ふたを開けるとそれはダービーでした J2 第21節 岡山 vs 讃岐 (2)

さて、まずはカマタマの攻撃そしてファジの守備について見て行きましょう。
とりあえずお互いのフォーメーション図をもう一度ペタリ。


◎3421vs4141


vsカマタマ(H)


策士北野はファジ対策として、3421のファジとはミスマッチになる4141を採用してきました。
実は攻撃時には4141なんですが、守備には一工夫加えてあり、両SHの関原・小澤は最終ラインの脇まで位置を落としてきて・・・・守備はあとでやりますが先に図だけはっときましょうね。


6-1-2-1.jpg

こんな感じに守備の時には6バック化して、そのまえにひし形の4枚がのこる形になります。


試合の詳細については作戦ですからね、基本的には細かくインタビューで答えてくれようはずもないですからこちらがゲームを見てそれを読みこんで推察していくしかないのですが、北野監督のこのコメントには狙いがよく表れていると思いますので、試合後コメより拾ってきますと。

Q:岡山という守備の固いチームから2点を奪った。どういうところをついていく戦術だったのか。
●北野誠監督(讃岐):「見ての通り、岡山さんはすごい走るけど、今日走れましたか。なぜかというと、道がないと走れないんですよね、車もバイクも」


ずいぶん砕けた話し方をする監督さんだなあと思ったんですが、堅苦しくとっつきにくい言葉をつかわずになるたけイメージしやすい言葉で会見してくれるところは好感が持てました。
この岡山は走る、ならば走らせなければよい。というアイデアは、この試合を通じてのカマタマの基本姿勢であって攻守ともに徹底されていたと思います。ファジは走れないから、いや走らせてもらえないからこそ苦しんだともいえるかもしれませんね。


◎ミスマッチが顕在化するカマタマの後方からのビルドアップ


カマタマはファジに走られたくありません。いや、どうせならムダに走らせてしまえ。
ファジは守備時、最終ラインを高くして、前線からプレスを行い高い位置でボールを奪うことをねらっています。
となれば、カマタマとすればファジの前プレをいかにして回避するか?が鍵になってきます。
前プレはボールを回す敵に、継続的に1人1殺でプレッシャーを与え続けてボールを奪う、あるいは奪えなくても相手のプレーの選択自由度を下げ他の味方が奪いやすくする守備です。大事なのは、相手のボール回しにファジのプレスにいく頭数が合うこと、継続的にプレスをかけられることです。
カマタマがボールをもって後ろから繋いでくるとき、ファジのフォーメーション上いかなる問題点があるのかを図で見てみます。ここには何故北野監督が(練習でもさほどやってないという)4141を採用してきたのか?の答えの半分があります。


カマタマビルド

マッチアップをみていくと、ワントップの木島にはケータ。ダブルボランチは相手の3センター(高木、大沢、山本)のうち2枚をみます。そして通常のファジの約束事で行けば、両WBは相手のサイドの一番高い選手を掴むので、ミム⇔関原、タナソー⇔小澤になってますね。これも北野監督に逆手に取られた約束事です。
カマタマは4バックの距離を出来るだけ離してピッチを大きく使い、アンカーの山本含め後ろで5枚確保します。
さて、話は前プレ。ファジは前線の3枚が連動して追い込み奪いたい守備です。
・・・・・が、カマタマ何枚いるのよ・・・?5枚?・・・5-3=?・・・・・・足りない。
これだけピッチをワイドに使われたうえ、アンカーという逃げ場すらあるのに前プレを成功させるのは相当至難のワザ。
試合中ちょくちょくみられたシーンですが、シャドー⇔相手のSBのところがどうしても距離的に間に合わなくなるので、シャドーの選手がWBの選手をアテにしてプレスに追加で参加して欲しがっているシーンがありました。
5-3ならノーチャンスでも、サイドを限定すれば4-4に持ち込めるかもしれない。ところがそれはムリゲーでした。
今の話を図でやるとこうなります。

ピン止め効果


山本は諦めたとしても、もし沼田(SB)にWBのタナソーが付くことができれば4-4=0でプレスがかかる可能性はある。
ところが、もしそうしてしまうとわざとタナソーに食いつかせていた小澤がドフリーに・・・・
それはできないので、タナソーは約束事を守り小澤を見ることになり、やっぱりカマタマのビルドアップに上手いこと計算をあわせてプレスをかけていくことが出来ないってことになってしまうと。
さて、頭脳明晰な我らがえーちゃんがこのあたりのことをコメントしていますね。

