますが、京都のクローズはボールサイドに人数をかけショートパスの交換と飛び出しが次々に連動して突破していく技術レベルのとても高い戦術。
ちょっと図を一枚。前半2分いきなりそのよさを出されクロスを上げられてしまったんですが、その攻撃の始まりのところを再現してみました。


クローズ


黄色の四角の上、つまり左サイドにだれもおらずボールの周りに5枚も人数がかかってるのがよくわかると思います。ファジは近藤やサワがマークに付く相手がいませんからボール周辺で人数が足らなくなる。
このように都に前を向かせて密集を作られると非常に厄介なのでなるべく前でプレスをかけていきたい。京引いてブロックで、というのはクローズには効果的ではないので前で問題を解決したいというのがポイントでした。後ろでハメるんじゃなくて前でハメこんで守りたいところ。
やっかいなのはSBのところで、ここにプレスがかかるかかからないかは分かれ目でした。


前半17分。この試合非常に厄介だった横谷の突破のあとから工藤の突破を許し不運にもPKを与えてしまい失点してしまうんですが、やはり京都の繋ぎのレベルはガンバ並みのものがありとてもクオリティが高かったですね。


◎良化の兆しを象徴するCKからの近藤の同点弾


やりたくなかった先制点を与えてしまった・・・・
しかし、これで気落ちするほどいまのファジの状態は低いものじゃない!
時間がまだ早かったこともあるでしょうが、精神的な動揺など微塵も感じさせずファジは同点を狙いにいきます。
素晴らしかったのは同点弾をすぐさま取り返したこと、それもCKで。
このCKでというのはとてもとても重要なことだと思います。
総得点の3割はセットプレイとはサッカーでよく言われることですが、ファジは総得点に占めるセットプレーからの得点が異様に低いことが攻撃面での大ブレーキになっていました。
それが、強い相手に追いつく点をCKから獲れた、いやとれるようになったんだからねえ・・・・こいつはデカイ!
形としては泥臭く押し込んだかっこうでパッと見マグレっぽい印象はあるんですがね、なかなかどうしてこれはしっかりと空中戦に勝利したが故に勝ち取った点であることが分かりました。


17分、右CKでキッカーは譲。
このCKでボールに絡んだのは清水と近藤なんですが、
両者ともボールが来るまでの動き出しで勝利してます。
譲が助走をつけている最中に、近藤はいったんファー(ボールから遠いサイド)に走り膨らみます。近藤のマークはSBの安藤なんですが、近藤が動き出した姿を確認するためにわずかにキッカーから目を離す。次の瞬間ではすでにボールは放たれているのですぐさまボールへ視線を移す安藤。
・・・・その隙を突いて近藤が僅かにフリーになりボールに触れて押し込んだ!と。

一方、期待の新戦力清水慎太郎。マークは横谷でした。
こちらも同様に助走の間にいったんファーへ逃げ、インパクトの直前くらいでボールに寄っていき軌道を見ながら鋭いサイドステップで横谷をいなすとフリーでヘッド!
しっかり当たっていたらそのまま慎太郎のゴールになっていたであろう見事な動き出しでしたねえ!


と、このように田所・島田らのキッカーの質の向上はすでにあったことなんですが、
合わせる側のほうの動き出しの質の向上がはっきり見て取れた素晴らしい同点弾。
この3シーズンなかなかセットプレイでの得点力に期待できずでしたが、ファジの選手って攻守ともにこの動き出しが本当にうまくなかったんですよね・・・・それが理由で守備はゾーンになったわけですし。
そのあたりにようやく良化の兆しが見えてきた!
得点力アップの底上げにつながる可能性を感じた同点弾でしたね。


◎大当たりのタナソーとシンクロの良さを感じさせる慎太郎


この同点弾の後、サワが足の違和感を訴えタナソーとチェンジ。
おそらくタナソーにはSBのところしっかりプレスかけるようにと伝えられていたんじゃないでしょうかね。
右も左もSBがボールを持ったとき厳しい寄せが出来るようになり、ファジのプレスの位置が高くなり、京都はやや攻めあぐねるようになります。
サワの負傷交代は心配でしたが、久々に登場となったタナソーは大当たりでした!
22分、右サイドのスローインを譲が流し右コーナー付近のカドで慎太郎がタメを作ると、
内側を快走してきたタナソーにパス、これをペナで受けたタナソーが折り返すと相手の手にあたりハンド、PK!
これを慎太郎が落ち着いて決め、1-2で逆転!
移籍後初ゴール、おめでとう慎太郎!

