J2第14節 vs愛媛戦 レビュー 『”矢島不在”のテストマッチ』

前節はホームでFC岐阜に0-1で敗戦。
今節は未だ調子の上がってこない愛媛FC(13位)を迎えてのホーム連戦となります。
また、この試合と次の試合はトゥーロン国際大会参加中の矢島慎也が欠場となりますから、
いずれやってくるリオ五輪本戦での長期離脱を見据え、
なんらかの解決策を見つけておきたい試合になってきます。


矢島にかわって起用されたのはタイプ的に似た選手の関戸健二。
中盤の立ち位置の変化や役割の変化に注目すべき試合となりました。
なお愛媛FCは天候不順による試合の中止があったため、その振り替えでこの試合を中三日で戦っておりコンディション的に不利な状態でした。
ファジはしっかり1週間時間取れています。





<スタッツ>





14節スコア


14節スタッツ





<順位表>






14節順位1
14節順位2





<フォーメーション>





14フォメ






<ハイライト>










◎前半開始~27分ごろまで





この試合は途中でめまぐるしくフォーメーションが変化し、選手の立ち位置に変更があった試合でした。
2011年からファジをみていますがおそらく過去一番フォーメーションをいじった試合で、具体的には3421と3142をいったりきたりする格好になっておりました。生でみていたらわからなくなりそうなくらいな変更頻度だったので、時系列でフォーメーションの移り変わりを追っていき、その時々のポイントについて話を進めていきたいと思います。
ということで、試合開始から~前半27分ごろまでですが3142ではなく3421でスタートしました。



みらん2



ファジは3421、愛媛も3421なので、定番のミラーマッチでスタート。
愛媛の前線からボランチまでの5枚は、こちらの3CBとダブルボランチに厳しくチェックに来ますしWBはWB同士でマッチアップしますからファジがボールを繋いで前に進めていくにはキツいプレスを剥がす必要があります。



はがす




前半の19分あたりのシーンでは、こちらの後方のボール回しに厳しく前プレを敢行し、結果的に愛媛が高い位置でボールを奪い決定機の演出までこぎつけるシーンがありましたが、これなんてまさに愛媛の狙いどおりでミラーマッチの難しい部分をつきつけられた格好になってしまいました。愛媛はCBはタイミング次第ですが、ボランチには自由を与えてくれません。それに加え矢島の代わりに起用された関戸はパス・ドリブルが上手い選手ですが、プレッシャーのきついところではボールを持つことが出来ないという欠点があります。なので、矢島の代わりに後方での繋ぎを安定させつつ、前方に質の高いボールを配球する仕事がままならない。結果、ファジはロングボール以外にボールを前進させる術を失います。ファジの攻撃の軸はロングボールと矢島を起点としたパスワークの2本ですが、ロングボールにより比重が傾いたのはCBが比較的自由を得やすかったことと、ボランチがしんどかったことが影響しています。
それと、試合後コメでこんなことをテツさんがいってるんですが、

長澤徹監督「前半は愛媛さんがロングフィードからセカンドを拾うのが非常に早かったので、
少し形を変えながら厚くする場所を中央にして耐え忍んで後半にいければと思っていた」



ということで、攻撃の繋ぎの部分が難しかった点とセカンドボールのこぼれ対策に人を割きたかったために27分まで3421でやり、その後手を加えることになります。ちなみに、開始早々の2分の愛媛のセットプレー。玉林のヘッドがクリーンヒットしなかった場面でしたが決定機でした。





◎前半27分~前半終了まで





後方での繋ぎとセカンドボールの回収のテコ入れのため3421をやめ、3142にフォーメーションをチェンジ。
大事なのは選手の配置ですが伊藤大介をアンカーに降ろし、インサイドハーフへ島田・関戸を上げます。
何故選手の配置が大事なのか?というと、「矢島の仕事を誰が引き継ぐのか?」というポイントがあるため。
一応、これによりやはりという感じもしますが、伊藤大介が矢島の役を引き受ける格好になっていきます。(あくまで一応ね)




3142.jpg



伊藤大介は今年のファジが誇るゲームメイカー2枚看板のうちの1枚ですが、後方と前方を繋ぐ役目を高いパス技術で可能にする稀有な存在だと再確認させてくれるプレーでしたね。少し関戸を弁護するとしたら、関戸も3142で1を務めていたらもうすこし違ったかもしれないなと思います。というのはガチのミラーゲームではなくなってくるので、アンカーが持ちやすい状況になりやすいんですよね。