●片山瑛一選手(岡山):
「前半は前線から追って、限定できなかったので、やりにくい部分はありました。相手が人数をかけた中で回しが多くて、ワイドがなかなか守備に前に行けなくて、前の3人が押し込んだ中でのプレーが少なかったかと思います」


ワイド(WB)は足止めされていてプレスに追加戦力として参加できない難しさがあったと。
たらればはアレですが、あえて言えばクッキーのCBとしての経験値不足を狙い撃ちされたフシもありここがしょーまであればどうなったろうか?というのは面白い考えだなと思います。


◎シンプルな裏狙いでリスクなくボールを捨てるカマタマ


5-3の引き算で後方でボールが持てることが確定したカマタマ。
これで組み立てを始める土台は出来上がったわけです。
で、さっきのファジを走らせなければよい。の姿勢第二段ですが、おそらく北野監督はショートパスの繋ぎのミスや、ファジのチェックにより中盤で不用意にボールを失うことを警戒していたのではないか?と思います。
というのも、トランジション(攻守の切り替え)の早いファジに対してうかつに高い位置でボールを失うと切り替えの早さで置き去りにされ遅れてしまう可能性があると。
フォメ上の問題でいまいち守→攻のクオリティがだせないファジのトランジションですが、走力は知っての通りですからね。
カマタマは攻撃するとしても、なるたけリスクを抑えてリーズナブルに攻めたい。
渡りに船だったのが、ファジのラインの高さでした。


時折浮いた高木がうまくつなぎ役になって左SHの小澤の裏抜けをねらうシーンもありましたが、ファーストチョイスはやっぱりキレのあるベテラン木島。カマタマの4バックプラスアンカーの5枚は、高いファジのラインの裏のスペースへロングボールを供給する砲台となっており、その発砲を止める術はファジにはない。それは上記の通りでした。
となれば、押し込んだ場合をのぞいてカマタマは裏をロングボールでねらい放題になって木島の早さが危険な雰囲気をかもし出していました。

裏

相手が高さ頼みで蹴ってくる場合には、テツや龍仁朗がいなくなって低くなった最終ラインでも致命的な欠点とはなりえていませんでした。しかし、これだけラインを上げての裏狙い。ボールホルダーにプレッシャーがかからない状態です。一本良質なフィードと良質な飛び出しが合致してしまえば、それだけで失点の可能性は十分にあります。
そうして、ファジはロングボールを蹴られては自陣ゴール方向に戻りながら"走らされる"守備に終始せざるを得ず。いつまでたっても主体的にボールを奪う守備が出来ない状態に陥ってしまった。


攻撃に人数をかけているわけでも陣形を崩して攻めているわけでもない。
攻撃にリスクは付き物ですが、そこをなるたけ少なくしてまさにリーズナブルな攻撃でなおかつ裏一発ホームランもあると。
くう・・・・・書いていてまた悔しくなるくらい思う壺じゃないか・・・(笑)

●北野誠監督(讃岐):「今日は、相手との駆け引きの部分ではうちの方が勝っていたし、さっきも言ったんですけど、選手の表情ですよね。岡山さんはうちに対して、つけなくてオドオドしていた」


ファジに限った話ではないんですが、自分たちのプランどおりにすすんでいるときチームのメンタルはアガり生き生きとチームは動きます。これは攻撃でも守備でも同じことで、相手の意図を上手いこと先回りして封じていくことを続けていると、攻めてるほうはどんどんリズムを失い、一方で守備側はどんどん勢いづくもんだと思います。
そこへいくとこの試合では、ほとんどの場面においてカマタマの戦術的な狙いをくじくような対抗策が示すことが出来すに、ピッチの上で選手たちは困惑(オドオド)し、前プレにいく前線と裏が怖い最終ラインの意思はすれ違ってしまう。


いつもどおりのファジを逆手に取った北野カマタマの生き生きとした攻撃が目立った試合でしたね。
さて、次はファジの攻撃-カマタマの守備をみていきたいと思います。


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