J2第18節 vs松本戦 レビュー 『岡山の皆さん ファジアーノ今2位よ!』

6月の3連戦の最後、ついにやってきた上位対決vs松本山雅(2位)戦!
こちらは2連勝あちらは目下4連勝中ということで、好調なチーム同士の顔合わせとなりました。



松本山雅といえば、ファジアーノサポーターにとってはいろいろと思う所のあるクラブであります。










とまあ、恥ずかしながら試合前日から俺バッチバッチじゃな!!というね・・・・
とても悔しい思いをたくさんしたし、それをずっとガマンしてきた。
それが、この前半戦終盤にて2位・3位という上位で再び顔を合わせるというもんだからそりゃ力も入ろうというもんです。





<スタッツ>




18節スコア


18節スタッツ






<順位表>






18節順位1
18節順位2







<フォーメーション>






18節フォメ






<ハイライト>











◎前後半を通じて





J2にもどってきてはじめての対戦となる反町松本。
前回対戦はアルウィンでの劇的な荒田の決勝点での勝利でしたが、この試合はあれ以来の対戦となります。
荒田・石原・後藤といった主力3選手が翌年松本でJ1リーグを戦いましたが、その後荒田は長野へ移籍。
この試合ではのこりの2人ともそろって帯同しており石原崇兆がスタメン、後藤圭太はベンチ
松本は今季序盤イマイチ調子が出ていませんでしたが、中継の実況からの情報では2年前のサッカーに戻すことで調子を取り戻し連勝を重ねて2位まで上がってきたところ。この試合に勝てばクラブ記録の5連勝というところでした。
ファジは前節ミラーゲームで徳島と対戦しましたが、今節もミラーゲーム。
松本は2年前ほど徹底的なロングボール攻勢はみせておらず、やはりショートパスを使った組み立てからの崩しもやりたい気配を感じるサッカーでした。そういう意味では、前線にターゲットがおりそこへロングボールをぶつける攻め筋を持ちながら平面でボールを動かして崩したいサッカーということで、この岡山・松本・徳島はタイプ的に似たチームだなあという印象を受けます。ボールを動かすサッカーでは岡山に一日の長があり、岡山・松本のセットプレーでの攻撃力は同程度でリーグトップ。そのあたりが成績に反映されているのかもしれません。




反町監督(松本)「試合自体は非常に堅くて面白みのない試合だったかなと思います」
ということで、前半から派手な撃ち合いになるような試合ではなく、手堅い試合になりました。
3連戦の3戦目であるということと、かなり雨が降っていたということで、疲労の面やピッチコンディションの変化は考慮に入れなければならない。いつも以上に先制点をとっておきたいコンディションでした。
松本は前プレをしかけてくるチームですが、それもスタミナ面を気にしたのか抑え目だったし、ウチとしてはいなして前に運ぶことはそこまで難しいことではありませんでした。非常によくセカンドボールが拾えたので、こちらにペースが来た前半でしたね。
ともに3421同士なので狙いたいエリアは似てくるんですが、双方ともにバイタルで前を向けたら崩しに入れるといった感じで、連戦で前からのプレッシャーがゆるい分、うまく組み立てられたチームの方が相手を崩せる展開だったと思います。
そういった両者の狙い、そこでのせめぎ合いを制したファジがカウンターでCKを取り、その流れで岩政がファウルをとってPKをゲット。これを矢島が決めて、優勢にすすめた試合をATにPKで先制するという願ってもない展開で前半を終わりました。この”そういった両者の狙い、そこでのせめぎ合いを制した”シーンは実にいろんな思惑が絡む味わい深いシーンでしたので、後で取り上げたいと思います。反町松本がファジのどこに目をつけ攻略したがっていたのか?がよくわかるシーンです。



後半は松本が攻勢に出ます。
ファジは受けに回るというわけでもなかったですが、後半はかなり早い時間から松本にボールを支配される展開でした。
とはいえ、前節の徳島戦よりかはしのぐキツさは感じませんでしたし、さすがに3連戦3戦目だったので時間とともに疲労の色も濃くなっていきます。そんな中、後半の57分にCKからサワの3年ぶりとなるヘッドが決まり2-0!
これは本当に大きかったですね。・・・今年初めて「強い」と思った瞬間でした。
その後73分には右サイドのクロスから高崎に蹴りこまれ2-1とされますが、追撃を振りきり3連勝達成!!!



