J2第5節 vs北九州戦 レビュー 『さらばSBゆるゆる問題?』

開幕してからはやくも一月が経過しようとしています。
我らがファジアーノは開幕ダッシュに成功しかけるかどうか?というすべり出しで、ここまで2勝2分の勝点8。
ここ2戦は勝ちゲームを逃げ切れなかったり、危うくつかまりそうだったところをなんとか逃げ切っての勝利をおさめたりと、
90分を通しての勝ち試合の運び方に不安定なところを見せた内容でした。
得点も失点も積み上がるかつてないスタートとなっていますが、やはり失点の多さは気がかりなところです。
失点が多いチームは成績が安定しませんが、今後のことも考えるとゲーム運びとともに改善したい。
迎える相手は開幕から調子のイマイチな北九州。そういった期待が寄せられる試合だったのではないかと思います。


<スタッツ>



5節スコア

5節スタッツ



<フォーメーション>



5節フォメ


・ファジアーノは3421
・ギラヴァンツは4222



<ハイライト>







<順位表>



5節順位1
5節順位2




◎前後半を通じて




開幕から5戦守備にはけっこう手を焼いていたファジアーノでしたが、
この試合で今季初のクリーンシート(無失点)を達成。結果にもよく反映されたとおり守備がハマった試合になりましたね。
後半ファジのスタミナが時間経過とともに落ちていくのにあわせて北九州がボールを動かせるようになったものの、フレッシュな前半ではわずかにシュート1本とほとんど有効な攻撃ができていませんでした。90分でみても枠にとんだシュートはわずかで、北九州側の決定機は1本くらいのもの。それもすでに2-0とリードを広げられた後のことでした。
前半の終盤(いい時間帯)にオッシーのPKで先制し、後半の頭にはCKからオウンゴールを誘い追加点と加点経過もスムーズ。
2-0になった後も「相手に点を許さないぞ」という警戒意識も高く、全く危なげのないゲームで3勝目を挙げました。ほとんど負けるってか失点する気配もないゲームでしたし、完勝と言って差し支えない出来でしょう。
ここまで警告でカードをかなりもらっていたんですが、その面でも無警告で終われたのは素晴らしい。
左WBで先発となった秋吉選手はファジで初出場!これでバックアッパーってんだから贅沢なものです。
左利きらしいプレーはえーちゃんにはない武器ですし、SBの素養もしっかりともった実に計算のできる人材である事を見せてくれました。この試合では控えめにプレーしていたようですが、今後もっと攻撃面でも活躍が見込めそうですね。
ポジティブな要素の多い試合でしたね。しかしながら・・・・懸念材料はケガ人の多さ!
この試合でも、ナベがケガで譲と交代するというアクシデントがありました。
今年はテツやクッキー、サワなどケガ人がかなり出てきており、また離脱者が出てしまうかも・・?
5戦3勝と過去最高のすべり出しとはなっていますが、不安材料もまだまだあり諸手を挙げて喜んでもいられないなという現状ですな。




◎何故北九州を完封することができたのか?




この試合はファジが北九州を守備で完封した試合でした。
この5戦ではじめての0封という結果の面でもそうですが、実際の試合の内容の面でも結果にふさわしいものを示した試合でもありました。
ちゅうことで『何故ファジは北九州を完封できたのか?』という話をしていきたいと思います。
・北九州がどういう目論見をもっていたのか?
・それに対するファジの対策はどういうものだったか?

という流れでやっていきます。



まず、復習になりますが今年の5試合で北九州戦以外で守備がよかった試合はどことの試合だったでしょう?



これはホーム京都戦でした。
この試合はミラーゲームだった分ファジの前プレが効いたので守備がよかった試合でしたね。
ここまでの5試合で3バックのチームは京都だけだったので、そのほかの試合は全部4バックのチームでした。
では次に、ファジが4バックのチームと対戦するときに守備で抱えていた問題はなんだったでしょう?



