J2第3節 vs京都サンガ レビュー 『もったいないけど、期待感』

まずまずのすべりだしとなった開幕2戦。
前節に引き続きホーム連戦となった第3節の相手は京都サンガ。
よくよく考えてみれば、山口(初物)、千葉(つよい)、京都(つよい)、水戸(鬼門)とこの4試合ってけっこうエグい顔ぶれだったり。
しかもその次は北九州ですからね。まあ組しやすい相手なんていないんだけども。
ここまで1勝1分と負けなしできてるので、勝点を稼ぎつつチーム力を向上させて連勝できる力を蓄えたいところであります。
京都も昨季は苦しんだけれども、やっぱりこのリーグでは上位の存在。
チームが出来上がってしまってはかなり難しい相手になるので、今のうちに叩いておきたい試合でしたね。




<スタッツ>



3節スコア

3節スタッツ


<フォーメーション>


3節フォメ

・ファジアーノは3421
・サンガも3421



<ハイライト>





◎前後半を通じて



京都はこの試合3421の布陣を敷いてきました。
こちらも相手も3421同士ということで典型的なミラーゲームの展開で進んだ試合でしたね。
前半立ち上がりこそ京都ペースで始まったものの、時間が経つにつれて3421の習熟度の差ファジの京都対策が色濃くゲームに反映されることとなり、ほぼファジアーノペースとなった前半。ピンチはほとんどなくて、逆にチャンスがいくつか作れていた。ペースをつかんで攻守ともにいい感じでサッカーができていただけになんとか前半のうちに1点が欲しかったところでした。0-0で前半終了。
一転して後半は激しくスコアが動く展開に。
修正を加えた京都の出方を見定めるまもなく右サイドを突破されイ・ヨンジェに左足を振りぬかれビハインド。
しかし、高く評価したいのはその後の振る舞い。あせることなく、やるべき事を着々とやろうとするファジの姿には焦りなどバタついた雰囲気はまとわりついていない。66分には、タダシのクロスに大介が飛び込んでシュートを押し込み同点。
その後も後ろでボールを動かして攻め立てると、交代出場のトヨがヤジトヨコンビで逆転弾を蹴りこみ2-1。やはり底力あるよこのチーム。
81分には相手CBの菅沼が退場し京都は10人に。
これはもらった・・・!はずなのに・・・・
一人少ない京都パワープレーから石櫃に押し込まれ同点・・・・。
一人少ない手負いの京都を撃ち洩らしてしまう大失態を演じてしまうとは・・・・
勝つ資格のあるサッカーをし、スコアも実際逆転したのに勝点は1で留まる、と。
内容的にあまりにももったいないけれど、期待感も十分抱かせてくれる試合だったと思います。
失点が3試合で4とちょっと多すぎるのでまずはそこを修正しないと勝ち点が伸びないだろうなと思いますが、一方得点は取れているので今後には明るい材料だなとも。あとセットプレーもまだ点にはなってませんがかなり改善されて得点の可能性を感じさせるものになってきています。まーまだまだじゃけど、多分もっとよくなるだろうなと。開花を楽しみに出来るチームにはなっとるなと思いました。



◎ミラーゲームで水を得た魚のファジアーノ



この試合ミラーゲームになって攻守ともに水を得た魚のようにのびのびとサッカーが出来たファジアーノ。
ここまでの2試合とはどう違うのか?それから京都のどこを狙って試合をしていたのかを見ておきたいと思います。
注目したいポイントは3つ。
・ミラーゲームでのギャップ利用
・ミラーゲームでハマる前プレ
・京都の弱点を突いた巧みな攻撃

まずは、その前提となるミラーゲームだとどうなるのか?のおさらいからやっとく。


ミラー


このように、ミラーゲームだと誰が誰を担当するのかハッキリする特徴があります。
こういう状態を”マッチアップする”状態と言ったりしますが、基本どこにボールを出しても”マッチアップ”してしまうので、自由に前を向いてプレーさせたければマッチアップをはがす工夫が必要になります。
そこでクローズアップされるのが、ビルドアップを助けるシャドーの仕事ぶりです。
実際の試合からの引用ではありませんが、たとえばこんな形。

落ちるシャドー

大介の担当は上の図でいけば下畠なんですが、大介がトップの位置からMFの高さまで”落ちて”いくとそこにはついていきません。それゆえ大介は下畠のマークをはがすことが出来、いい形で前を向けるシーンが作れるわけですね。こういうマークしたいけど、できないエリアのことを”ギャップ”といいますが、こうしたギャップ利用についてはファジのほうにかなり分があったなあというのがこの試合の感想でした。一方京都の方もこうした動きを狙ってなくはなかったんですが、その一個前の組み立ての所で自由があまりなく、腰を落ち着けた攻撃を出しにくい状態になってました。
それはなぜか?
今季初めてファジの前プレが効果的に作用したからだと思います。


これまで2試合でファジの前プレがうまくいかなかった最大の理由は、SBゆるゆる問題があったからでした。
前から追いかけても、4バックの相手だと4:3で枚数が足りずにSBまでどうしても手が回らない。ところが・・・・

3:3

ミラーゲームだと相手のボランチが落ちて4バック化でもしない限り3:3で数的同数です。
これならばSBゆるゆる問題のような数的な問題は生じませんし、ちゃんとプレスにいければしっかりと成果が出るので空振りを恐れずドンドン出ていけます。このあたりの状況の違いはメンタル的にかなり追い風になっていただろうと推察します。こうしてファジの前プレが効果を出しはじめると、京都の最終ラインには余裕がない状態に追い込まれますから、当然最終ラインからいいパスが出てこない状態になり、しっかりとした攻撃の作りが出来なかったと。おまけに”ギャップ利用”もそこまでじゃなく、京都のWBはスタートポジションが高いのでCB陣にパスコースの選択肢を減らす(出したくても遠すぎて出せない)格好になっていました。こういった問題の解決策をもっていないところを鑑みると、やはり京都の3421は急仕込みな印象がぬぐえないかなと。