うくだいすけ



相手のダブルボランチ周りにインサイドハーフが2枚いるので、あいてのダブルボランチが以前ほど前にプレスしにくい状況が起こりやすい。自分の周りに敵がいるので気になりますからね。中盤では3:2でこちらが有利なので、愛媛が追い掛け回してきても誰かは必ずあまる。そして試合中のフォーメーション変更なので、相手がこちらの変化に気がついて対応するのは遅れますから相手がこちらの形を認識するまでは守備はボヤけます。そういう追い風もありファジは大介が中盤の底でボールを散らせるようになり、やや普段のペースをとりもどしつつあった時間帯でした。
29分には右のタッチラインからのロングスロー→岩政ヘッドもクリーンヒットせず。
37分にはCKの流れから大介のクロス→岩政ヘッドもさわれずと決定機が二つ。
一方愛媛はCKから決定機が一つと、20分に一つ。そして45分には中央から右へ展開してこじ開けて先制点をとられました。
ファジは攻撃では改善の兆しが見えましたが、いぜんとしてシュートまでこぎつけることが出来ず、結局50分過ぎてもシュート0が続きます。
この前半の不調については理由がよくわからず、矢島の不在で「普段と少し違う」こと以外にメンタル面での影響を口にする選手もいたりとよくわかんないね。まあこういうこともあるけどなあ。
よかったのは、このシュート0の力なきファジを苦い経験としてもてたことですね。
しかも勝点3を支払わずに逆においしくいただけた。監督も言っていましたがひとつのターニングポイントになりそうな試合です。







◎後半開始~後半54分藤本投入まで





後半開始



後半にはいって両チーム選手の変更はなし。
ファジは前半の終わりのフォーメーション、大介アンカーの3142でのスタート。
愛媛も3421のままでした。後半ビハインドでスタートしたんですが、開始から10分ほどは愛媛ペースの展開が続きます。
愛媛は前線にタテパスが入るようになり、選手間の距離も縮まってコンビネーションが出せるようになり攻撃にリズムが出てきます。これに対してファジは、アンカーの大介経由するパスワークをほとんど使わずにロングボール一辺倒。
なかなかボールを前進させることが出来ずにシュートにこじつけられない状態が引き続く。
ミドルシュートばかりでしたが攻撃を完結させてくる愛媛と対照的な後半のスタートとなり流れが変わりません。
そこで、この流れを変えるべくテツさんが早めに動く。この交代策が功を奏します





◎後半54分~試合終了まで






ビハインドであるのに、なかなか攻撃のギアが入らないということで愛媛ペースになっていた後半のすべり出し。
流れを変えるべく、島田譲に代えて藤本佳希を投入
そして、フォーメーションを再び変更し3142から3421へ




再ミラー



中盤をダブルボランチにして、前線はオッシーワントップ、シャドーに赤嶺・藤本の3枚。FW3枚並びですね。
直後の左のタッチラインからのロングスローで、タナソーがヘッド。コントロールできませんでしたが、タイミングのあったシュートでした。ファジは前半でもありましたが、ちょいちょいセットプレーで流れ無視で決定機を持ってくるチームになっていますね。これでようやくシュート1を記録。再びの配置転換でまたこちらの立ち位置の確認に対応が遅れる愛媛は、中三日ということもありこの時間あたりから運動量が落ちてきます。ファジの反撃がすこしづつ可能になって来ました。
しかし、59分にはタナソーが内田に完全に裏を取られる大チョンボから決定機を迎えますがなんとか岩政がクリア。
これ決まってたら試合を決定付けるような一点になりそうでしたからほんとに助かりました・・・・
ピンチのあとにはチャンス、これがサッカーの不思議。
さて、同点弾となったタナソーのゴールですが起点はピッチャー片山のロングスローでのフィードからでした。




ロングスロー



以前記事に書いたことがありますが、スローインでのリスタートは選手が気を抜きやすいということがあります。
えーちゃんくらいのロングスローの名手となるとCK並みのボールをペナに放り込まれるので相手もCK並みの警戒意識をもって対抗してきますが、このシーンこんなに遠いファジ陣内でのスローだったんですよね。少し疲れと警戒意識の低さが出た愛媛はフワっとなっちゃった。そこに、テツさんの打った交代策が効いてきます。図のとおりに相手のCB3枚に対して、こちらは3FWですからボランチがカバーに入らないと数的同数な状態になってしまいます。ところがボランチはカバーに行けるポジションにいないので、実際はカバーレスな状態になっていて、これもこないだ書きましたが愛媛は守備の保険がない状態でした。なので愛媛のCB陣はミスなくこちらのFW陣を押さえ込むなり跳ね返すなりしないといけない。当然簡単な仕事ではないので、ボールは前線に留まりこぼれから押し込まれてしまったと。再びミラーにした交代策がここへきてハマった形になり、なんとか追いつくことができました。
最終的には再びえーちゃんのロングスローで赤嶺のホーム初ゴールとなるヘッドが炸裂し逆転勝ちをおさめましたが・・・・
いやー、ここまでみてわかるように試行錯誤してなんとかもぎ取った勝利という感じで、相手のコンディションというラッキーな要素もありはしましたがよく勝ったなと思います。
最後におまけですが、矢島の代役を大介が務めるのかどうか確認できずじまいだったんですね後半。
というのも、大介がボール持っても出しどころがなかったんで、平面のパスワークそのものが成り立たなくなっていました。
影山ファジのとき何度となくみた光景でしたが、これみててこの試合では判断できないなあと思いました。こんなの。懐かしい。



