J2第4節 京都サンガ戦 レビュー 『君も入ろう赤嶺教』

勝てておりません。



内容自体はさほどに悪くない今シーズンのすべりだしでありますが、なかなかに結果がついてこない。
もともとスロースターターなところのあるファジアーノ岡山ですが、そろそろ勝利がほしいところ。
ホーム戦2戦目の相手はこちらも思ったように結果の出ない京都サンガ。
昨年POにも顔を出したチームですし、ここでどうにか勝って軌道に乗せたい!というところでした。



この試合は高校3年生無料招待したゲームでたくさんの学生さんが来場してくれました。
またアウェイ側の席はたくさんの京都サポーターさんが埋めてくださったおかげで、なんと2試合連続で観客動員1万越え!を記録することができました。3月4月はなかなかに客足の伸びぬ難しい時期にこれほどの数字を記録できることは年間の動員数を考えたうえで実にありがたいことです。ほんとうにご来場ありがとうございました。
さあ、では試合のレビューにまいりましょう。





y4節
(提供:@fyusoccer)









4節結果




4節スタッツ




4節経過



4節スタメン



4節ベンチ




4節メンバー





◎一森と久木田の起用について



前節からメンバーを入れ替えてきた長澤ファジ。
この試合では1年半ぶりの出場となった右CB久木田、そして山口から移籍してきて初出場となるGK一森の2人を起用してきました。クッキーに関してはもともと本職ではないので経験値の面で不安はありますが、彼のもつ速さはチームでも上位。ラインを高く保ちたいファジにとってはクッキーの速さは是非活用したい武器であります。
一方の一森はJ2で指折りの足元の技術を持つ選手です。
ゴールマウスを守るという点では身体能力に優れた櫛引に一歩譲るかもしれませんが、フィールドプレイヤーの一人としてボール回しにGKを組み込みビルドアップを安定させるのであれば彼ほどの適任はいないでしょう。この試合でも自分の特徴を生かしたプレーを随所に見せており、上々のデビューとなりましたね。こちらのCBがボールを持っているとき、彼がどんな位置にポジションをとっているか?を注意してみているとほかのGKとの違いがよくわかります。これならば相手のハイプレスに手を焼いたとしても安心してバックパスできるでしょう。彼もまた今年のファジの方向性にマッチした人材かもしれません。




◎ペースを握るファジの前プレと京都の攻め手




みらー



前半の途中までは岡山、途中からは流れ変わって京都ペースで進んだ45分。
良くも悪くもこちらの前プレ次第で流れが変わる前半だったかなと思います。
岡山も3421、京都も3421ということで開幕戦の名古屋とおなじくこの試合もミラーマッチになりました。
誰が誰を追いかけるのかはっきりしやすいので、ハイプレスにでるファジにとってみれば割とプレスをかけやすい形。
京都はGK菅野も組み込みながらビルドアップを試みますがまだまだこなれてきてはいない様子で、ファジの前プレにかなりてこずってしまいます。
結果、前プレがハマったファジがペースをつかみます。
1分のセットプレーの流れからクッキーのシュートがポストを叩いたシーンをはじめ。6分には左サイドのクロスからトヨのヘッドがわずかにそれる。15分にも美しい左サイドの崩しで藤本が抜け出してトヨにクロスと決定機を連続して迎えます。が、決まらず。
このうちどれかでもっていう時間帯でしたね。
攻撃はね形も作れていてできてるんよ。ただ点が入ってないだけで笑


一方の京都は、なんとか後方からの繋ぎも模索しつつでしたがなかなかにプレスを剥がしきれないシーンが多く。ビルドアップは不安定でした。結果、平面でのパス交換では活路があまり見いだせないということでイ・ヨンジェを走らせてのロングボール攻撃が軸になっていきます。具体的にはWB裏、すなわち左右CBの脇を狙って走り込み、そこに合わせていく形でしたが、特に狙われたのはファジの左サイドでした。
12分にはこんな感じのシーン。


12分



左サイドでは石櫃がヒョンジンを引き寄せ、大野がわざと落ちていくことで喜山をおびき出しスペースを作りイ・ヨンジェが走る。
そこにロングボールを流し込んで、というお手本のようなきれいな形。ヒョンジンは攻撃は素晴らしいんですが、守備はかなりヤバいので1on1や2on2の局面で守備として計算が立たないところがあります。このシーンの続きはこんなかんじ。


パクさん


イ・ヨンジェと篠原が並んで右サイド奥へ。
シノが連れ出されたことでシノとクッキーの間に大きなスペースができてしまいますしかもPA内に。
本来であればヒョンジンがこのシノとクロスするようにここに入れば問題ないシーンなんですが、ボーっとシノとヨンジェを見ていたので先に石櫃にパスを受けられてしまい、シュートにこぎつけられてしまいました。直後、喜山が「おめーのマークだろうが!」と激怒しています笑
パクさんかわいい。
ちなみに、この形と全く同じ形が町田戦でも見られていて、どのチームにも「パクさんは穴っぽいぞ」と見られていることがわかります。


町田から1
街だから2



ね?笑



ぱくさん




しかし、パクさんは成長している!




