長澤ファジの3142の守備をみておもうこと

開幕当初から馴染み深い3421のフォーメーションを採用してきた長澤ファジ。
成績も残っていましたし調子がよかったのでずっとそのままでいくんだろうか?と思っていたんですが、
ここ数試合は3142のフォーメーションを採用することが増えてきています。
以前、ファジアーノのトリセツという記事で長澤ファジの3421は実際の所伊藤大介をトップ下にすえて前を2トップにした3412のような運用がなされていると指摘しました。しかし、ここのところは3142を継続して敷いてきているのでまたちょっと変化が見えてきています。
ということで、主に守備に注目して3421との違いをチェックしていきたいと思います。



あ、ちなみに3142のファジの中盤3枚。
CBの前におさまる一枚のことは”アンカー”と呼ばれます。矢島慎也のポジションね。
そして矢島の前にいる2枚の中盤のことは”インサイドハーフ”と呼ばれます。これは譲や大介だね。

3枚




◎サイドの守備の問題点をおさらいしてみよう





3421のときに守備で大きな課題となっていたのは「SBゆるゆる問題」かつ「サイド2:1問題」でした。
だいぶ前に取り扱ったトピックなんでちょいと本題にはいる前におさらいしておきましょうかね。



サイド困難


問題は特に4バックのチームとの対戦時に顕著でしたが、黒丸の右SBのいるエリアにボールが出たときに、
シャドーがタテパスのコースを切ってから外へプレスに出るので、どうしても物理的に遅れ気味になることでした。これにより、白い細長のボックスのエリアでみればサイド2:1の状態になってしまうのが困ったもんだね・・・・っていう。



この問題に対して、3421のまま高い位置でプレスをかけるために対策がとられたのは北九州戦でした


サイドプレス


SBにボールが出た所でWBを張り出してプレスに行かせる形。
この試合では一定の成果がえられましたが、実は自分はこの形はちょっと難しいと感じていてどうなるだろう?と思っていたんですが、その後この形はあまり使われませんでした。やっぱちょっと難しいよねこれは。
今季ここまでで3421での守備ではこのような試行錯誤が展開されてきました。
ちゅうことでここまでおさらい。





◎3142の守備とは3421である?




で、だ。
今ファジは3142で攻撃も守備もやりますから、3421のときとは当然違ってきます。
3421のときはダブルボランチの前に3枚配置ですが、3142だとそこも当然かわってくる。



タテパスムズイ


相手の最終ラインや中盤の底に対して、立ちふさがるように4枚並ぶのでタテパスが入れにくい格好になる
タテにボールを繋げないなら当然ボールはサイドに流れるわけで、さてそこでどうなるかが問題でしたね。
CBからSBにボールが渡った場合、どのような対応することになっているのか?



スライド



前プレのときみたく、相手がボールを持ったらもう目の前にプレスが立ってるみたいな状況は3142でも作れません。
なので、この位置でボールをもったSBは比較的自由にボールを運ぶことが出来ます。
なんで、ここのSBの持ち上がりについては目をつぶっている格好になってます。運ばせちゃっていいのねここは。しかし、いずれフタをしないとずーっと運ばれてしまうので3421のシャドーと同じように中から外へインサイドハーフが張り出してSBに立ちふさがりにいきます。
時計を進めよう。
ファジアーノはスライドを済ませ、インサイドハーフ(この図では島田譲)がSBに追いついたところから。



3421へ



ん?あれ?なんかみたことある形になってるぞ・・・・!
3142でスタートしてた守備が、サイドの対応時には3421に移行しとるんですな。
インサイドハーフがいわば3421のシャドーがSBに間に合った形になっていて、
3枚の中盤ののこり2枚はスライドしながらダブルボランチを形成してバイタルを締めます。
いや~これは面白いなあ・・・・・笑
この形は実にいろんな意味を含んでいて非常に興味深いと思います。





◎影山ファジの3421と長澤ファジの3142(≒3421)の守備




この形を見たときに、これは影山ファジの3421の守備の発展系だなと思ったんですね。
影山ファジのときの守備の特徴は、とにかくシャドーの運動量が非常に要求されることでした。
スタミナ目いっぱい使って中外の守備に奔走するので、まず真っ先にカードを切ってそこのフレッシュさを保たないといけなかった。
ある意味「とにかくガムシャラに走る」スタイルを体現してもいたのがシャドーだったと言えるかも知れんね。
ちなみに、冒頭で再掲示したサイドの守備における問題は当然影山ファジも直面していましたが、影山ファジで起用されたシャドーたちの中で自分が見た中では一人だけ守備面で問題をクリアできる選手がいました。さてそれは誰でしょう?