だしどこない


中盤の底でゲームメイカーがボールを持ってもミラーゲームなのでWBは相手のWBに監視されています。
それに加えて、前線の顔ぶれを全員FWにしたので、中盤とFWの間が空いてしまって中継ぎする人がいない状態に。これではいかに大介のパスをもってしてもリスク高すぎて出すに出せない。もちろん大介は出せるときはいいタテパスを通していましたが、どうしてもロングボールの本数の方が増えるのもやむをえない所でした。もちろん勝つために交代カードを切っていますからそれで文句ないですし、実際勝ったのでバンザーイ!なんですが、この試合を通しては「矢島の不在はこうします!」という確実な手ごたえは得られなかったのがちょいと心残りでした。
書いていてとっちらかっちゃったのでその矢島の話をして締めとしましょう。






◎矢島不在の穴をどう埋めるの?





冒頭でも触れたとおり、この試合と次の試合は矢島がいません。
リオ五輪が始まれば準備期間も含めてかなりの時間矢島を欠いた状態で戦わないといけなくなります。
それゆえに、「矢島の不在をどうするのか?」が最大の関心ごとになってきますよね。
で、この試合を通してみてみて言えることは・・・・・「まだわかんない・・・・・」です笑



まず整理しておきたいのは、矢島がいないときにどう対応するのかですが、
1.矢島が必要ないやり方にして方針の維持にはこだわらない
2.矢島の仕事を誰かに引き継がせて方針を維持していく
の2通りだと思うんですよね。
そこへいくと、どうも2でいきそうな気配感じません?
というかここまで時間かけてやってきているのだからやっぱそうであってほしいなと個人的には思うんですよね。
2だと仮定して話を進めると、誰がその役を果たすのか?が気になってきます。
この話で大事になってくるのが、矢島ってどういう仕事をしてたの?ってこと。
ザックリいってしまえば2つで、後方のボール回しに加わってリズムを出していくことと、決定的なパスを前線に供給することだと思っています。ファジサポ的にわかりやすく言えば、



矢島≒(上田康太+千明聖典)÷2



なんじゃないかなぁと。
仙石千明を一人でやってるのが矢島といってもいいかもしれない。
それゆえに、CBからのロングボール一辺倒になってしまうと当たり前のように空気化するわけですな。中盤省略する攻撃なので。
この記事の中でも述べましたが、ファジの攻撃の軸は2つあって、
1.後方からのロングボールを赤嶺や片山へ蹴っていく
2.矢島の長短のパスを軸としたインサイドでのパスワーク
があり、矢島は2の中心人物です。
このチームが矢島ありきの路線を維持するには、矢島と同じとはいかないまでもパスで軸になれる選手が必要になってくる。
そこへいくと、まずはやはり伊藤大介が適任者なのかなあと。
この試合ではロングボールが多くて、強いて言えば矢島要素そこまで必要ないタイプの試合だったと思います。
それゆえに平面でのパスワークをどうするの?って問題には解答が見つけられなかった。
なんでわからないんだけど、選手の特徴を考えると大介を降ろしてくるんじゃないかなぁという感じはしました。
千明タスクと康太タスクをまんべんなくこなせるのはやっぱ彼でしょう。
しかし、そうなってくると今年3421でスタートしたときしかり、3142になったときもしかり、伊藤大介のスペースを見つけるのがうまくボールを引き出せる能力が消えてしまうのがもったいない・・・・・あれは中盤の底よりもっと前で生かしたいスキルですから。
関戸、澤口なんかも起用されていますし、まだまだテストしておくべき可能性も起こされていると思うので、とにかく次。
セレッソ戦でどういう策を講じてくるのか?目が離せなくなってきました。





それにしても伊藤大介だいすきな俺歓喜の展開である。







ファジについてのご質問があれば、素人考えに過ぎませんができるだけ出来る範囲でお答えします。
よろしければ質問くださいませ。質問はコチラから→ask.fm/ZeroFagi


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3.20.11
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