これは、SBゆるゆる問題でした。


・SBゆるゆる問題

SBsyado-間


現代のサッカーでは比較的プレッシャーがゆるいのでSBの組み立ての力もクローズアップされてきました。
3421で4バックのチームと対戦すると、シャドーはタテパスのコースを切ってからSBに当たりにいくので間に合わないことがかなり多いんですよね。元々プレッシャーのゆるいSBのところですが、輪をかけてゆるくなってしまう。





◎4222と北九州の攻撃プラン(推察)




実は前節の水戸も4222というフォーメーションだったのでそこでょこっと書いておこうかな?と思ったんですが、
カットしちゃったんですよね・・・・北九州も4222だったので、いい機会なのでここでやっとこう。
今後ウチの対策として他の4バックのチームもやってくるかもしれませんしね。
言葉の上では「442」と言われちゃうこともあるんですが、442と4222はちょっと違うフォーメーションです。
オーソドックスでよく見かける442は中盤と最終ラインで2つラインが出来、その前に2トップがいるタイプでフラット型とか呼ばれることがあります。こんなかんじのやつ。


442


それとは違ってこの4222は、442の一種ではあるんですがちょっと違います。ボックス型とか呼ばれるかな。


4222


注目なのはSHの位置ですね。
外に張るのではなく中に入ってボランチ2枚と箱を作るように位置取ります。
ガラ空きとなるサイドはSBのオーバーラップで担当させ、ピッチの幅を活用するという形。
水戸、北九州と立て続けに4222でウチにぶつけてくるチームと対戦したわけですが、この4222を3421で守ろうとするとどういうことになるのかかみあわせをみてみましょう。


かみあわせ


3421にしろ3142にしろボランチ脇ってのはファジのフォメ上の急所になります。
442だと顕在化しなかった問題ですが、4222になるとSHがボランチ脇の急所に位置する事になり守るのが難しいわけですね。
なので、北九州としては3421と4222で生まれるギャップを井上・小手川というテクニシャンに使わせて攻撃をしかけたいというのがこのゲームのプランだったのではないかと推察します。


しかし、井上・小手川にまでボールを運ばないとギャップ利用もなんもありゃーせんわけですな。
当然ですが、後ろからボールを運んでタテパスを打ち込んでいかなければなりません。
そのために活用したかったのが、セオリーどおりの「SBゆるゆる問題」だったと。
SBゆるゆる問題を活用すれば、SBは前を向けますからタテパスをつけることが出来ます。
なのでSB→SHギャップ→トップとからんだりして→シュート!
こういうデザインで攻撃をしかけるのが北九州の目論見・プランであったのではないかと思います。



ちょっとまとめると、
・ファジが前プレしてきても「SBゆるゆる問題」活用で北九州のSBはタテパス蹴れる
・3421と4222のギャップで両SHがボランチ脇のギャップで浮いて攻撃できる

これが北九州の攻撃プラン(あくまで推察)でありました。




・・・・・・・うん、なんも間違ってない。
但しこれまでのファジが相手であれば・・・・・・・




◎「SBゆるゆる問題」に対する長澤ファジからの回答




この試合における最大の注目ポイントはこれ、「SBゆるゆる問題」に対する回答が提示されたことです。
さきほど復習で山口戦の図を引用しましたが、これまでかかる「SBゆるゆる問題」についてファジアーノが持っていた回答はひとつだけありました。それは、リトリート(撤退守備)して前プレをあきらめスペースを埋めること。
つまり引いて守るのでボールの前進をある程度は甘受せざるを得ない。
そういう守り方しかvs4バックでできなかったんですファジは。前プレが効かないからね。
ところがこの北九州戦での「SBゆるゆる問題」に対する長澤ファジの回答は、
4バックに対しても前プレできるようにデザインされた守備だったわけです。おお、ついに!!という感じですよマジで。
ということでその中身をみていきましょう。
まずスタートの形はこう。


ゆるゆるあんさー


確認していくと、
・ファジは3421でセットする(※5バックじゃない)
・1トップ2シャドー2ボランチで作る5角形は中央に留まり縦のパスコースを切る
・センターサークルの頂点くらいから赤嶺がCBにプレッシャーをかけていく

という感じ。


特に大事なのは2番目の1トップ2シャドー2ボランチで作る5角形は中央に留まり縦のパスコースを切ることで、
CBからボールを引き取る相手のボランチ(風間・花井)さらにその先のSH(井上・小手川)へのパスをさせないようにします。
こうすることで、北九州のビルドアップはサイドに流れ主にSBにボールが集まるようになります。
本来であればここで「SBゆるゆる問題」が発生するはず、でした。
シャドー⇔SBで時間差ができるはずなのでね。