試合後ツイッターのTLをみていると、この試合にどれだけみんな勝ちたかったんだ!?っていうくらいの勢い。
自分もここ数年でも一番嬉しい勝ちでした。
札幌の試合があるので暫定ではありますが、「ファジアーノ岡山がついにJ2で首位になった」
この事実は本当に意味深いものとなってくれると思いますし、そうしないといけない。
もしかしたら夏休みに向け「なんかファジいま強いんじゃろ?じゃあいっぺんいって見ようか」と思う人も増えるかもしれません。
そしてそういう流れが加速すればほんとうに「あ、これは昇格できる機運」と感じられるうねりが出来るかもしれない。
もしかしたら本当に大事な時期にさしかかってきたのかもしれませんね。



この勝利は本当に大きいものだと思います。
が、それでも今の長澤ファジが他所に見せて「どうだいいだろう」と胸を張れるほどいいサッカーなのか?
というと正直まだまだだなあと感じています。無論18試合もやってきてまぐれで首位ってのもないので、実力がないわけじゃない。
ウチも確かに強くなってきた。けどまだ攻守につたない部分も多く残されていますし、テツさんも会見でそう言っていましたね。
なので、2年前の大一番に勝ったときのようにこのあとサッパリ・・・・になってしまわないようにしなければいけない。
五輪はもう目の前ですし、油断できない時期にもこれから入っていきます。
手放しで喜んでばかりもいられませんが、高い順位で夏に入れる喜びを感じつつ次の試合を楽しみにしたいと思います。


けど、一言。
とても嬉しい勝利をありがとう、長澤ファジ。








◎”ボランチ脇のスペース”をめぐる両者の攻防






さあ、では前述のとおり双方の狙いを前半のシーンからピックアップしていきましょう。
ファジも松本も同じ3421で、守り方も同じように523でブロックを作って守ります。
この試合では双方ともに苛烈な前プレをしていませんでしたから、パサーがパスを蹴る余裕が比較的ある展開。なので後方からタテパスを打ち込む形は作りやすい状況がともにあったわけですね。また相手が引いていますから一発で裏狙いもそれほど多くないですし、サイドはWB同士がマッチアップしてますからサイドを変えてもマークははがれませんでした。
となると、インサイドを攻略していく事になるわけですが、両者が狙ったスペースは同じエリアでした。




よこボラ

ボラよこ



このダブルボランチの両脇のスペースを狙った組み立てを双方狙う展開。
松本はワントップに入った高崎が落ちてくる形、25分40秒のシーン。




落ち高崎





とか、工藤のポジショニングで、のパターンとか。45分20秒。





工藤





一方ファジも、赤嶺ボレー不発で惜しい!という決定機につながったシーン。15分13秒。





だいすけ






といったように、双方ともにボランチ脇のスペースを活用する狙いを持っていたことがわかります。
で、このようにボランチ脇で伊藤大介や工藤浩平のようなラストパサーが前向きにボールを持てば・・・・




間性





オッシー・赤嶺が走りだしボールを呼び込む。
これでバチっと合えば1点。合わずともひとつ攻撃の形がつくれたねというシーン。
双方ともにこのような形を作りたがった試合だったなあと思います。






◎関戸・矢島コンビの守備時注意したいこと






松本の反町監督はきっとウチのスカウティングを入念にやってくるだろうし、
どの弱点を使ってくるだろう?と思っていたんですね。
で、もしかしたらこれかなあ?と思っていたのがこのボランチ脇のスペース活用だったんで、「あ、やっぱそこ使ってくるんだなあ」と。
というのも関戸・矢島のダブルボランチの守備はちょっと危なっかしいからなんですね。
スタメンが発表になったとき、こんなツイートをしたんですが・・・・












これについて補足をしておこうと思います。
まず、スタートポジション。ボランチ2枚でバイタルエリアの守備を行うのが3421のフォーメーション。




バイタル




この位置に2人がいてお互いを補いながら適切な距離感で守れているときはそんな危ない局面にはなりにくいです。
ところが、これに相手は揺さぶりをかけてきます。たとえばどっちかのサイドに人数をかけて数的な不利状態を作ってくる。




カバー

カバー2





人に釣られてスペースを空けて守備にいってしまう傾向があるので、疲れてくる時間帯とかだとほんとに誰もいなくなることも。
こういうのを見つけて加地や大介がスペースを埋めに動いてくれることもあるので、頼む!ってわけです。
関戸や矢島はそもそもトップ下の選手で、ボランチ専門家ではないので、どうしてもこういう時に手堅さがなくて人に釣られてしまう傾向が強いんですよね。たとえばここが千明であれば、まずバイタルガラガラにするようなことはありません。それどころか、バイタル一枚になったところを相手に狙わせてインターセプトまで狙う狡猾な守備まで出来ます。矢島・関戸は元々攻撃の選手なのでそういう守備には疎いですが、それを補う攻撃力があると。まさに人それぞれ、個性の話ですね。
ところでこれは3421だからこそ、いわばダブルボランチだからこそ起こることで、3142の場合は話が変わってきます。
ついでにその話もしておこう。