◎サイドチェンジと京都の布陣変更



決定機を積み上げた前半のファジペースが徐々に京都に傾いていったきっかけはサイドチェンジを使った大きな展開を繰り出せるようになったからではないかと思います。
それまでプレスに苦しんで散発的なイ・ヨンジェのランニングに合わせる攻め手しかもっていなかったのですが、後方でちょっとした隙を作ってロングボールを蹴れる砲台とし、左右のWBを裏に走らせる形が効いてきます。
22分、イ・ヨンジェのゴールがオフサイドになるまでの一連の流れを生み出したのは、吉野の右サイドへのサイドチェンジです。



まっち2



黒線は京都のCBとWBを繋いだ線ですが、ボランチが最終ラインに落ちてCBが開き左に寄せた形になっていることがわかります。その上、シャドーの小屋松はボランチの高さまで落ちていったことで、関戸が見ることに。左WBの本多は位置を入れ替えポジションチェンジした格好になっていますね。
これでまず、ウチの前線の選手たちが「誰が誰に行くのか?」わからなくなりやや混乱しています。
そしてポジションチェンジの影響でマークがズレてしまう。
枠外に本来のマークの組み合わせを並べてありますが、そもそも加地がCBの染谷にプレスに行っているのはおかしい。
結果、ボランチがドフリーになってしまいサイドチェンジ大砲と化して右サイドへボコボコサイドチェンジを放り込んでいきます。
ミソは、前プレが効かなくなっているということです。
前プレで京都縦方向の推進力を抑えられなくなると、どんどん前にスルーパスなりロングフィードを打ち込まれます。
もうひとつ前半もっともまずい形だったシーンを取り上げてみましょう。



26分



26分のシーンですが、まずヨシキのまわりを見るとボトムチェンジ(最終ラインの形をかえること)した京都の4枚に対してこちらはヨシキの1枚だけ。これでは多勢に無勢でプレスはかかりっこありません。行っても交わされるだけの無駄プレスになってしまいます。ヨシキもそれはわかっているんですが、自分がプレスのスイッチを押す係なので「俺が行かないと・・!」という気持ちもある。
前がきっちり人をつかんでパスを限定しているからこそ、最終ラインは前に押し上げられます。
しかし、前が不安定だと相手がパスを出せる状態になりやすくなってしまうので、自然と後ろは「スルーパスがくるかもしれない」と構えざるを得ませんから自然とラインは後ろに下がっていきます。そうするとどうなるか?
前に行きたい組と、後ろに備えなきゃな組が逆方向に動くことで、中盤に巨大なスペースができていまいました。
そのスペースを活用して、フリックに反応したイ・ヨンジェを走らせて、という京都の見事な攻撃。
これが前半もっともよくない形でしたが、よくもわるくも前プレなんですよねやっぱり。
前プレ(ハイプレス)は一人一殺が大原則ですから、外されるようならば枚数を調整しないといけません。
またプレスがかからないのに行ってしまうと、ただぽっかりスペースが空くだけにもなってしまうので、今年の守備を見ていく上ではチェックしておきたいところ。そういう意味でもこのシーンはいいシーンでした。
こちらの前線3枚の守備力がどう求められているのか?そこも垣間見えるシーンでもあったと思います。
前は行く、後ろは引く、中盤がぽっかり空くということでこれを修正する必要がありますからテツさんが動きます。




◎前プレを抑制させる意味での3142の守備




疲労もあり京都のボトムチェンジの処理も難しいということでテツさんが動きます。
布陣を3421から3142に変えて、高い位置でのプレスをあきらめてラインを下げて構えます。



さげた


前を2枚にしたことで枚数がさらにあわなくなりますから「前からのプレスを抑えるぞ」というメッセージになったことでしょう。
それにあわせて中盤を3枚にしたことで、後方から状況を確認したうえでプレスに出られるようになり、落ちてくる小屋松のような選手や、ボランチの選手をナベが監視することができるように。出られるときはプレスに出ますが基本は下げて構える。これで532のそれぞれのライン間も詰まってコンパクトになりました。京都がその分ボールを持ち出せるようになりましたが、先の26分のようなシーンを消すためには必要な一手だったかなと思います。このように、前プレ一辺倒では空回ったら事故りますから状況に応じて布陣を変更できるオプションがあることが確認できたのは大きな収穫でしたね。




◎徹底したロングボール攻勢に出る後半の京都



HTでの京都布部監督のコメントによれば、「相手の背後をついていきたい」。
前半でのフォーメーションチェンジで前プレの手が緩んだということで、京都は後半ロングボール攻勢に出ます。
基本的には最終ラインとGKの間狙いや、WBへのサイドチェンジが軸ですが、コメントどおり裏のスペースにCBやボランチから長いボールをどんどん打ち込んできました。ファジは前から行きたいところですが枚数も合わないし、行っても蹴られてしまうということで、なかなかに主導権を握ることができませんでしたね。
例えば48分のシーン。


