ふたを開けるとそれはダービーでした J2 第21節 岡山 vs 讃岐 (3)

それでは、続きましてファジの攻撃-カマタマの守備の話をしていきたいと思います。
前述の通り、カマタマは攻撃時に4141、守備のときは両SHを下ろしてきて6121の6バックに変形します。


◎フォーメーション-カマタマの6121


6-1-2-1.jpg


ファジがボールを保持しているときに、常にこうなってるわけではなく4141になってるときもありましたが、だいたいはこのような陣形で、とにかく最終ラインでファジの選手が浮かないように、マークがズレないように人数をかけた守り方になっていますね。今回のカマタマは6バックでしたが、これはイメージとしてはミラーゲームのときの523での守備と似たイメージで考えていいと思います。

6バッ

5トップ化するファジの前線に対し、相手は6バックですから5枚つけても1枚余ります。
こちらは上田-千明のダブルボランチですが、CBを放置すれば、それに対しては2枚が見てもまだ一枚山本は余る。
前線は枚数が足りてないので、ファジのボール回しはとめることはできませんが、そのかわり後ろの枚数にはゆとりがあり、人多すぎで中央はスペースがほとんどありません。


◎讃岐式6バックによる3点ロックにてこずるファジ


カマタマが練習であまりやってなかったという4141を導入してきた理由のもう半分は、この6バックへの移行のしやすさがあると思います。後ろを6枚にすることにはちゃんと意味があって、ファジのよさを消すために必要な枚数でした。
じゃあカマタマが消したかったファジのよさとはなにか?
それは、ボランチからのタテのクサビをフリックして連動して崩すインサイドアタック
そして、サイドアタッカーのタテの突破力を生かしたサイドアタック
この2つを上手く押さえ込まないことには守りきれません。
そのためには、ボランチ、両WB、シャドーの3点ここをうまくロックしてしまわなければなりません。
ではまず、シャドーのところから見ていきましょう。


◎ロック① マンマークによってギャップ利用の難しかったシャドー

(GKが八田になってますが、24瀬口の間違いでしたスミマセン)
ファジのシャドーがいききプレイするためには、ギャップ(相手のマークのつかないポイント)を上手く使う必要があります。エリアを移動してそういうスポットに顔を出したり、オフザボールでの動き出しでマークを剥がしたり、方法はいろいろありますが大事なのは相手から"浮いて"前を向くこと


4vs3.jpg


カマタマは元々4バックだったものを中央に集めて6バックを形成してます。
こちらの1トップ・2シャドーに対しては4対3になりますから、仮にこちらの3枚にそのままマンマークをベッタリつけてしまっても最終的には1枚は後方に余るわけですね。守備での数的優位は確保されている。
だから、カマタマの最終ラインはシャドーがクサビを受けに落ちたとしても遠慮なくついていってかまわんわけだ。

motiba.jpg


カマタマの守備者は少々降りてポジションを下げても付いてくると。
これはシャドーを務めたオッシー、えーちゃんもなかなか難しかっただろう。
仮にスペースでボールを受けたとしても基本的にマークマンがボーっとでもしてない限りフリーになることはありえないし、スムーズに前を向ける展開は望めないのだから。この日のシャドー2枚は、FW-FWの組み合わせでどちらかというと後方からのボールの引き出しに長けた組み合わせではなく、キャスティングの面でもやや向かない展開を強いられてしまった感は強い。でもまあそこはしゃーない。
影さんの判断で調子いい選手を起用しているので、こういうことは起こりうるからね。
マンマークをつけることで、受け手としてのシャドーに制限をかけたのがカマタマの第一のロック。


◎ロック② サイド2枚封鎖によるWB殺し


かつて田所・澤口で両WBを組んでいた頃には「ウチにもミキッチがほしい・・・」とジリジリした気持ちを抱えたものでしたが、今年ブレイクしかけのミムが左WBで低位置を確保したことで、左右両サイドともにタテの突破力を生かしたサイドアタックを展開することが出来るようになったファジアーノ。とても大きな成長だと思います。ミムのクロスにタナソーが飛び込んで、というゴールもありましたがとても印象的でしたね。
とりわけミムはあの旋回性能に優れたドリブル、初速のバカっぱやい突破でもってサイドの深いところを制圧するシーンが多く。相手としては厄介極まりないWGに成長しています。当然、ここを好きにやらせてしまってはいけない。
もはやミムに1vs1では危険です、やはり1枚では足りない。2枚は欲しいところです。

1vs2.jpg

うん、ちょっとみづらい絵になりましたね(笑)
康太からミムへパスが出て、ここには相手の関原がついています。このままであれば1vs1なので、ミムが止まらない可能性は大ですね。なので、ここの自由を制限せねばならないカマタマはSHとSBをミムのサイドへ押し出して2枚体制を確保します。そして最終ラインがボールサイド(ボールのあるサイド)へズレると。