また京都の守備は前線からあまり厳しくこないので、こちらのCBやボランチといった出し手に自由が比較的あることが多かったですね。それとあわせて京都の最終ラインの裏狙いが奏功して、CB→WBとかボランチ→シャドーとかが走りこんでそこにパスをあわせる攻撃が効いていました。
たとえば、20分のこんなシーン。


DSKからオッシー

先ほど触れたとおり大介が一列落ちてMFの高さでプレーしてますね。
そこに、京都の前線のユニットの緩慢な守備があってこの高さで伊藤大介がフリーになってしまう。
大介のようなプレイヤーに自由を与えると、ボールは出てきますからオッシーも息を合わせて裏抜け敢行と。
このように京都のゆるい守備を逆手にとって、大介や矢島がギャップに入り、裏へどんどんボールを流し込んで行くことでうまくファジの攻撃が回っていたなと思いました。これで点さえ入っていれば文句ない展開だったんですがねえ・・・・




◎京都の修正に後手を踏んだ1点目の失点



上記のとおり京都はビルドアップがうまくいっていない。
なのでこちらの前プレをうまく回避する事ができずに攻撃が組み立てられない問題がありました。
これに対しHTをはさんで修正を加えてきたんですが、その一発目のプレーで見事に点に結び付けられてしまったのが先制点のシーンでした。イ・ヨンジェの見事なゴールでしたが、そこに至るシーンに前半とは違う明らかな変化が。


石ナントカ


スタートはこんな状態で、前半同様ファジは前プレ。京都は前半この状態からうまくボールが動かせませんでした。
ここから染谷→菅沼→石櫃と渡る事になるんですが、これは前半ぜんぜんやってなかったパターン。
京都のWBはマイボールになると高い位置を取るので、ビルドアップに参加しませんでした。ところがこのシーンでは・・・・

石ナントカ2

石櫃が落ちる動きでCB菅沼へパスコースを提供します。それと同時にWBえーちゃんの背後にスペースを得る。

石ナントカ3

石櫃からトライアングルにイ・ヨンジェ→有田と渡って、右サイドをキレイに攻略。
こちらの前プレをいなされて、京都の攻撃のスピードを遅らせることが右サイドでぜんぜん出来なかったので、クロスがあがった後ファジの中央はスカスカで戻りきれずにズドン!と。京都としたら修正した一発目で大当たりを引き当てた格好で、ファジとすれば出方を見定める前にやられてしまった形になりましたね。



◎もったいないけど、期待感



この試合は大変残念でした。この展開で勝てないのはいただけない。
選手もサポーターも大魚を逃してしまった感を禁じえない一戦になりましたね・・・。
しかしながら、試合を見ていてポジティブな点をかなり見つけることができましたのでいくつか言及しておこうとおもいます。
季節はこれから春へと向かいますが、きっとファジアーノもまだまだ冬から春にさしかかる段階にあるんだろうなと。


・赤嶺中心の攻撃陣の進歩
今年いまだに得点はありませんが、やはり赤嶺が大駒としてトップに鎮座してくれることは相当大きいと感じています。
高さがあり、ボールも抜群に収まり、落としもキレイとポスト役としても十分に働いてくれています。彼がいるからこそ他のシャドー、オッシーであったりトヨであったりが特徴を出しやすい環境にある。他の選手との連携面でも改善がかなりみてとれるので、そのうちゴールを見せてくれるだろうなと思っています。それにしても、今年の前3枚は特徴が豊かで見ていて面白いですね!
収まる赤嶺、スピードのオッシー、中盤ライクな大介と三者三様で、バランスがいい


・伊藤矢島のダブルプレーメーカー
現状のファジは3421というフォーメーションですが、実質的には3412で前線は赤嶺と相方の2トップトップ下に大介を置いたような形になっていると思います。矢島・伊藤とパサーとしてのスキルが高い選手が前向きでボールを持つと、どんどんいいボールが出てくる、それが非常に良く出ていたのがこの試合だったなと。とりわけ、伊藤大介の活躍はめざましいものがあります。ビルドアップのフォローからラストパス、この試合のように後ろから飛び出してスコアすると幅広い貢献をしてくれています。ようやくウチにしっかりとフィットしてきたなぁと、楽しみで仕方ない。俺のDSK!!

・新加入選手たちの確かな”J1”クオリティ
この試合の2点目はヤジトヨホットラインで2人で京都の守備を切り裂いたゴールでしたが、新加入選手のクオリティがほんとに高い・・・・!赤嶺・豊川など確実に結果を残せそうな戦力である事をこの3試合で十分に証明してくれていると思います。かつてのファジにもそういう選手はいましたが、1年に一人くらいでここまで戦力的に充実した年はやはりないだろうと。この試合でもビハインドになってしまいましたが、「こいつらきっとなんとかしてくる」という期待を抱かせてくれる選手たちが揃っているなとあらためて思いました。


ホーム開幕戦に引き続き、1万人overとはならなかったこの試合。
何の知識もない人でも十分に「おっ!」と思わせてくれるような選手が今年は揃っています。
今年のファジアーノは見ておいて損はないですよ!岡山の皆さん!
と、声を大にしていいたい。きっとお気に入りの選手が見つかると思います!
気候も暖かくなってきますし、一人でもお客さんが増える事を願っております。
じゃあまた次節。


ファジについてのご質問があれば、素人考えに過ぎませんができるだけ出来る範囲でお答えします。
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<順位表>



3節順位1
3節順位2

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