43分には、SB福村にタナソーがかなり高い位置から寄せミスパスを誘うと、これをkwsnが拾い再びタナソーへ。
このゴールはほんといろんなよさが詰まったゴールでしょう。


守備力を攻撃力へ


まず前からの守備で高い位置でボールを奪えたこと。
京都の右SB安藤の位置を見てみると、京都は攻めにかかるところでしたからかなり高い位置にいますよね。
ところが、ファジに高いところでボールを奪われてしまったので戻るにはあまりも遠いところにいます。

そして、タナソーのもう一つの隠し味、ラストパス性のふんわりクロス!
これ以前放送でも取り上げたんですけど、タナソーって突破してクロスだけの選手じゃないんですよね。
サイドで収まってルックアップして最終ラインとファジの前線の具合を見ながら、ラストパスっぽいクロスが上げられるんですよ。以前からちょくちょくやってたんですが、ようやく点に結びついたなあと。
(ちなみに後半72分にも同じような角度から譲にあわせ決定機演出、得意なんだなこういうの)

そして、慎太郎のポジショニング。
タナソーがヘッドアップしたのを見て、いったんファーに逃げると見せかけてマークについていた酒井を外へ広げ、まんまと2CBの間でボールを受けることに成功。ハイボールのコントロールが高くなって自分でシュートにはいけなかったものの・・・・石原が詰めて豪快な今季初ゴール!
やっと決めたか石原!!(笑)


1点目も重要ですが、この3点目も同じくらい重要なゴールではないでしょうか。
夏の真っ盛りとはいえ前から厳しいプレスに出て行き、ミスをかっさらって素早くショートカウンター。
各人のプレーどれも見事ですし、どちらのゴールもニセモノ・マグレでは決してない。


それにしても、清水君はええ買い物じゃと思うわぁ・・・・・
借りてきた選手というとどうしてもケンゴのことがありますが、
まだ一試合しか見れてないにもかかわらず「ファジにフィットするかどうか?」という点ではケンゴの上いける可能性は十分あると。そういう相性のよさを感じた内容でしたね。
プレースタイル的には周囲と絡みながらというタイプで決してゴリゴリのストライカータイプではないですが、
1トップと2シャドーおよびWBの絡みがそもそものファジの持ち味ですから、
周囲をうまく生かす志向の強い慎太郎にはやりやすいのかも知れない。
残念ながら残された時間はあまり長いとはいえないので、正直どこまでコンビネーションを作れるか不安ですがこいつはいいFWが入ってきてくれたなと思います。彼はあたりだ!


◎前がかる京都粘ってカウンターのファジ


後半に入ると、2点差を取り戻さんと京都が前に人数をかけ後ろは3枚・前7枚くらいで攻勢に出ます。
ガンバでさえ前半で2点リードは嫌がったファジの守備力を考えると、京都としてはこの展開はかなりキツいなというところでしょうが、前に行かなければ取れませんからね。
55分に原を投入し、駒井をSBに下げ前に人数をかけた分後ろは薄くなるものの、
京都の攻撃の枚数に対応しようとファジの守備も後ろに枚数を咲かれる格好になりしばらく京都ペースですすむ後半でした。


ちょっと状況を整理すると、後半64分の状況。


後半の状況


ファジは慎太郎を下げ、クッキーイン。京都はボランチの秋本を下げFW三平を投入。
相手の圧力があるのでラインが下がりましたが、京都の背後には広大なスペースがあり、ここへ足の速いクッキーをはしらせれば・・・という状況ですね。後半はおおむねこのような図式で進みます。
67分には3度目のPKで2-3と詰め寄られるんですが・・・


