J2第16節 vs熊本戦 レビュー 『ロアッソ熊本』

5月15日の千葉戦でリーグに復帰を果たしたロアッソ熊本が今節の相手。
熊本には長らく岡山でがんばってくれた植田龍仁朗と、2010に在籍していたキム・テヨンがいました。
今回は昨年から熊本のサッカーを好んで見ていてより詳しい知識を持っているということで、
開幕前にも登場してもらいましたトルコイデス@ファジ君(@torukoidesu_fa)に再びレビューをお願いしました。


トルキーありがとう!
彼のレビューに補足を加えながら熊本戦について振り返っていきたいと思います。





<スタッツ>





16節スコア

16節スタッツ







<順位表>






16節順位1
16節順位2







<フォーメーション>






16節フォメ






<ハイライト>











◎ロアッソ熊本のサッカーの特徴について(byトルコイデス@ファジ)





・熊本の特徴



本来、熊本がやりたいことはコンパクトな陣形を保ってチーム全体で連動したプレス(いわゆる4-4-2, ゾーンディフェンス)を行うことでボールを良い形で奪いそこからカウンターを仕掛けるといったことです。
また、ボールを保持しているときには各選手の立ち位置やランニングでスペースをつくりだし、使うといったことも。




しかしながら、震災による中断が明けてからこういったことがあまり出来なくなっています。
これはやはりコンディション不良によるものが大きいと思われます。
それが顕著に表れているのが各選手のプレスの強度が弱くなっていること、そしてライン間の間延びです。主にこの2つのことによって熊本はカウンターの前段階であるボール奪取というところが上手くいかず、またそれによって攻撃も上手くいかないといったことになっています。






◎熊本のプレス強度について(byトルコイデス@ファジ)





そのプレス強度とライン間の間延びについてもう少し詳しく。




まず、プレス強度について。
この試合で熊本の選手はウチの選手に対してのプレスが弱い場面が多々見られました
例えば、35:33あたりからのシーン。
最終ラインで岩政選手がボールを保持しています。そこに対して熊本の2トップはあまりプレスをかけることが出来ていません。すると岩政選手は自由にボールを蹴れるのである程度の精度で前線にボールを送ることが出来ます。この場面では前線の赤嶺選手が熊本のSB・黒木選手と競り合い、勝つことで三村選手にある程度の自由がある状態でボールを送ることが出来ました。


46:20あたりからのシーンについても、
最終ラインで片山選手が自由に前線の三村選手にボールを送ることができ、そこの対応に出てきた熊本のSBとCBの間に出来たスペースに伊藤選手が走りこむことで熊本のSHを釣り、その背後でスペースを得た関戸選手が自由を得た状態でクロスを上げることが出来ました。
他にも63:07あたりのシーンでも矢島選手が中盤でボールを保持しているのにも関わらずプレスに行けてないためCB前の危険なエリアで豊川選手がボールを受けることを許しています。


プレス




このようにプレス強度が弱くなっていることでウチの選手に自由を与え、自分たちが取りたいところでボールを取ることが出来なくなっています。






◎熊本のライン間の間延びについて(byトルコイデス@ファジ)





3ライン





次にライン間の間延びについて。
これは熊本の2ndラインと3rdラインの間に大きなスペースが生じてしまっていることです。これは前記のプレス強度にも関わってきます。前線で規制が出来ないことでウチの選手に自由にボールを蹴らせてしまい、それに対応するために熊本の最終ラインは下がらざるを得なくなります。すると、その下がった最終ラインと2ndラインの間に大きなスペースが出来ることになり、セカンドボールも拾えずまたそこのスペースを使われることでCBが釣りだされるといったことにもなります。




間延び






熊本は本来全体をコンパクトに保つことで各選手間の連動をしやすくし、ボールを奪ったりセカンドボールを拾うことでカウンターへとつなげるといったことをやりたいのですが、ライン間が間延びすることでそれも出来なくなり、ボールを回収できたとしても低い位置かつ自分たちの意図した形ではない形での回収となります。すると、ゴールまでの距離も遠く、再現性も低くなるためやはり良い攻撃へと移行できません。良い攻撃が出来ないということは相手にボールを奪われ返されるということにもつながり、悪循環です。



ライン間の間延びについては多く例があるのですが、例えば41:10のシーン。
熊本CBがロングボールを前線に蹴りこむのですが最終ラインと2ndラインの間は間延びしています。よって、その間のスペースでウチの選手がセカンドを拾うことができ、そこで熊本のDFの選手が釣りだされスペースをつかれて...となっています。ウチの1得点目のシーンにしても、熊本のSBの判断ミスがあるにせよ3rdライン間と2ndライン間の間をクロスが抜けていくという状態になっています。




ここまで熊本の守備が上手くいっていないことで、そこからしたいはずのカウンターも打てないといったことを言及してきましたが、次は逆に熊本のこの試合で良いと思ったことも言及していきます。






◎熊本のサッカーの良さについて(byトルコイデス@ファジ)