答えは石原崇兆選手でした。




それはなぜか?
ファジサポの記憶にもしっかり残っていると思いますが、石原は抜群のスピードがあり、それをかなりの時間キープできる豊富なスタミナを持っています。なので、SBがボールを持ったとき、持ち前のスピードで”間に合って”しまうんですよね。
構造的に生じる問題を、個人のタレント力でねじ伏せていたイメージで、自分の中で彼の守備力に対する評価は相当高いものがあります。平面守備力だと余裕でJ1クラスだと思うもんマジで。(なお攻撃についてはノーコメント)
石原以外のシャドーは当然石原ほどの働きは出来ませんから、SBに間に合わないパターンがほとんどでした。
石原に代表される影山ファジのシャドーたちは、スタミナをかなり使ってしまいます。
当然守備にスタミナを奪われてしまえば攻撃に残せる余力も減ります。踏ん張らないといけない所で踏ん張れない。走っておかねばならない所で足が出ない。ガムシャラな走力が消費するのはスタミナだけではない



そこへいくと、長澤ファジのこの現行の守備方法はスタミナ消費を軽減する観点からみて優れている方法であることがわかってきます。サイドに出てSBのフタをする役目のインサイドハーフは遮二無二猛ダッシュしてサイドに急行するわけではありません。そんなことしなくても、シャドーよりも少し後ろに位置する分、サイドに張り出す時間はありますし2トップが前にいるのでSBにボールが渡るのも若干遠回りにもなる。少しだけSBのドリブルでの前進を許すかも知れないけれど、そこまで深い位置に入られ前にはインサイドハーフのフタが間に合う。




この守り方にどんな特殊な才能が必要なのか?---いらないよねこれなら。
この形であれば石原のような守備で優れた才能を発揮する選手じゃなくとも無理なく守ることが出来、しかもスタミナも温存できる。





・・・・・・・・え、すげーいいじゃんそれ。めっちゃ合理的やん。




昨年、自分は影山ファジのようなガムシャラさを長澤ファジが見せないことについて批判的な意見を持っていました。
「ファジのトリセツ」にて、「選手の長所を引き出して足し算でチームを作っていく」のがテツさんの考えっぽいぞ、と指摘しましたが、このような守備を見ているともしかしたら長澤さんの哲学にはこういうことも含まれているのかな?と考えさせられます。




現行の守備でいけば「ここのエリアに誘導して刈り取る!」みたいな印象はあまり感じませんが、
こちらの守備ブロックの外外を回るボール回しについて満遍なくプレッシャーを与えることが出来るようになっているので、相手のチームはなかなかファジのインサイドにボールを付けることが難しくなってくるだろうと思います。なぜなら、パスの出し手はファジのブロックの外にいてそこにプレスが来ますからね。余裕がそんなにあるわけじゃない。
ファジの守備で注目したいのはやはり武器でも弱点でもある左サイドでしょう。
3142になっていよいよチームの軸になりつつある左サイドですが、守備では最も脆いエリアになっていて失点にも絡んでいます。
得点との兼ね合いで収支はプラスですが、今後このエリアの守備でももう少し安定度を得られるようになるとますますスキのないチームに近づけるだろうなと思っています。
ちなみに最もやってはいけない失点は町田戦の2失点目だと個人的には思う。
あれはウチがやりそうな失点パターンの中で最も警戒すべき種類のものだと考えています。
普通にセットして守ればそんなにグラグラすることはないけど、だからこそああいうのが一番ヤバイ。
その辺の意識の面も含めて今後も変化に注目して行きたいですね!





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2.20.00

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