ミム封鎖


その結果、ミムに対して関原・武田の2枚によりタテのスピードは抑えられ、脅威はかなり軽減されることになりました。それでもクロスを何本かあげきってましたし、あわやというシーンを演出したミムのパフォーマンスは素晴らしかったと思いますし、正直ミムなら2枚でもなんとかしてしまうんじゃね・・・?感はあるのが頼もしいところ。
もしかしたらカマタマにとってはミムが一番不確定要素だったかもしれませんね。ちょいちょいやられはしましたが、結果的にはなんとか抑えることができたってところでしょう。
しかしながら、これがミラーゲームならそうはいきません。なぜならWBミムに対することが出来るのは相手のWB1枚だけだからです(基本的には)。つまり1vs1になってしまいます。それならミムでしょ。
その辺考えると、だからこその6バックだったのかなぁとも思う采配でした。
このように両WBのタテへの突破を6バックのスライドを使って、サイド1vs2を作り封鎖したと、これがカマタマの第2のロック


◎ロック③-あわせ技でのボランチの展開制限


シャドーにマンマークを付け、受け手としての自由を制限し、WBのタテ突破については6バックのヨコスライドで数的優位を作ってストップする。
結局、ボランチより前にいるアタッカーはことごとくプレーの自由度を制限されているのがこの試合の攻撃での難しさでありました。
康太や千明は当然、自分たちの崩しのスタイルの起点となるパスを出したい。
しかしながら、中も外もマークに見られていてそこからよい展開を引き出せそうな糸口が感じにくい状況でした。


だしにくい


その上、相手の山本・大沢・高木はこちらのボランチのパスコースを切ることに集中して取り組むことが出来る
なぜならば彼ら3人と最終ラインで浮いてめんどうな存在になるはずのシャドーはマンマークが付いてますから、山本・大沢・高木は後ろのことは後ろに任せてしまやいいってわけです。
この試合特別にマークをつけられて康太・千明にべったりだったわけではないですが、相手の中盤3枚が前を向いて前に集中して守備してくるので非常にやりづらかっただろうなと。
タテがダメならと、サイドに逃がしてみてもWBには相手のSHがフタをしてますからなかなかボールを前に運べない。
ボランチからはなかなか展開するのが難しい試合でしたね。
特にこのチームで最も危険な男である上田康太が高い位置を取れないシーンが多かった。
上田康太を遠くに遠ざけられてしまったのがボランチからの展開をさらに難しくされた印象でした。


◎相手の好循環を打ち破れ!


長々とみてきましたが、このように攻守ともに北野プランはバッチリハマっていて、かなりキツかった・・・
こちらは、難しい攻め→ボールロスト→難しい守備→ボール回収と、ネガティブなサイクルでボールが回る一方で、カマタマはやりやすい守備→ボール回収→やりやすい攻め→ボールロストポジティブなサイクルでボールが回る試合でしたから、なかなか主導権を奪い返すことが出来ませんでした。
カマタマは無失点であれば、延々とこのサイクルをまわしていけるのでやはりどんな形でもいいから先制点を奪うことができればそこを一気に崩せる可能性があったと思います。
得点によらない形でこのサイクルを崩していくには、例えば守備時に相手の狙いである裏狙い対策でラインを下げむやみにプレスに飛び込みに行かずにコンパクトに後ろで守りカマタマの攻撃のリズムを傷つける。
攻撃のほうでは、相手は「ボールまわしたいんならいくらでもやればいんじゃね?俺ら後ろ固めるから」ってことなので、それに乗ってダラダラヨコパスを繋ぎ、前4枚をひたすらムダ走りさせ(夏ですしね)るとか。
あるいは久保の高さをCBにぶつけないで、高さで勝てる相手と競らせそこへのロングボールを起点とするとか、少し角度の違った攻撃を展開すれば相手の守備のリズムを乱せたのではないか?と思います。
いずれにせよ、サッカーも流れのスポーツですし相手の好循環を打ち破る策がみたかったなぁというのがこの試合の残念なところでした。


最後の最後で勝つ経験値の浅さを露呈したカマタマの姿もある。
一方で、ダービーになると最後の最後鬼のマクリを見せるファジアーノの底力。
ダービーのスタートとしてはほんとに劇的な試合になったなと思います。


この試合ね・・・・ほんとにほんとに悔しかったので。
8月の丸亀決戦では北野監督に「完敗でした」と言わしめるような内容も結果も伴ったゲームを期待したいです。
ファジアーノこんなもんじゃないよ。もっともっと出せる力があるのは十分知ってるつもりだ。絶対勝とう。


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