ロアッソ熊本のサッカーのよさで思うのが、守備時の横圧縮とポジショニングと判断についてです。






まずは横圧縮について。
例をあげると分かりやすいのですが、9:15からのシーン。最終ラインで岩政選手が前線の赤嶺選手にボールを送る場面です。CFは岩政選手に対してプレスに行き、SHは片山選手にプレスをかけれるポジションを取り、2ndラインの残りのCH2人と逆サイドのSHはボールサイドのSHのポジションに従ってスペースを効率的に埋めれかつカバーに入れるポジションを取れています。その結果CHの選手がこの赤嶺選手へのパスをカットできました。このときのボールの逆サイドのSHのポジショニングを見てもらうと分かりやすいのですが、ピッチの半分よりもボールサイド側付近にまで絞ってきています。このように熊本は横圧縮をして、ボールの位置・味方の選手の位置に応じたポジションを取ることで縦パスをカットしている場面が幾らかありました。こういったのが本来熊本がやりたかった守備だと思います。




圧縮




次に選手の判断について。
5:16のシーンと6:45のシーンを比較してもらいたいのですが、SHの選手がプレスをかけるときの体の向きが明らかに違います。5:16のシーンでは内側に誘導する体の向きで、6:45のシーンでは外側に誘導する体の向きです。この2つの場面でなぜ体の向きが違うのかというとそれはSHの背後の選手であるSBの選手の位置取りに違いがあるからです。5:16のシーンでは画面には出ていませんが、おそらくSBの選手は外側(ウチのWB)のところにプレスをかけられるポジションを取れていなかったと思われます。そうであるにも関わらず外に誘導するようにプレスをかけてしまうと逆にピンチを招きかねません。だから、内側に誘導するように体の向きをつくったのだと思われます。



嶋田くん





逆に6:45のシーンではSBの選手が外側のところにプレスをかけられるポジションを取れていたため、外に誘導する体の向きをつくったのだと思われます。このように味方の選手のポジショニングをきちんと確認し、それに応じたプレーが出来ていることは良かったと思います。



以上が今節から分かる熊本の特徴です。



熊本は震災の影響もあってか、思うように出来ていないなとは思いました。
本来は冒頭で述べたようなサッカーをしたいはずで、少なくとも震災前にはある程度出来ていました。
熊本が本来やりたいサッカーについては第5節長崎vs熊本とかが参考になると思います。



ということで、トルキーによるレビューは以上です。
最後に自分の方からファジについてちょろっと触れておきたいと思います。





この試合ではCB陣のファウルトラブルで急遽えーちゃんをCBで使わないといけない状況でした。
あくまで応急処置なので、今後はWBに戻っていくとは思いますがまーやっぱコンバートはコンバートという感は否めない。
とりわけ攻撃面での貢献がぶっちゃけチームトップの選手なので、そこの部分の損失が大きすぎるなという感じでしたね。
あと注目なのが、赤嶺のシャドーでの起用です。
これは意外といいな!と思っています。
というのも、最前線のFWで起用されるとそんなに頻繁に降りてきたりできずに、動ける範囲が少ないんですよね。前にはっていないといけないことも多くうかつに動けない。ところが、シャドーだと1.5列目なので比較的移動の自由がありますから、自分が使いたいスペースへ比較的自由に入っていけるメリットがあります。それから、このチームはロングボールが多いので赤嶺がハイボールを競るシーンが必然的に増えるんですが、シャドーに入ることにより競る相手が変わってきます。通常CBとのガチエアバトルになるところが、相手のボランチだったりSBなんかと競るシーンが増えます。CBってのはFWを跳ね返す人ですから岩政見ればわかるとおり高いし強い選手が多いんですよね。ところが、ボランチやSBになるとCBほどではない。なら赤嶺が勝つわなあという。
これによりいまいち効果が薄かった「赤嶺の落とし」という攻撃の手段が強化されたな~と感じています。
矢島がもどってみると確実に後ろと前を繋ぐ役として信頼できる選手がいる安心感というか、そういう雰囲気が感じられた試合でもありました。「そうそう、この安定感まってたのよ」って思う反面、「でもこれでいいのかな・・・」という気持ちも正直あってですね・・・・。矢島がいない時の路線がイマイチはっきりと読み取れなかった不安はやっぱありますね。なんというかチームにもどってきたときのしっくりいく感じが強ければ強いほど心配になるこの矛盾・・・笑
まあジタバタしてもテツさんの采配に期待するしかないんですけどもね。





この試合はオンデマンドでチラチラ見ていたんですが、
最後熊本の選手を迎える熊本サポーターの方々の表情を見ていて、ほんとうに胸がいっぱいになりました。
「彼らを勝たせたい」という気持ちがほんとに感じられて・・・・


震災の起こる前のロアッソはトルキーの指摘にもあるように実によく組織された好チームで首位にいたことがまぐれなどではなかったことがよくわかると思います。自分もこの試合をフルサイズで見てみて思うのはやっぱトレーニング不足からくる、スタミナ不安はどうにもできないんだろうなあと。もし、スタミナが十分であればビルドアップが下手と喝破されているファジの後衛に対して厳しいプレスをしかけるという手もあっただろうなあと。そういうところにいまだトップフォームに程遠い熊本の現状の難しさを感じました。
しかし、いつかはロアッソ熊本もリーグ復帰後初勝利を飾るときがくると思います。
そのときは心からの祝福を送りたい。
ひとまずこの試合は、「おかえりなさいロアッソ熊本」という気持ちです。




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