◎スペースを得て輝きを増すファジ攻撃陣


前半になかなか得点の取れないファジですが、
リードして後半に入ればこのようなシナリオもあるのだよというのがこの試合のポイントの一つでしたね。そもそもファジの選手はスペースのない(相手が守備に注力できる)状況ではなかなか崩せないのがこれまででしたが、このように相手が前に来て後ろを空けてくれるのであれば話は別で。
特に石原なんかは長い距離を走れば走るほどメリットが出る選手ですし、余裕をもってプレーすればファジの選手だって十分スキルを発揮できるんですよね。正直クッキーにはもうちょっとがんばってマイボールにして時間作ってカウンターの礎を作って欲しかったところでしたが、彼はカウンターでの抜け出しでCBバヤリッツアを退場に追い込みます。これは勝負を決定付ける退場劇でした。
それまで、前に人数をかけたもののファジの守備を崩せたとはいえない京都でした。
そこからさらに1枚人数が減り、攻撃にかけられる人手が減っちゃうわけですからね。
ある意味、守ってカウンターの格好に持ち込んだファジの優位性がズバっと出た一幕ではないでしょうか。


この退場の後、疲労により運動量の減った京都は動き出しが減りボールを満足につなげなくなります。
しかがってロングボールが増え、彼ららしい攻撃がなりを潜める・・・・うん、勝負あったな。


82分には、上の図のようにボランチとCBで奪ったボールをオープンスペースへ展開。
それを収めて時間を作ったクッキーに、交代で入ったミンキュンとタナソーが絡み、タナソーから石原へ。
石原が素晴らしい反転からこれまた素晴らしいクロスを送り、走りこんできたのは島田譲。
ワントラップからGKのまた抜きのシュートを流し込み、譲プロ初ゴールで2-4!!
まさにダメ押しとなるキレイなゴールで京都を突き放すと、充実した内容で2連勝!
順位も再び7位にもどし、いよいよ本格化の気配を感じさせる勢いがチームに出てきました。


◎一過性の勢いではなく本当の強さを


ということで、東京V戦につづき2戦続けて素晴らしい勝利を飾ったファジアーノでした。
前節ではアグレッシヴな守備でほぼ何もさせずに勝てたことがありました。
そして今節では、セットプレイの良化、前プレからのショートカウンターの達成、新戦力の活躍(金民均、清水)、カウンターの確実性の向上と内容的にも充実してきたなー!という実感はあります。


とくにセットプレイ、カウンターの2点についてはそれがショボかったために成績の伸び悩みを招いた要因でもありましたから、ようやくモノになってきたか!となんだかほっとする気持ちですよホント・・・・
もちろんこの2試合の根底にあるのは、走り倒すチームの基本の部分ですが、これをどれだけ維持し当たり前のことに近づけていけるか?がカギになってくると思います。
東京V戦は彼らにとってスタンダードの試合にしなければならない。
「あれくらいファジはやるよ?普通に」
とならないのであれば、うだつのあがらぬ中位病に再び転落するだけのこと。
なんとしてもこの勢いを本物の力に。


本音を言うといまのファジが、


3バック移行後のこの3シーズンで最も強いファジになりうる


のではないか?と思い始めています。理由は2つ。
・すでにJ2の各チームが岡山がどんなサッカーをしてくるか熟知し対策を施してくる段階を経ている事
・ここ3年で選手層が今最も厚い陣容になっている事


昨年まではまだまだファジ対策が甘いところが多かったけれど、今年はそうではありませんでした。
ミンキュンはもとより、慎太郎はあたりですし、まだまだ押谷、妹尾、関戸、三村、荒田とケガ人の復帰を考えると、前線の選択肢の多さに驚くばかり。


さあ次は栃木。強いチームには必ず連勝があるものです。
絶対に勝利して、この勢いを本物にしにいきましょう。


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