3142



さっきと同じくサイドに枚数的な圧力を加えて、中盤3枚のうち関戸がサイドに出てみると・・・・




3142サイド




一枚外へ張り出してもまだ中央2枚いるので安定して守れます。
最近では後半の途中から3421から3142にフォーメーションを変える事が多いですが、このようにサイドに人手を割けるようになることや、人を出しても中央がスカスカにならないこと、というメリットがあるわけですね。それともう一つ中央3枚にするぞ!ってなったときのほうが、中盤3枚同士がお互いのことを気にしながら守備出来る傾向が強いかもしれないし、守備の連動がスムーズな気がします。






◎先制点につながったカウンターのシーンを見てみよう






さて、以上のことを踏まえて前半のAT松本のスローインからの展開をインターセプトしてカウンターに繋げたシーンを振り返ってみましょう。このシーンは本当に面白いシーンで、いろんなことがわかる味わい深いシーンでした。




松本が左サイドでスローインを得て、左WBの那須川がスロワーです。
スタートの画はさっきの使い回し。



工藤





さてさっきの話の繰り返しになりますが、松本が使いたいのはこの工藤がいるスペースです。
スローインでサイドに寄った分、関戸-矢島の2枚が右に張り出る分、脇が空いて工藤がスタンバっている状態ですね。
ここにボールをいれることができれば、「ボランチ脇で伊藤大介や工藤浩平のようなラストパサーが前向きにボールを持つ」条件をクリアできてラストパスが出たり、ミドルが打てたり、攻撃の仕上げに入れるわけですな。



で、ここで面白いのがファジの選手のコーチング。
もちろん中継なので声が聞こえるわけないんで、たぶんこう言ってるんだろうという推測になるんですが。



コーチ




押谷は岩間がフリーだよって言っていて、関戸は矢島にバイタルで工藤がフリーなんで見てくれとリクエスト。
大介は関戸にバイタル危ないからケアするように言っているようです。でも、矢島は全然動いてない。
ので、工藤はバイタルエリアでどフリーなままなんですよね・・・・・



岩間




大介は岩間が来ていることを感じてないので、一拍遅れて岩間にチェックにいきます。
ここに至るまでに岩間は明らかに「工藤がフリー」なのを見ていて、ボール来たら工藤へと決めている
ちょっとトラップがはねたので収めつつ、工藤を確認しつつボールを見るために足元に視線を落とす。
同時に矢島が工藤がフリーでボールを要求しているのを見て、インターセプトするためにダッシュします。




ボラボラ




松本のスカウティングではボランチのところルーズだぞって情報があったと思うので、矢島がまさかインターセプトに動いているとは思わず、あまりにもキレイにそして危険な形でボールを失ってしまう岩間。
しかし、その後の切り替えの早さの早いこと!一瞬でボールを取られたことを認識し、矢島にプレスに当たりにいっているこのリアクションの早さはすごいなあと感心しますね。その他の選手と比べてみるとその早さが際立って見える。
一方、矢島はこれほんと誘ってやってたら千明並みの策士なんだけど、どうかなあ?という笑
もし、そうならば相手がボランチ脇を狙っていることを理解して、わざと中央を空ける悪癖を出したフリをして誘い、まんまとパスしたところをかっさらったまんまの勢いでカウンターに入るっていう・・・・すごいなあってプレーだけども。
まあ途中で気がついてインターセプトに切り替えたって感じが妥当かな笑



ということで、得点シーンの一個前のカウンターに入るシーン。
ここでの両者の狙いと両ボランチのギリギリの攻防があったよ、というのが面白かったので紹介しておきました。






さて、次節は金沢。
どの相手から取っても勝点は3。
これを書いているうちに札幌が勝利し、ファジは2位が確定しました。
これからはより「勝たないといけない」プレッシャーにさらされる難しいゾーンに入っていきます。
一人でも多くの人と今年のファジアーノを最後まで楽しみたいですね。




記念にペタリ。



18節暫定1位






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COMMENT 2

ど素人  2016, 06. 18 [Sat] 09:40

その千明選手はなぜ大分に出されてしまったのでしょうか。
それ以上に至らない部分があったのでしょうか?

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Zerofagi  2016, 06. 18 [Sat] 23:18

>ど素人さん


選手の出入りにはいろんな理由があります。
でていったから実力的に足りない選手だというわけではないと思います。
J2とかだと元々いたチームより活躍していく選手も数多くいますしね。
千明にしてもチームの求めるタイプではなかったということだと自分は理解しています。

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