書評 『解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』

このブログのカテゴリに新しくサッカー本棚という分類を作ってみました。
本をたくさん読むほうではないのですが、サッカー関連書籍だけはしっかりお金をかけて集めよう!と思っていまして、2011年くらいからこつこつ冊数を積み上げてきました。いろんな本を手に取ってみると人に勧めたくなる本に出会うこともしばしば。そこで、読んだ本を紹介する記事をブログの上に残していこうと思います。サッカー本購入の際の参考にでもなれば幸いです。
ということで、一発目は割と新しい本。サッカー本としては珍しいテーマのこの一冊です!




解説者



河治良幸 (著) / 内外出版社








サッカージャーナリスト河治良幸さんの本で、サッカー解説者にスポットライトを当てた珍しい本だと思います。
誰でも名前を聞いたことのあるサッカー解説者および実況者5名へのインタビューが本書の中心で、それぞれの解説者が”解説者という仕事”について話すという・・・・いやー、ほんとに珍しいインタビューが読める本です。
ゲームの魅力を抜き出して視聴者に提示するというサッカー解説者の持っているコトバには、サッカーをより味わい深く楽しむために役に立つことが詰まっている。本書においてはそのコトバに注目し、それぞれの識者のコトバにクローズアップしていこうという内容になっています。インタビュー主体なのでサクサク読めますし、アウェイの移動中のお供なんかにちょうどいいかもしれません。


タイトルとしては一見”サッカーの見かた系”の本のように受け取られるんですが、個人的には見かた系的な本というより解説者や実況者のバックグラウンドを紹介してくれたお仕事紹介本のようなテイストに感じられましたね。解説者や実況者という普通ならばインタビューする側のひとたちにインタビューする、もうこの時点で実に興味深いのですが笑それぞれの識者がどういうことに注意したりどういうことを大事にしていたり、普段サッカー中継で見聞きする彼らの仕事ぶりの裏にはどういう思いや技術があるのかこの本で知ることができてよかったなと思います。


実は自分はサッカー解説者、そして実況者には強い思いを持っています。
なぜならば、自分にとってのサッカーの先生はサッカー解説者、実況者の肉声だからです。
これまで何百試合かわからないくらいサッカーの中継を見てきました。自分には実技経験がないですし、周りにサッカーについて質問できる人もいませんでした。だからサッカーに詳しくなろうと思っても誰にも教えてもらえなかったんですね。
そういう自分にサッカーの知識を授けてくれたのが、それぞれの試合におけるサッカー解説者や実況者のコトバでした。
「60分あたりからスタミナが消耗して走れなくなってくる」
「雨の日はピッチがスリッピーになっているのでアクシデントに注意しなければならない」
サッカーを見るうえでは基本中の基本といえるような知識ですが、全部サッカー中継の解説者や実況者が教えてくれたことでした。自分のサッカーに関する知識はこうしたひとつひとつの知識をつなぎ合わせたモザイクのような形になっています。だから本当にサッカー解説者、実況者はサッカーの先生でありゲームが教科書なんですよね。


ぶっちゃけた話、ファジの試合を担当する主審が誰か?ということよりも、その試合の解説や実況は誰なのか?のほうがはるかに気になるくらい自分にとっては大事なことです。信頼できる解説・実況であれば、またそのゲームの中から新しい知識を教えてもらえるかもしれない!と期待できますからね。ところがもし解説や実況がよくなければ、”先生”を信頼できないことになります。正直自分程度の素人でも「そんなんいわんでもわかるわ・・・」って解説をする人も少なくない。そういう解説実況は変に気になってイライラします。その挙句試合に集中できなくなったりしますからね。しずしずとミュートして無音で楽しむしかないという・・・・。
スカパー時代もDAZNの今も喋り手のクオリティや人材の確保はなかなか難しそうですから、これも成熟していくには時間がかかると思いますが、お金を払って視聴するものである以上クオリティの向上に期待したいと思っております。
そういう意味では、今実際にしゃべっている実況の方や解説の方に一読お勧めしたい本かもしれませんね。





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