ゆるゆるあんさー2


CB→SBと見るや、WBが猛然とダッシュしてSBにプレッシャーをかけます。
これによりシャドーが守るときよりもより迅速にプレスがとんでくることになり、かなりSBはプレーの自由を奪われることに。
つまり、vs4バックで前プレをしっかりSBまでかけることにようやく成功したわけですね。
これが、「SBゆるゆる問題」に対する長澤ファジからの回答でありました。
さあ、これは困ったぞ北九州。
SBからまともなボールなんて出てこないんだもん。




◎戦術的なポイントをめぐる応酬と戦術的柔軟性の話




ちょいとここらで両者の動きを整理しておきましょう。
北九州・・・4222と3421のギャップでSHがのびのびやれそう。そこまではSBゆるゆるを活用して配球しよう
岡山・・・SBゆるゆる問題に対するアンサーを出して、前プレをかけていこう


こういう対立がピッチ上に展開されたのがこの北九州戦だったわけですなあ。
北九州とすれば「そんなの聞いてねえええええええ!なんじゃこりゃあああああ!」ってなもんだったことでしょう笑
足場にしようとしていたはしごがフタあけてみたら撤去されていたようなもんですからね。どうすんの?これ・・・っていう。


J2の試合とかだとこういうことがよくあるんですが、
「使おうと思っていた相手の欠点が修正されてた」とか、
「これまで誰も使ってこなかった手をウチに使ってきた」とか、
予想外のアクションをされるとチームが思考停止して手も足も出なくなる
ことがあります。
今回はその戦術的なポイントとして「SBゆるゆる問題」がありそれをめぐっての応酬だったわけですが、ファジが北九州の予想外の修正を施してきたので北九州が止まってしまってろくな攻撃が出来なかったってことですね。
J1のチームとか代表とかはどうなのか知りませんが、
けっこうこの手の戦術的な柔軟性がなくて相手のしかけをモロに食らってしまうチームがJ2には多いと思っています。
こういうのはHTで監督がリアルタイムに分析した問題点から回答を導き出し、選手に対策を伝えるまで解消されるケースが少ないんですよね。

なので、仕込みのうまい監督(北野とか反町とか)とやるのはイヤなのよなー・・・・。
まあ・・・・なんのこたーない我らがファジ(特に影山時代)も、
こうした戦術的な応酬に泣かされまくってきた経緯もあり・・・・・この試合は珍しく「北Qハメたった!!」と嬉しかったけども!笑


相手の出方に対してHTとか挟まずに(つまり監督の指示待ちでなくて)ピッチの上で選手たちが回答を導き出せるチームはやはり戦術的な柔軟性の高いチームと言えるのではないか?と思いますし、テツさんやキャプテン岩政先生はそういう要素についても言及していたと記憶しています。そういうチームになれたら誇れるよこのチームマジで。なかなかできないから日本じゃ。



一方、北九州ですがこの試合はとりわけ不運な試合になった感じがかなり強かったですなあ。
ファジが4バックに前プレをハメるべく修正を施した最初の相手になってしまうというのがまずツいてないですし、小松・原というJ2屈指のスコアラーのみならず本山までもいないという大駒欠きまくりの窮状だったこともあり、うまくいかなかったときに個で打開してチームを助ける柱を欠いていたように思います。またチームのスタイルを見ても、2点負けてる後半もギリギリまで放り込まなかったことからもショートパスを繋ぐスタイルに対する強いこだわりを感じましたが、それは前プレと相性がよくないですからね。逆にロングボールガンガン放り込むスタイルならこちらの前プレはほぼ無効になりますのでまだ策はあった。そういう相性的な部分もバッティングしちゃったなと。



さあ長々とやってきましたが開幕から5試合で「長澤サッカーを体現すること」はゲームに刻まれております。
魅力的なメンツが揃い、魅力的なサッカーをやる。そのために必要なことのベースはすでに出来上がっています。
まだまだ春先でチームビルディングに手を焼くチームもあることを考えれば、決して小さくないアドバンテージはこのチームにはある。
最速で10勝、いこう。とにかく勝点3が大事です。十分出来る力がある。信じるよ。



今回はこんなところで。


ファジについてのご質問があれば、素人考えに過ぎませんができるだけ出来る範囲でお答えします。
よろしければ質問くださいませ。質問はコチラから→ask.fm/ZeroFagi


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2.58.28
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