ロングボール


京都はこちらのプレスが来る前にロングボールを蹴って前線に競らせてそのセカンドボールを先に拾う作戦。
これをやられるとプレスに出た選手の守備が無駄に終わってしまうのみならず、先の26分のシーンのように前と後ろが逆に引っ張られてしまいスペースを与えてしまう状態になってしまいます。
じゃあ相手の狙いがセカンドボールなら、セカンドが落ちてくるエリアに人を増やせばいい・・・・正解。
なんだけど、それを実際にやるとこうなります・・・



さがるしかない


相手の前線に備えるために最終ラインがいて、セカンド拾い役に中盤が必要になってきますから、53のラインは近くなります。
のこりは2トップですが、守備ブロックと離れすぎたら無駄にスペースを与えるばかりで守備の体をなさないのでやっぱり中盤の3枚と適切な距離を保たないといけない。そうなるとプレスに出れませんから、全体として後退守備を余儀なくなれてしまうということですね。これが京都の狙い。
ファジとしては守備で相手をコントロールできるうちはペースを持ってこれますが、そうできないときにいかに戦うか?そのあたりの課題がこの試合でみえたんじゃないかな?と思います。





◎失点後の攻撃をリードする大竹洋平





選手交代が2つあったのちのスローイン。京都右サイドのクロスのこぼれを押し込まれ失点してしまったファジ。
開始直後、終了間際、リスタートで失点するのは注意不足が原因であることが多いです。
今年のチームはどうもそのあたりがまだまだかもしれませんね。
リードを奪ったということで、京都はブロックを下げ、541気味に守ってスペースを消しにかかります。
染谷に代わって田中マルクス闘莉王が投入されますが、たぶんそれも影響していることでしょう。闘莉王は岩政と同じでめっちゃ強いけど足は遅いので、京都とすればあまりラインをあげたくなかったはずです。トヨは交代しましたがヨシキがまだいるので、ヨシキvs闘莉王のスピード勝負では歯が立たないですからスペースは消しておきたいでしょう。
541になったことでこちらの最終ラインは自由がもらえました。その上マンマークではなくなった分、動けばボールを引き出せるようになります。そこで光ったのが大竹洋平のポジショニングでした。





541きょうと



図のように541の4のラインの選手同士の間や、5のラインと4のラインの間のエリアにうまく顔を出してボールを呼び込みます。
大竹投入までなかなか後ろからボールを引き出せない状態だったので、大竹投入で少し前に行けるようになったのはテツさんのいい交代策だったと思います。しかしまあ、大竹がどうもクサいと踏んだ闘莉王の読みはすごいね。




◎君も入ろう赤嶺教





なかなかチャンスもつくれずに1点ビハインド、今日ももしかしたら・・・・みたいな空気がスタジアムにうっすら漂っていた後半のラスト15分。いよいよ赤嶺真吾が投入されます!
はじめて大竹洋平と赤嶺真吾が同時にピッチに立つことになったのですが、この交代采配もまた見事でした・・・
赤嶺が投入された、ということで京都の最終ラインは警戒してより深めに守るようになります。なんですが、541の4のラインは疲労やこちらの中盤を意識しすぎるあまり、コンパクトな連動ができなくなってしまう。



ばいたる



こんだけ54のライン間がスカスカなら大竹の土俵ってなもんでしょう。
赤嶺投入以前から効果的なポジショニングでボールを引き出していた大竹ですが、赤嶺が最終ラインを押し下げていわゆる”深さ”を作ってくれるので、こんな感じに堂々とバイタルを闊歩するシーンが現れることになりました。
すこしづつこちらが攻撃で押し込めるようになっていた88分・・・・
三村→大竹→赤嶺と交代した選手がみんな絡んでの同点ゴール!!



・・・・・すごい!
去年の開幕戦の山口アウェイから入信しておいてよかった赤嶺教。





さらに押せ押せの岡山は、AT4分右サイドから加地のクロスに飛び込んだパクさんが石櫃に倒されてPKゲット!
これをおちついて流し込んだ赤嶺の逆転ゴールで勝ち越し!役者が違うよほんと・・・・
なんとまあ劇的すぎる勝利で長かった長かったトンネルを抜けるホーム初勝利となりました。
今季初めて観戦した試合が久々のホーム勝ち(2016年秋以来)でほっとしました笑





ファジについてのご質問があれば、素人考えに過ぎませんができるだけ出来る範囲でお答えします。
よろしければ質問くださいませ。質問はコチラから→ask.fm/ZeroFagi


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COMMENT 2

-  2017, 03. 21 [Tue] 20:08

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Zerofagi  2017, 03. 21 [Tue] 22:51

>20:08の方


コメントありがとうございます。
楽しんでいただいていることがブログを続ける一番のモチベーションです!
今後ともよろしくお願いします。

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